「2025年問題」とは、団塊の世代(1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)生まれ)の人達が2025年頃に後期高齢者(75歳以上)に達することにより、様々な問題が発生するであろうことが予測される「いわゆるひとつのXデー」とも言える問題のことになります。
つまりは「高齢化問題が益々深刻化する時が来る」のです。
内閣府が発表した「平成30年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)」によると、平成29(2017)年10月1日の時点で65歳以上の高齢者の人口は3515万人、総人口(1億2671万人)に占める高齢化率は27.7%となっており、「日本の約3人に1人は65歳以上」という統計が出ています。
更に、75歳以上は1748万人で総人口の13.8%となっており、既に「高齢化社会を通り超えて超高齢社会に突入している」のです。
そんな状況で、団塊の世代が75歳以上となる2025年は「日本人の3人に1人が75歳以上の高齢者」という時代へ突入していくのです。
今回は、2025年問題とはどういったものなのということに触れつつ、「高齢者を生かすために若者が倒れていくことになれば本末転倒であり絶望しかない」ということについて記事を書きたいと思います。
【絶望】2025年問題は何が問題なのか
2025年になって75歳以上の人が増えることで、具体的には何が問題となってくるのでしょうか。
①介護・医療費が増大する
それだけ高齢者が増えれば、当然介護保険料や医療保険料等の社会保障費も増大します。
保険の財源である保険料の多くは現役世代が納めているわけですが、年々現役世代の人口が減っていく中で、その負担額も増えていくことが予想されます。
今後の若者たちは「搾取されるために働く」という本末転倒な時代が待っています。
②年金支給額が増大する
年金も社会保障費の一種ですが、2025年以降に高齢者が増えれば当然年金支給額も増えます。
この年金制度を支えているのも現役世代ですから、経済的な負担が大きくなるのは必至と言えます。
しかし、現役世代が今後年金を受給できるのが何歳になるのかは「その時の情勢や政策」に大きく左右されるのでわかりません。
昔は55歳から年金が支給されている時代もありましたが、支給開始年齢は年々上がっていっており、現在は原則65歳以上になっています。
「今の若者が受給できるのは75歳以上になるんじゃないか」とか「本当にもらえるのか不透明」という闇深さがありますが、それが「情勢に合わせた支え合いの保障制度」という理論になります。
しかし、どう考えても「搾取されているようにしか感じない」のは若者の貯蓄額を見れば明らかではないでしょうか。
③介護問題
高齢者を支える必要があるのは金銭的・経済的な面だけではありません。
精神的・肉体的にも「介護」という形で支えていく必要があります。
最近の60歳代はとても若々しくて元気な人が多いですが、これが後期高齢者となる75歳から身体機能や認知機能がガクンと低下します。
そうすると「介護」が必要になってくるのですが、問題は「介護をする人がいない」ことです(3人に1人は高齢者の時代なわけですし)。
まずは、在宅で家族が介護をするのですが、家族にだって仕事もあれば用事もあります。
24時間365日介護をすることは相当な負担であり、まず無理です。
そこで、担当のケアマネジャー(介護支援専門員)と介護サービスの利用を検討したり調整をしたりするわけですが、「職業として介護を提供するはずの介護職員も人材不足」なのです。
現在でも既に人材不足の状況で、「2025年までにあと37万7千人の介護職員が不足する」と言われています。
介護職員がいなければ、高齢者を受け入れることが出来ないので、無理やり在宅介護を継続し家族が身体を壊したり、野放し状態(ネグレクト)になり街に高齢者が溢れかえる可能性もあります。
2025年以降はそういう「地獄絵図」が想像できるわけですが、そうならないように国は外国人介護士を大量に斡旋する施策を打ち出しています。
最後に
今回は、2025年問題について解説しました。
私がとても気になっているのは
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ということです。
「高齢者を生かすために若者が倒れていく絶望の時代」では本末転倒なのです。
もちろん、これらを簡単に解決できるなら社会問題にもならないのでしょうが、今後は当ブログで介護職員の目線で記事を書いていきたいと思います。