介護業界の異常性

【介護現場の闇】「利用者第一主義」と「職員第一主義」どちらが良いのか

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介護業界はこれまで「利用者第一主義」という方針で動いてきました。

もちろん、介護サービスにおける顧客は利用者であるため、他の産業で言うところの「顧客第一主義」ということになります。

しかし、他産業と大きく異なっているのは「顧客が満足すれば従業員も満足する」という循環を全て「やりがい」で表現してしまっている点です。

「満足」とは満ち足りていることという意味になります。

この満足の定義を「お金では得られないやりがいや救世主妄想(メサイアコンプレックス)」にしてしまったことで、介護職員は「自己犠牲を美徳」とするようになってしまいました。

低賃金の問題もありますが、確かに「介護職員は低賃金」とは言っても今日明日の食べ物に困るほどの貧困ではありません。

かと言って、満足のいく貯蓄が出来て将来設計も順風満帆にいっているわけでもありません。

つまり、「生かさず殺さず」「希望もなく絶望もなく」という状況に置かれているのが介護職員の現状だと言えます。

そういった現状を改善するためには「職員第一主義」にシフトすることで、「職員が幸せであれば利用者も幸せになれる」という非常にわかりやすい改善方法もひとつの手段だと考えられます。

今回は、「利用者第一主義」と「職員第一主義」のどちらが良いのか、ということについて記事を書きたいと思います。

介護職員がいつまで経っても低賃金である本当の理由

 

 

 

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「利用者第一主義」と「職員第一主義」のどちらが良いのか

 

 

利用者側や介護現場を知らない福祉屋や介護事業所などは「利用者第一主義」だと言うでしょうし、実際に介護現場で働いている職員にしてみれば「職員第一主義」と言う人もいらっしゃることでしょう。

しかし、この答えは誰でもわかるとても簡単なことで「両方大切」ということになります。

ただ、「もっと職員を大切にして欲しい」という訴えは当然のことであり、現状で「介護職員が大切にされていない」からこそ「考え方をシフトしていかなければならない」ということになります。

 

介護職員が大切にされていない環境

利用者も職員もどちらも大切なのは当然のことですが、今まで利用者第一主義で来てしまったため、介護職員の待遇や扱いや人権は二の次、三の次とされてきました。

例えば

  • 低賃金
  • 社会的地位の低さ
  • 退職金の頼りなさ
  • 劣悪な過重労働
  • 利用者からの暴言や暴力を容認する環境

などになります。

それらを耐えても「お金という対価」ではなく「やりがい」というもので満足させられるような方針です。

これを「やりがい搾取」と言うのですが、言い方を替えれば「介護職員が大切にされていない」ということです。

介護の仕事は「やりがいだらけ」の「やりがい搾取」それでは人材が集まらない理由

 

 

均衡を保つために

利用者も介護職員も「どちらも大切」と言いながら、今まで介護職員第一主義だった試しがありません。

利用者ばかりに主眼が置かれてきたのです。

ということは、明らかにバランスが取れていないため下がってしまっている方を引き上げる必要があります。

下がってしまっているのは「介護職員」です。

こちらの待遇や人権を利用者と同じになるように引き上げないと均衡が保てません。

とても自然で理に適った方法なのですが、何故かこれをすると世間では「職員第一主義」に見えてしまうのではないでしょうか。

まずは「職員を大切にすることは利用者を大切にすることに繋がる」ということを理解する必要があります。

今までは「大切にされていない介護職員が利用者を大切にすることを使命としてきた」という状態であり、言い換えれば「とても不健全な状態が野放しにされてきた」と言えます。

これを「健全な状態」にするためには、今後は職員も大切にしていく必要があります。

「職員第一主義」ではなく、「利用者を第一に考えるのならば職員も第一に考えなければならない」ということになります。

 

 

 

最後に

 

今回は「利用者第一主義」と「職員第一主義」のどちらが良いか、ということについて記事を書きました。

当然、考えなくてもわかる「両方大切」ということになります。

ただ、少し前に話題となっていた某お笑い事務所の問題で「芸人ファーストであるべき」ということが言われていましたが、それと同じで「職員ファースト(第一主義)」であることが当たり前のことではないでしょうか。

職員が現場で利用者に対して介護サービスを提供しなければ事業所の売上もないわけですから誰でもわかる当然の理屈です。

その当然の道理を失念してしまっていたり履き違えてしまっている事業所は「職員の待遇や人権についてテコ入れし水準を上げていく必要がある」ということになります。

介護事業所も職員も利用者も「三方良し」の関係であれば「Win-Win-Win(ウィンウィンウィン)の関係」になれるのですが、「介護職員は耐え忍ぶ姿が美しい」という時代錯誤のイメージを払拭していかない限り、いつまで経っても何も変わらないままでしょう。

介護現場の「しんどい時こそ力を合わせて頑張ろう」という綺麗ごと

 

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