介護業界では、躍起になって「介護のイメージアップ」や「ポジティブキャンペーン」が行われています。
しかし個人的な所感ですが、「介護のイメージを良いものに変えていこう」という台詞や文字列が眉唾物に見えてしまうのです。
何故なら、「イメージだけを変えて良くしても原因や現実が変わらないことには意味が無い」と思うからです。
ですから、イメージアップをしていくためには、まず介護現場の実情を理解しネガティブな要因となっているものを取り除いたり改善していく必要があります。
そのことについては、下記記事にまとめていますのでご参照下さい。
今回は、「介護のイメージを変えていこう」と言っている人が眉唾である理由について記事を書きたいと思います。
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「介護のイメージを変えていこう」と言っている人が眉唾である3つの理由
イメージアップをしていくことは悪いことではありません。
むしろ良いことと言えるでしょう。
では何故、「介護のイメージを変えていこう」と言っている人が眉唾物なのでしょうか。
以下で詳しく解説していきたいと思います。
理由①:解決策がない又は責任転嫁
「イメージアップ」が目的であるとするならば、そこに至るまでの過程や方法論が必要です。
要は、どうすればイメージを変えていけるかという解決策です。
多くの場合は、その解決策がないか責任転嫁であるため眉唾物になってしまいます。
例えばどういうものかと言うと、
- とりあえず介護について良いことしか言わないようにする(ネガティブの隠蔽)
- ネガティブなことを言う人を排除したり言わせないようにする(ネガティブへの責任転嫁)
などになります。
しかし、その解決策はあまりにも貧弱すぎて表面的なメッキでしかありません。
そんなことでは介護のイメージアップにはなりませんし、何事にも「原因があって結果がある(因果応報)」のですから、本当に目を向けなければならないのは「原因」なのです。
物事の表面上を撫で回すことしかできず責任転嫁をする人は信じるに値しないため「眉唾物」と言えます。
理由②:介護現場のネガティブなことを知らない可能性
介護のイメージアップを謳う人は、
- ネガティブなことを言わない
- ネガティブなことを言う人を排除
- 上記を解決策だと思っている
ということを前述しましたが、よくよく観察してみるとあることに気づきます。
それは、「介護現場のネガティブなことを知らない人が多い可能性」です。
ネガティブなことを知らなければ、語ろうにも語れませんし固定概念によって「全てのネガティブは悪いもの」と捉えてしまうことでしょう。
しかし、ネガティブにもメリットはありますし、ポジティブにもデメリットがあるのです(下記記事参照)。
介護現場のネガティブなことを知らない人とは、
- 経験の浅い介護職員
- サボったり嫌な仕事は人に押しつける職員
- 介護現場をかじっただけの福祉屋(コンサルタントやアドバイザーや経営者等)
- 介護現場には入らない職能団体のお偉いさんや行政
- とにかく介護職員を蔑み虐げたいだけのカミツキガメのような性格の悪い人
などになります。
介護現場を知らない人が介護を語り、「介護のイメージを変えよう」などと言うのですから机上の空論でしかなく「眉唾物」なのです。
介護現場で葛藤したり悪戦苦闘しながらネガティブなものとも向き合っている介護職員であれば、「ネガティブを隠蔽しイメージだけを変えても意味が無い」ということを理解しているはずですから、イメージがどうのこうのなんて表面的なことは言わないでしょう。
理由③:イメージを変えることが目的ではない
理由①で「イメージアップが目的」と書きましたが、よくよく考えればイメージを変えていくことは方法論であって目的ではありません。
本来の目的は、イメージを変えることによって、
- 介護人材の確保
- 介護を知らない人の理解を得ていく
などになるはずです。
となると、やはり「根本原因の解決や改善」が必要不可欠となってきます。
それらのネガティブなものに蓋をしてイメージアップは語れませんし、もしも臭い物に蓋をするだけのイメージアップ大作戦なのであれば、それは「騙し討ち」や「詐欺師の手口」と何ら変わりません。
何故なら、イメージを変えたところで現実は変わりませんし、後からネガティブな現実が出てくることで「後出しじゃんけん」になってしまうからです。
そんなことになれば、「騙された」という被害者感情によって介護のイメージは更に急降下してしまうことでしょう。
「目的のために手段を選ばない」という汚いやり方であれば、「眉唾物」であると言えます。
最後に
今回は、「介護のイメージを変えていこう」と言っている人が眉唾である3つの理由について記事を書きました。
まとめると、
- 解決策が無かったりネガティブなものに責任転嫁をする薄っぺらさ
- 介護現場を知らない人が言いがちな台詞
- 目的のために手段を選ばない卑劣さ
によって「眉唾」であるということになります。
もちろん中には、ネガティブなものや根本原因にもしっかりと目を向けた上で「介護のイメージを変えていきたい」と思っている人もいることでしょう。
ただ、そもそもそういう人はネガティブな「物や人」に責任転嫁をすることもありませんし「イメージは後からついてくるもの」だということをわかっているので、「介護のイメージを変えよう」などとは最初から言わないのではないでしょうか。