多くの介護事業所は人員不足です。
人員不足の介護現場で働く介護職員は、過重労働により劣悪な環境の中に身を置いています。
反対の側面から見れば「人員不足の介護事業所ばかりのお陰で業界全体で有効求人倍率が高く転職しやすい」とも言えます。
しかし、「求人募集が多くて食いっぱぐれがない」と言えば聞こえは良いですが、要は「いくら募集をしても人員が満たされることのない業界」ということになります。
中には、いつ見ても求人募集をしている「常連介護事業所」も多々あります。
今回は、「1年中求人募集をしている介護事業所は恥ずかしくないのだろうか」ということについて記事を書きたいと思います。
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1年中求人募集をしている介護事業所
求人募集はハローワークであったり転職エージェントや自社ホームページなどで行われるわけですが、どの媒体であっても「人員不足だから募集をしている」わけです。
ハローワークや自社ホームページであれば無料で求人募集ができますし、エージェントなどは有料であったり仲介手数料が発生するものの、お互い(事業所と求職者)の希望がマッチングしやすいというメリットもあります。
ハローワークを通せば事業所は助成金が貰えたり、求職者は再就職手当が支給される制度があるため、お互いにとって大きなメリットだと言えます。
しかしながら、様々な媒体で「1年中求人募集をしている介護事業所」は恥ずかしくはないのでしょうか。
自分が事業主だったら恥ずかしい
物の考え方や価値観は人それぞれですから、1年中求人応募をしていても恥ずかしくない人もいるのかもしれません。
しかし、もし私が事業主だったら「とっても恥ずかしい」です。
募集し続けても応募が来ず、通年して「ずっと応募が来ない常に人員不足の悲惨な事業所です」という札をぶら下げているのと同義だからです。
募集しないと応募は来ない
いくら求人募集を掲げ続けることが恥ずかしいとは言っても、募集をしなければ応募者も来ないわけです。
ひょっとしたら、「1年中求人募集をしているのは恥ずかしいけど応募が来ないから仕方がない」という状況なのかもしれません。
しかし、闇雲に募集し続けるのではなく「応募が来ない理由」を考えて改善していくことが大切ではないでしょうか。
精一杯の変更点は「急募」
いくら募集しても応募が来ないのは「何か問題や理由があるから」です。
それは例えば、
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などですが、これらを改善しようとすると事業所の根幹から改革していかなければなりません。
しかし、そもそもそんな改革ができる事業所であれば「人員不足にはなっていない」のです。
人員不足になった原因も追究せず、精一杯絞り出した変更点は求人票に「急募」とするくらいです。
急募としても誰も応募しない状況は恥ずかしいとしか言いようがありません。
ブラックの可能性大
求職者もバカではないので、いつ見ても募集している事業所はチェックしていますし、最近はハローワークの職員が「ここはずっと募集しているからちょっとねぇ…」などと教えてくれることもあります。
つまり、1年中求人募集をすることで逆に応募が来なくなるという悪循環に陥っていることになります。
そして、多くの人の共通認識として「1年中求人募集をしている=ブラックの可能性が高い」ということがあります。
そして、事実そうなのです。
1年中求人募集をすることで、ブラックの可能性を介護事業所自らが公言していることになり、恥ずかしさを通り越えて図々しいのです。
情報弱者を待っている
1年中求人募集をしている介護事業所は、恥も外聞もなくクモの巣のように張り巡らせた糸に「情報弱者が引っ掛かるのを待っている」のです。
そして、応募があればどんな人材であろうが誰でも雇い入れることでしょう。
とりあえずの「頭数」が必要なのです。
そんなことをしているからどんどん職員が辞めていくことになり、1年中求人募集ばかりしているのが介護業界の現状です。
最後に
今回は、「1年中求人募集をしている介護事業所は恥ずかしくないのだろうか」ということについて記事を書きました。
人員不足や求人応募が来ない原因を突き詰めることなく、恥も外聞もないブラック体質の介護事業所が、情報弱者の求職者を捕まえるためにクモの糸のように1年中求人募集を張り巡らせているのが現状です。
そんな事業所には「応募が来ない来ないと嘆いているだけでは何も変わりませんよ」「自分が変わらないと人は変わりませんよ」とお伝えしたいところです。