介護業界の異常性

介護職員の愚痴が封殺される風潮が悪循環を創り出す

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介護職員は愚痴をこぼすことがしにくい職業です。

それは、守秘義務や個人情報保護を遵守することが課せられているからでもありますし、介護の仕事に携わる人間が愚痴をこぼしている姿は世間的に見てもあまり好ましくないという風潮があるからです。

そもそも、「愚痴」という言葉自体にネガティブな印象があり、「良くないもの」として捉われています。

しかし、介護現場は特殊な環境や業務であるためにストレスが溜まりやすく「愚痴を言いたくなる状況」が常態化しています。

その「愚痴を吐いてはいけない風潮」と「吐きたい愚痴が積もり積もっていく現実」の間に立って仕事をしている介護職員は身体や精神のバランスを崩しやすい環境に置かれていると言えます。

今回は、「介護職員の愚痴が封殺される風潮が悪循環を創り出す」ということについて記事を書きたいと思います。

介護職員が本音や愚痴を漏らしにくい「5つの理由」

 

 

 

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介護職員の愚痴が封殺される風潮と悪循環

 

 

どんな仕事であれ、お金を貰って働いている以上「文句や愚痴を言わずに一生懸命働く姿こそが美しい」という倫理的な考え方が前提にあることは理解ができます。

しかし、介護の仕事は利用者という人間の生活全般について援助者として関わっていくわけですから、いくら知識や経験があろうとストレスは溜まります。

そのストレスを、「愚痴」以外の方法(例えば、アンガーマネジメント等)で何とか処理させようとしているのが現状です。

つまり、「愚痴は言わない、吐かない、こぼさない」という風潮があり、もし愚痴をこぼしたりしてしまったら「そんなことを言ってはいけない」「愚痴をこぼすのは専門職失格」などと言われて封殺されてしまうために、逆に悪循環に陥っていると言えるのではないでしょうか。

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悪循環①「ストレスが溜まる一方」

ストレスが溜まり愚痴をこぼしたくなっても「言ってはいけない」という風潮であれば、介護職員はストレスが溜まる一方です。

そのストレスのガス抜きができなければ、いつか爆発してしまう可能性があることは容易に予想がつきます。

そのストレス発散方法については、個々の裁量に委ねられているわけですが、「愚痴以外の方法」でなければなりません。

職員個々の自浄作用や解消方法に委ねられ「愚痴をこぼしてはいけない」という風潮であれば、上手くストレスを解消できない職員が出てくるのも当然です。

そんな状態が続けば悪循環に陥っていくでしょう。

 

 

悪循環②「萎縮する」

「愚痴をこぼすのは悪いこと」「愚痴をこぼすのは介護士失格」「愚痴をこぼすと周りや世間から叩かれる」という風潮があると萎縮してしまいます。

職場ではもちろん、職場外やネット上(TwitterやSNS等)でも「常に良い子」を演じなければならない人生は大変疲れることでしょう。

そんな萎縮し続ける人生であれば、良い仕事もできなくなってきますし、そもそも「この仕事を続けていきたい」という気持ちも薄らいでいきます。

愚痴をこぼすことを封殺される風潮であれば、「いつまで良い子を演じられるかの問題」になってしまうため、演じきれなくなった職員が辞めていくことになれば悪循環に陥っていきます。

 

 

悪循環③「孤独化する」

自宅での家族介護では既に社会問題になっていますが、介護施設等の介護事業所の介護職員であっても愚痴を封殺される風潮の中で働いていると「孤独化」していきます。

「介護士はプロなんだから家族と同列で考えてはいけない」という意見もあるでしょうが、まずは「介護職員も人間である」というところから考えていかなければなりません。

介護現場では、上司や利用者からのハラスメントが横行し、プロとか専門職とか言う以前に「治外法権の世界」になってしまっています。

そして、そんな世界で「愚痴をこぼすことさえ許されない」のだとすれば、それはもう「従順な奴隷」でしかありません。

自宅での家族介護ではガス抜きの場やレスパイトの方法が充足されていっていますが、介護職員にはそれらがなくストレスや愚痴を自分の中で封殺していくことで孤独化していきます。

愚痴を気軽にこぼしたり他職員などと共有できない状態で、悶々とした孤独な精神状態のまま介護業務をし続ける状態は不健全です。

ストレスや愚痴を自分の中で消化できず孤独化した介護職員がどんどん発生していくのは誰の目にも明らかですし、ひいては虐待や介護事件などの「あってはならないこと」に繋がってしまう要因となってしまうため悪循環に陥っていると言えます。

 

 

解決方法「愚痴は悪いものではないという認識」

介護職員の愚痴が封殺されることで悪循環に陥ってしまっている現状を解決していくためには、「介護職員が愚痴をこぼせるような場所や環境や風潮」が必要です。

もちろん、守秘義務や個人情報及び愚痴を吐く場所には配慮していかなければなりませんが、まずは同僚同士で愚痴を言い合ったり共有していくことでストレスや孤独化の悪循環から抜け出しやすくなります。

上司や事業所単位や業界全体で「愚痴は出るもの」「愚痴は溜めずに吐き出すもの」という意識の改革が必要です。

「愚痴=悪」と思われがちですが、一生懸命働いているから愚痴が出るのです。

つまり、「愚痴を抱え込んでいる職員ほど良い職員」と言えるのです(サボっているのに愚痴ばかりの職員も時々いますが、愚痴の内容を聞けばどんな仕事ぶりなのか大体の判断がついたりします)。

その職員の愚痴を許容し「愚痴は悪いものではないという認識」が必要ではないでしょうか。

また、愚痴を吐き出すことで職員間やネット上であれば全国の介護職員同士で情報共有をすることができるメリットもあります。

愚痴によって、問題点が明らかになり改善するキッカケになることもあり得ます。

「愚痴」という言葉のネガティブな印象だけで、封殺したり批判してしまうことの方が問題なのではないでしょうか。

介護職員は愚痴をこぼしたっていいのです。

【思わぬ落とし穴】介護現場で注意が必要な個人情報保護と守秘義務

 

 

 

最後に

 

今回は、「介護職員の愚痴が封殺される風潮が悪循環を創り出す」ということについて記事を書きました。

現場最前線で一生懸命働いていれば、大なり小なり愚痴をこぼしたくなることが多々あります。

その愚痴を封殺し斬り捨てるのではなく、拾い上げて容認していくことで介護職員の心は多少なりとも救われます。

介護現場で良い仕事をするためにも、愚痴によって問題点を露出させたり改善するキッカケとすることで介護の仕事の良い部分を底上げするためにも「介護職員が愚痴をこぼせる環境が必要」なのではないでしょうか。

 

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