介護現場で働く介護職員の中には「裏の顔を持つ職員」が存在します。
利用者への対応で「表の顔」と「裏の顔」を使い分けて対応をすることは「不適切」だと言えます。
今回は、どこの事業所にも存在しがちな「表の顔と裏の顔を持つ介護職員」について記事を書きたいと思います。
「裏の顔」を持つ介護職員とは?
「裏の顔」とはどういう顔なのかを説明します。
利用者の対応をする際に、他の職員がいる所や家族の面会時には丁寧な言葉を遣い丁寧な対応をするのですが、周りに誰もいない時や夜勤などでは態度や対応が豹変する職員のことを指します。
そして、そういう職員がニュースでよく見かける事故や事件の加害者になりがちです。
テレビやニュースなどで事件発覚後の周囲の聞き取りでも
「勤務態度はまじめだった」
「そんな事をする人物だとは思わなかった」
などという発言を耳にしたことがあるかと思います。
「周囲も気づかないほど巧妙に裏の顔と表の顔を使い分けている」のです。
しかし実際は、「同じ現場の職員は薄々気づいている」という場合も多いのではないでしょうか。
周りが気づいていることも多い
ワンオペ夜勤中ならまだしも、数名の職員が同じ現場で働いている日中の場合は、同僚も薄々気づいている場合があります。
さすがに同僚の目の届く範囲では裏の顔は出しませんが、利用者とマンツーマンになるタイミングで本性を現します。
日中に利用者とマンツーマンになる機会は
- 入浴
- トイレ内
- 居室内
などになります。
利用者に罵声を浴びせたりひどい対応をしている場合、雰囲気や居室内や浴室内から微かに聞こえる声でわかります。
その場合、「直接、本人に注意をする」「上司に報告する」という選択肢が考えられます。
しかし、残念なことに「そもそも裏表のある職員は注意しても直らない」「上司や会社の対応が甘い」という状況が往々にしてあり、そのまま放置されることが普通に行われています。
放置される原因としては、
- 注意をされたことにより裏表の切り替えが益々巧妙になり改善したかのように見える
- 人員不足なので多少のことは大目に見るしかない環境
ということが考えられます。
介護業界にはそういった温床が多数存在しており、その氷山の一角が時々ニュースで流れているのです。
全ての対応は問題が起こってから
上記の理由により、裏の顔がある職員が放置される結果になり、行きつく先は重大な事故や事件になります。
事業所も行政もそうなってからやっと重い腰を上げます。
そういう対応の仕方が、
- 負の連鎖
- 介護業界の発展の阻害
- 介護職員の社会的地位の低さ
を増長させているのではないでしょうか。
世間の介護職員に対する印象も
「やっぱり介護職員には変な人が多い」
「変な人だから介護職員をやっている」
「そんな介護職員の給料や社会的地位を上げる必要はない」
というイメージが先行します。
問題が起こる前に適切な対応が出来れば、そういった情けない連鎖を食い止めることが出来るのではないでしょうか。
最後に
今回は、「裏の顔を持つ介護職員」に関して記事を書きました。
実際問題、「誰でも雇い入れる」「問題のある職員を野放しにする環境」「問題のある職員を排除できない環境」があるのは間違いありません。
もちろん、人間が人間を介護しているのですから色々な感情が沸き起こってくるでしょう。
私だってそうです。
しかし、「内心思うこととそれを口に出すこと」「脳内で相手を成敗することとそれを実行に移すこと」は全く違うのです。
そういった殺伐とした介護業務の中で、「裏表のない介護をする」というたったそれだけの専門性が世間に認識されることによって
- 介護の仕事は誰でも出来ない
- もっと評価され認められるべき職種
- 裏表のある人は介護士とは言えない
ということが理解できるようになるのではないでしょうか。
そうすることで、我々、介護職員も救われますし、なにより利用者が今よりもっと救われます。