介護士の職業病で有名なのは「腰痛」ですが、介護士を長く続けていると「声が大きくなる」というイメージを持っている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに、高齢者を相手にしていると、耳が遠い人も多いので普段の会話自体が声のボリュームを上げて話すことも多々あります。
職業柄、毎日毎日大きな声を出していると、「職場外や普段の声量も大きくなっていくのではないか?」という風に思われても仕方がないかと思います。
しかし、長らく介護職員をやってきて「そうでもないな」と思ったので記事に書きたいと思います。
声が大きい介護職員の分類
「介護職員は基本的に声が大きい」というイメージがあるかもしれませんが、私はそんなに声は大きくありません。
むしろ小さい方かと思います。
もちろん、耳の遠い利用者と意思疎通を図るために、耳元で大きな声で会話をすることもありますが、常日頃からそんなボリュームで喋ることはありません。
では、「何故介護職員は声が大きい」というイメージを持たれているのでしょうか。
分類①「元々声が大きい人」
おばちゃんヘルパーなどに多いのですが、世間話や噂好きで常に声の声量マックスで喋っている人を多く見掛けます。
介護士を長くやっているから声が大きいのではなく、元々声が大きい人が介護士をやっているのです。
分類②「声量の調整ができない人」
常に声量が大きいわけではなく、ボリュームを上げる必要がある時と、上げる必要がない時の区別がつかない人も存在します。
遠くから喋りかけてくる時も凄く近くにいる時も、声量マックスで話し掛けられると「声のボリューム調整ができていないな」と感じます。
分類③「常に焦っている人」
業務や心に余裕がない人は常に焦っています。
焦ってしまうと必然的に声が大きくなってしまう傾向があります。
「すいません!すいません!誰かー!誰かー!お願いします!」
ととある職員から大きな声で呼ばれたので、緊急事態かと思い駆け寄ると、誰も乗っていない車椅子をどこに置いたら良いのか聞きたかっただけだったようです。
こちらは、一瞬ドキリとしてしまいました。
「ひやり・はっと報告書」を書きたい気分になります(書きませんが)。
声が大きいデメリット
声が小さい人の方がデメリットが多そうですが、声が大きい人にもデメリットがあります。
デメリット①「声が筒抜け」
普通のトーンで喋っているつもりでも、声が大きい人の会話は筒抜けになります。
職場内であっても職場外であっても、利用者の個人情報やプライバシーが声のトーンとともに漏れていってしまいます。
最悪の場合、守秘義務違反になりかねません。
デメリット②「威圧・恫喝しているように聞こえる」
耳の遠い利用者と会話をするために、大きな声を出しているわけですが、相手の耳が遠い以上、言葉は明瞭簡潔に伝える方が伝わりやすいのです。
例えば、朝ごはんの時間を伝える場合
「朝ごはんは7時になったら準備します」
と伝えるより
「朝ごはんは7時」
という言い方をする方が伝わりやすいのです。
一見、タメ語やタメ口のように聞こえてしまいますが、介護士としては伝わりやすい言い方をしたに過ぎません。
その流れで
「それは良くないことです」
と伝えるよりも
「ダメです」
と言う方が伝わりやすいのですが、状況を知らない人が聞いたら
「利用者にタメ語で喋り、しかも威圧的で恫喝するような言い方をしている」
と誤解を受けてしまう場合もあります。
声が大きいと尚更そう聞こえてしまう可能性があります。
デメリット③「同僚をドキリとさせる」
常に大きな声を出されると同僚としては常に緊急事態のように感じてしまいます。
慣れればいいのでしょうが、本当の緊急事態の時に困ります。
ちょっと私も苦手なタイプです。
最後に
今回は「介護士をしているとだんだん声量が大きくなっていくのではないか」ということについて記事を書きました。
「介護士に声が大きい人が多い」というイメージを持たれているということは、実際に声が大きい介護士が多いのだろうと思います。
しかし、皆が皆、声が大きいというわけではありません。
独断と偏見ですが、やはり男性より女性スタッフの方が声が大きいように感じます。
女性の中でも、中高年の声の大きさの比率が大きく、若い女性は小さい人が多いように感じます。
図式にまとめると
(声が大きい) ← 中高年の女性スタッフ > 中高年の男性スタッフ > 若い女性スタッフ ≒ 若い男性スタッフ → (声が小さい)
という印象です。
しかし、これはあくまでも私の独断と偏見であり、実際は若いスタッフでも声のボリューム調整ができていないと感じる職員もいますし、個人差が大きいと言えます。
したがいまして、結論としては「介護士を続けているからといって皆が皆、声が大きくなるわけではない」ということになります。