【2025年問題】介護職員は今より「幸せ」になれるか?

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「幸せ」と言うと、とても抽象的な言い方なので、その定義も人それぞれだと思います。

心が満ち足りていれば幸せを感じるわけですが、「どういう状態になれば心が満ち足りるか」という価値観は人によって違ってくるからです。

収入やお金が沢山あれば幸せを感じる人もいれば、好きな人と一緒にいるだけで幸せを感じたり、恵まれた職場環境で働くことに幸せを感じたり、健康でいれることに幸せを感じる人もいるでしょう。

どれかひとつでも満ち足りていれば「幸せ」を感じることができるのですが、幸せな状況が多いに越したことはありません。

では、2025年の介護職員は「幸せ」になれるでしょうか。

2025年の介護現場

今後益々高齢者人口は増え続け、2025年以降は介護を必要とする高齢者も増加していきます。

しかし、介護事業所も受け入れできるキャパシティ(定員)が決まっているので、「介護サービスを受けたくても受けれない」という状況が予想されます。

①売り手市場になる

介護サービスを利用したくても利用できない状態になることで、「介護事業所は利用者を選べる時代」が来ます。

現状のように「お客様は神様だ」と言わんばかりの「利用者至上主義」もだんだんと薄れてくるのではないでしょうか。

もちろん、利用者を軽んじたり蔑ろにすることはいけませんしあり得ませんが、「介護保険の中で必要最低限のケアを行っていく」という本来の健全な運営に昇華されていくことが予想されます。

それでは不満な高齢者は無理に介護サービスを利用する必要はありませんし、「もっとお金を出して保険外のサービスを利用する」という選択肢があります。

もちろん、今まで介護職員が我慢や泣き寝入りをしてきた「良くない行為をする利用者」は真っ先に行き場を失うでしょう。

今後は売り手市場になることで、介護職員も今よりも「幸せ」を感じることが増えていくのではないでしょうか。

介護業界で働く多くの人は「介護保険制度下の事業所」だと思います。 介護保険制度下では、財源が乏しく、現状で「最低の待遇で最高の...

②収入は微増

介護職員は全産業の中でも収入が著しく低いことで有名ですが、徐々には改善してきています。

「介護職員処遇改善手当」という手当が支給されることで底上げをしているわけですが、この手当にも闇深い部分があります。

よく聞くのが「うちの事業所では支給されていない」などの「事業所格差」です。

処遇改善手当は事業所が内部保留をすることはできないので、事業所が着服すると介護保険の不正受給・不正運用として一発アウトなのですが、「どの介護職員にいくら支給するか」は事業所の柔軟な運用に委ねられています。

しかも、いくら支給しているかは給与明細に載せなくてもいいことになっているので、事業所に「皆さんに均等にお支払いしています」と言われればそれを確かめる術はありません。

行政への報告も「誰に幾ら支払ったか」ではなく「内部保留せずに職員の給与として全て使い切りました」という証明ができればそれで足りるのですからタチが悪い手当だと言えます。

また、「介護職員処遇改善加算」には「Ⅰ」~「Ⅴ」の区分があり、事業所の職員の配置状況やキャリアパスや職場環境等の要件によって、取得できる区分が変わってきます。

区分が変われば金額も変わるので、事業所によっては多くの手当が貰える所と、雀の涙ほどしか貰えない所が存在しています。

中には、事業所が要件に該当せず、処遇改善加算を取得できていない場合さえあります。

もちろん、その場合は職員に手当がつくことはありません。

現場で働いている職員には何の罪もないのに、働いている事業所が要件を満たしていないというだけで手当が少なかったり、貰うことができなくなってしまうのが「処遇改善手当の事業所格差」なのです。

2019年10月から新しい処遇改善加算も実施されます(通称:業界10年以上の介護福祉士に月8万円加算)。

基本給のベースアップをせずに「手当」で水増しを試みる点に疑問を感じます。

賛否両論ありますが、2025年の介護職員の収入は微増といった所ではないでしょうか。

現状よりも少しでも収入が増えれば「幸せ」と言えるかどうかは、「労働と対価が見合っているか」を慎重に考える必要があります。

厚労省が介護職員の処遇を改善するために「勤続10年以上の介護福祉士に月8万円支給する」という政策が2017年12月8日に閣議決定され...

③職場環境は変わらず

介護職員の人材不足が叫ばれ始めてから結構な年月が経っています。

人材不足解消のために、国や業界や事業所は様々な努力をしてきたはずですが、まだまだ不足している現状は変わりありません。

ましてや2025年になると今よりももっと人材不足は深刻となるでしょう。

介護職員の収入面と併せて改善していく必要があるのが「職場環境」です。

労働時間や労働負担、人間関係の問題です。

事業所のキャパシティが決まっているからと言って、職員の人数が足りなければ労働時間や負担は増える一方です。

「人材が確保できればマシになって確保できなければ過重労働を強いられる」という状況は、2025年になっても今と変わらないままだと予想されます。

人間関係についても、これだけ人材不足なのにまだまだ介護現場では「パワハラ」「揚げ足取り」「吊るし上げ」が横行しています。

どの業界でもそういった人間関係はあるのかもしれませんが、「まだまだ女性社会の介護業界は特に異質」です。

残念ですが、こういった劣悪な人間関係がある事業所は2025年になろうと変わることはないでしょう。

「人材不足により運営不能や倒産などで事業所が淘汰されていくのが先か」「介護職員の心と腰が折れるのが先か」というネガティブなチキンレースが始まっているのです。

2018年6月に「介護職員が利用者や家族からセクハラやパワハラを受けた経験について」の最終的なアンケート結果が公表されました。 ...

最後に

売り手市場になったり、収入が微増することにより、多少なりとも今よりも「幸せ」を感じることが出来る可能性はありますが、職場環境や人間関係の改善は見込めないかもしれません。

何をもって「幸せ」と定義するかは人それぞれになりますが、自分を騙しながら「自己犠牲」や「やりがい」だけで乗り切るのはいつか無理がきます。

自分の健康や家族や幸せを第一に考えた働き方ができる業界になっていって欲しいと思います。

介護職員が幸せでなければ、利用者に良いサービスや幸せを提供することはできないのです。

介護職員の収入が薄給なのはご周知の通りですが、仲間内や同僚などとの会話をしている中で給料の話になることがあります。 そんな話題...

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