多くの介護事業所で介護職員等の介護人材が不足しています。
その理由を簡単に言ってしまえば
「介護業界全体がブラック体質だから人材が不足している」
と言い切ってしまってもいいかと思います。
「低賃金」という理由もありますが、
「何で低賃金な上にブラックな環境で働かなければならないんだ」
という事に行き着いてしまいます。
そもそも
「介護職員に支給される賃金では生活が成り立たない」
という人は最初から避けて通る職業です。
最近では「ホワイトでそこそこの賃金」を支給する介護事業所も少しは存在しているようですが、ごく少数であり、職員の定着率も高いためなかなかそういう所は「求人募集」をしていません。
現状で人員不足の介護施設には「面接」どころか「応募」すらありません。
どこでどうやって「ブラック体質の介護施設」だとバレてしまったのでしょうか。
今回はその原因と理由を考察していきたいと思います。
原因①「一年中求人募集をしている」
求職者は特によく求人募集を見ています。
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等で目を皿のようにして求人内容を確認しています。
今はインターネットでもお手軽に求人募集を閲覧できるので、尚更確認が簡単になりました。
求職者が避けて通りたい求人は「一年中求人募集をしている事業所」です。
ハローワークの窓口へ行けばハロワの職員が
「この事業所はいつでも求人を出しているからやめておいた方がいいよ」
などと老婆心で教えてくれたりもします。
つまり
「一年中求人募集をしている事業所」=「職員の出入りが多い(又は全く応募がない)事業所」=「何らかの問題がある事業所」=「応募者が不幸になる確率が高い事業所」
という実態が事実として存在するのです。
ですから「一年中求人募集をしている事業所には応募がない」と言えます。
しかし、求人募集をしなければ応募もないわけで、負のスパイラルに陥っているのです。
原因②「職員の目がうつろ」
その事業所の環境や待遇が良いか悪いかは、現に働いている職員の表情や目を見れば大体わかります。
仮に施設見学に行っても一日中いるわけではないので、その瞬間だけでは見抜けない場合があります。
自然な笑顔が一番ですが、作り笑顔をしている場合もあります。
しかし、本当にヤバい事業所の職員は「作り笑顔さえ出来ず、覇気も生気もないようなうつろな目」をしています。
職員の作り笑顔さえ出ない事業所は誰が見ても「明らかにおかしい」とわかります。
「自分も入職したらそうなるのか」と思うと敬遠してしまうのは当然です。
応募前に事前に「施設見学」をした方が良い理由のひとつです。
良い施設のポイントとして「利用者の表情」を見ることも大切ですが、認知症者が多い場合は利用者の表情で判断するのは難しいですし、今回の考察は「良い施設を見分けるポイント」ではなく「人員不足の施設に求人応募がない理由」なので「職員の目がうつろになっている施設は求人応募がない」という結論で結びたいと思います。
原因③「辞めていった職員たちのクチコミの影響」
退職していった職員の多くは、事業所に対してネガティブな感情を抱いている人が多いと思います。
退職者が
- 家族
- 友人
- 親しい人
- 転職先の職員
などの人達に自分が元いた介護施設のネガティブな情報やクチコミを伝えることでしょう。
「すごく職員思いの良い施設だったんだけど私の勝手な都合で辞めちゃった」などと言う人はあまりいないと思います。
ネガティブなクチコミを聞いた「家族」や「友人」や「親しい人」や「転職先の職員」は、更にその情報を
- 親兄弟や親戚
- 友人
- 親しい人
- 自分の職場の人
などに話したりすることで、ネガティブな噂や情報や口コミが「ねずみ算式」に広がっていきます。
辞めて行った職員が多ければ多いほど広がるスピードが早くなり、信憑性も増していきます。
それほど時間が掛からず
「あの介護施設は職員を大切にしないらしい」
「安月給で職員をこき使うらしい」
「経営者が無能らしい」
「介護職員処遇改善手当を支給していないらしい」
「常に人員不足で職員の業務負担が大きいらしい」
「パワハラ上司がいるらしい」
「介護職員だけに責任や負担を押し付けるらしい」
などという悪評が地域内に蔓延することでしょう。
「ブラックな介護施設」というレッテルを貼られてしまった事業所に求人応募など来るはずもありません。
過去に退職者が多ければ多いほど、事業所自ら焼き畑農業を行い人材を焼き払っているため
「ブラック体質を自ら露呈させ、求人応募が年々少なくなり遂には全くなくなる」
という結果になるのです。
最後に
今回は「人員不足の介護事業所に求人応募が来ない3つの原因と理由」について記事を書きました。
上記3つの原因で人員不足の介護事業所は悪循環に陥り、人員不足が人員不足を呼ぶ状態になっていると言えます。
共通して言えるのは「職員を大切にしてこなかった事業所の自業自得」ということです。
本気で人員不足を解消したかったら「まずは今いる職員を大切にする」ということから始める必要があるでしょう。
焼き払ってしまった田畑に今から種を植えても、芽が出て花が咲き実がなるまでには相当な時間が掛かるでしょうが、このままでは実がなるどころかペンペン草も生えない荒廃した事業所となり「経営破綻」「運営不能」が待っているのではないでしょうか。
介護業界に限らず、人員不足に悩む事業所は同じ原因で求人応募が無いことが考えられます。
そんな状況では利用者や顧客に満足のいくサービスは提供できませんし、事業所や業界の安定成長や繁栄は見込めません。
まずは今いる従業員、職員の「定着率」を上げることに専念していく必要があります。
コメント
ありがとうございます。
ホントいまさらって感じです。施設長には期待はしてないので。今回のヒアリングも個人の職員絡みが原因で理事が出てきた事もありまして行っているみたいです。
新しい施設ホントは来年6月オープンの予定でしたが着工もオープンも伸び伸びなのはコロナ禍ですねと採用担当が言ってました。あとは法人側と業者側の話し合いが不調で…たぶんお互い妥協しなかったと思います。とにかくコロナが落ちつかないと先が見えませんね(*_*)
>かずさん
施設長だろうとどんなお偉いさんだろうと謙虚さがないと足元をすくわれますからね。
それにしてもコロナ禍は色々なところに影響を及ぼしますね~
ウチの施設、職員今月また一人辞めて3月で辞める予定の職員がいます。
理事長の命令でしょうか?施設長と相談員で職員一人ひとりにヒアリングするみたいです。どうすれば職員が入るとか、その他色々、まだ僕は呼ばれてませんが、呼ばれた人は異口同音で今までなんで真面目に職員募集しなかった、遅すぎ!シフトの依怙贔屓が凄い!辞めたいと思っている職員がたくさんいる!とか…どこまで施設長の心に届いたか…。
そういえば僕が採用になった来年オープン予定の特養今月から着工予定でしたが業者となんかあったらしくまた入札しなおしらしいです。で、着工は2月からでオープンはヘタしたら来年の年の瀬になりそうです。無事にオープンできるのか、自分が今の職場無事に退職できてその特養にいけるか、ちょっと不安ですね。とにかく今は目の前の仕事頑張るしかないですが…人手不足でみんなぎすぎすしてるから精神的につらいですね(*_*)
>かずさん
こんばんは~
コメントありがとうございます^^
今更な気もしますが、皆の声や気持ちが施設長に届けばいいですね。
転職先のオープンが遅れるのは痛いですね。
良い結果になりますよう心よりお祈りしております。