【介護事件】介護職員8人が退職後、1か月で入居者が7人亡くなった老人ホーム

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2018年11月に「1か月で6人の入居者が死亡した老人ホーム」の報道がありました(その後、死亡者が7人に増える)。

その老人ホームでは、入所者が無くなる前に介護職員8人全員が退職をしていました。

当時、センセーショナルに報道され、「異常事態」「世紀末だ」「あってはならないこと」「介護現場の闇が浮き彫りになった」「また介護施設の事件だ」という世間の声も多く聞かれました。

今回は、鹿児島県の住宅型有料老人ホームで発生した介護事件について、有料老人ホームの種類の解説も交えて記事を書きたいと思います。

※この記事は2018年11月~12月にかけて執筆したものを、2019年5月17日にリライトしたものです。

ニュース概要

ではまず最初に、2018年11月下旬に報道されたニュース記事を見ていきたいと思います。

鹿児島県鹿屋市の老人ホームで、今月までのおよそ1か月間に、入居者6人が相次いで死亡していたことがわかりました。

県などは21日までに施設を立ち入り検査して、運営実態などを調べています。

立ち入り検査が行われたのは、鹿屋市の住宅型有料老人ホーム「風の舞」です。

県と施設によりますと、この老人ホームでは先月から今月にかけてのおよそ1か月間に、入居していた高齢者およそ40人のうち、80代から90代の女性6人が相次いで亡くなったということです。

情報提供を受けた県は、今月9日に施設から聞き取り調査をしたあと、今月16日、鹿屋市とともに、老人福祉法などに基づき立ち入り検査をしました。

この施設では、8月から9月にかけて介護職員8人が退職し、夜間は施設長がほぼ1人で対応していたということですが、老人ホームを運営するグループは21日に会見を開き、「職員の退職と入所者の死亡に因果関係はない」と説明しました。

県は老人ホームの運営が適切に行われていたかなど調べています。

【引用元】MBC南日本放送

この時点では、お亡くなりになった入所者は6人です。

まとめると以下のようになります。

  • 2018年8月~9月にかけて介護職員8人が退職
  • 2018年10月~11月にかけて入所者40人中6人が死亡
  • 介護職員が退職後、夜間はほぼ施設長1人で対応

「住宅型有料老人ホーム」とは?

一概に「老人ホーム」と言っても施設形態や種類には様々なものがあります。

報道では十把ひとからげに「老人ホーム」とだけしか報道されないこともありますが、

  • 特別養護老人ホーム(特養)
  • 介護老人保健施設(老健)
  • 有料老人ホーム
  • 養護老人ホーム
  • 軽費老人ホーム
  • グループホーム(グルホ)
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

などなど、たくさんあります。

今回、報道された老人ホームの施設形態は「有料老人ホーム」の中の「住宅型有料老人ホーム」になります。

「有料老人ホーム」の種類

まずは、この施設形態について知っておく必要があります。

「住宅型有料老人ホーム」は「有料老人ホーム」の中に位置します。

「有料老人ホーム」の中にも以下の三種類があります。

①介護付有料老人ホーム

「有料老人ホーム」と聞いて、何となく我々がイメージしているのは「介護付有料老人ホーム」になります。

都道府県による「特定施設入居者生活介護」の指定を受ける必要があります。

事業者のスタッフが介護サービスを提供します。

人員配置基準についても介護保険法で基準が設けられており、「生活相談員」「看護職員または介護職員」「機能訓練指導員」「計画作成担当者(ケアマネ等)」「管理者」の配置が求められています。

入居条件は「原則65歳以上」「自立から要介護(但し軽度まで)」となっています。

②住宅型有料老人ホーム

あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、実は結構多く存在しています。

何故なら、「介護付有料老人ホーム」は自治体ごとの計画に基づいて開設できる居室数の制限を受ける「総量規制」の対象であるのに対して「住宅型有料老人ホーム」はその規制を受けることがないからです。

都道府県や行政による「指定は不要」です。

基本的に、外部の介護サービス(訪問介護等)を利用します。

人員配置基準は、特にありません(適正な運営が出来る範囲内であれば自由です)。

入居条件は「60歳以上」「自立から要介護(但し軽度まで)」となっています。

今回、報道された老人ホームは、こちらの「住宅型有料老人ホーム」になります。

③健康型有料老人ホーム

こちらの種類の有料老人ホームは年々減少傾向にあり、現在はほとんど存在しません。

上記①と②だけで有料老人ホームの99%以上を占めているため(2017年時点)、「健康型有料老人ホーム」の解説は割愛させて頂きます。

「事件」なのか?

今回の報道をまとめると、問題点として浮かび上がってくるのが

  1. 1か月で6人の入居者が死亡(85歳以上の女性ばかり)
  2. 8月から9月にかけて介護職員8人が退職
  3. 複数の虐待通報があった
  4. 夜間は施設長1人で対応

という4点になろうかと思います。

肝は「虐待により入居者が死亡したのかどうか」ということになります。

虐待と言っても暴力的、侮蔑的な「明らかな虐待」から介護を放棄(ネグレクト)してしまうような「隠れた虐待」があります。

どちらにしても、虐待があれば間違いなく事件ですが、今回はネグレクト(介護放棄)のような「隠れた虐待」に焦点が当たっているように感じます。

介護職員が一気に8人も退職し、夜間は施設長一人で対応していたのならネグレクトが発生してもおかしくない状況です。

「ネグレクトがあったのかなかったのか、ネグレクトがあったとして入居者6人の死亡との因果関係があるのか」という点に因果関係があれば「事件」ですし、なければ「事件ではない」のです。

施設側はその「因果関係を否定」しています。

①1か月で6人の入居者が死亡(85歳以上の女性ばかり)

一見、「八つ墓村」のような様相です。

一般社会に生きていると同じ家庭や生活の場で1か月に6人が死亡するなんてあり得ない状況です。

しかし、介護施設では普通にあり得る話になります。

いつ何時、どんなに健康に見えても高齢者になると「急変」はありえます。

それがたまたま重なってしまえば起こり得る状況になるのです。

②8月から9月にかけて介護職員8人が退職

私にしてみれば、こちらの方が「事件」です。

ほぼ全員の介護職員が一気に退職するなんて、示し合わせたとしか思えません。

そうせざるを得なかった理由があるのでしょう。

噂では、待遇(夜勤手当等の収入面)が悪化した結果のようです。

元々少ない介護職員の収入を減らせば、こういうことが起こってもおかしくはありません。

そして、これ以上、介護職員の収入を減らすなんて正気の沙汰ではありません。

これこそが「事件」です。

③複数の虐待通報があった

内情を通報するくらいですから、この有料老人ホームのことをよく知る人達からの情報提供でしょう。

虐待の種別は「ネグレクト(介護放棄)」だと思われますが、仮に死亡との因果関係がなくても、本当に介護放棄があったのだとすれば虐待として扱うのが当然です。

④夜間は施設長1人で対応

これも一種の「事件」でしょう。

「施設長」という肩書き上、施設のトップなのでしょうが、会見をした運営グループ統括者の医師が存在する以上「雇われ施設長」だと推測できます。

経営者ではない雇われ施設長が、ほぼ毎日夜勤を一人でこなしていたのだとすればそれは「事件」です。

介護職員が一気に8人も辞めたのですから、夜勤をする人材がなく苦肉の策だと思われますが、夜勤を30日近くも入れば入居者のネグレストどころか、夜勤者の生命に関わってきます。

労基法上の問題にもなろうかと思います(経営者なら別ですが雇われ施設長なら問題です)。

私でも過去最大月9回の夜勤をやったことがありますが、それは「月9回の公休と月9回の夜勤明けがあるから何とかこなせた」だけであって、公休の無い月30回なんて到底無理です。

そんな状況では、意識朦朧として意図せぬ「ネグレクト」が発生してもおかしくはありません。

しかしながら、本当の闇は「人員配置基準」が存在しないため、介護保険法上では違法でも違反でもないことです。

統括する医師の会見

経営者であるグループを統括する医師の会見では 「適正な体制ではなかったかもしれない」 とした上で 「(死亡した入居者の)6人は終末期だった。職員の退職と死亡との因果関係はない」 と発言しています。

ここで違和感を感じるのが、「住宅型有料老人ホームの入居条件は軽度までだったのではないか?」「6人も終末期の入居者を抱えていたことが問題ではないか?」ということです。

しかし、それは「他の入所施設を探している矢先の出来事だった」「急に状態が落ちた」と言われれば説明がつきます。

虐待はなかったけどあった

実は既に行政の結論は出ています。

亡くなった入所者に対しては虐待ではない

鹿児島・鹿屋市の老人ホームで、およそ1カ月で入居者6人が相次いで亡くなった問題で、施設を調査した鹿屋市は、「入居者のケアはなされていて、虐待はなかった」との判断を明らかにした。

【引用元】FNN

素早い対応です。

遅いよりも早い方が良いのですが、早すぎるのも違和感を感じてしまいます。

行政は「人員不足、口腔ケアが不十分、室内の清掃が行き届いていないことはあったが、それは虐待ではない」と判断しました。

そう結論付けられた以上、今回の報道に関して「死亡した入所者6人に対しては虐待はなかった」ということになります。

生存者には虐待認定

その後、2018年12月中旬頃に流れてきた続報で、以下の報道がありました。

7人死亡の老人ホーム、別の入居4人に介護放棄など虐待

鹿児島県鹿屋市の住宅型有料老人ホーム「風の舞」で入居者が相次ぎ死亡した問題で、市は亡くなった入居者とは別の4人について、介護放棄や身体拘束などの虐待があったと、高齢者虐待防止法に基づき認定した。

市幹部が20日、朝日新聞の取材に明らかにした。

同日の市議会でも概要が報告された。

風の舞では8月から9月にかけて、介助を担っていた介護職員8人が全員退職。

その後、11月中旬までの約1カ月に入居者7人が死亡したため、県が検査に入り、今月7日に運営する法人に改善命令を出した。

市も11月16日以降、立ち入り調査のほか、入居者や職員らからの聞き取りを行っていた。

その結果、入居者に床ずれがあることや、身体的な拘束をしていたこと、室内の衛生状態が劣悪であることなどを確認。

4人について、同法上の「介護放棄」「身体的虐待」などに該当すると判断したという。

4人のうち一部は、すでに他の施設に移っているという。

市は今月19日、4人への虐待を県に報告したが、亡くなった7人については、虐待を確認していないという。

【引用元】朝日新聞社

この報道時点で急に死亡者が6人から7人に増えています。

そしてその点についての言及はありませんでした。

ニュース記事を読むと「死亡した7名については虐待を確認していない」「死亡した入所者とは別の4名について身体的虐待(拘束)・介護放棄などの虐待があった」ということになります。

つまり、一部は他の施設へ移った「生存した4名の入所者に対しては虐待を認めた」ということになります。

これは正常な判断だと思います。

しかし、問題なのは「死亡した入所者への虐待は確認できなかった」という点です。

これがどういうことかと言うと「虐待が無かった」のではなく「虐待だったという証拠が見つからなかった」ということになろうかと思います。

最後に

今回は、鹿児島県の住宅型老人ホームで発生した介護事件について記事を書きました。

結果的に、「お亡くなりになった入所者7名には虐待はなかった」「生存した入所者4名には虐待があった」ということになります。

日中は外部事業所の看護師に対応をさせていたようです。

人員配置基準が定められておらず、基本的に外部の事業所を利用する住宅型有料老人ホームの運営基準の範囲内であると言えます。

しかし、本当に闇深いのは

  1. 介護職員ほぼ全員の8人が一気に退職したこと
  2. 施設長がほぼ毎日夜勤をやっていたこと
  3. 行政がずさんな運営(人員不足、口腔ケアが不十分、室内の清掃が行き届いていないこと)は虐待ではない判断をしたこと
  4. 結局は介護放棄や身体拘束をやっていた

という4点になるのではないでしょうか。

退職していった介護職員や、ほぼ毎日1人で夜勤に入っていた施設長も被害者ではないでしょうか。

その闇に踏み込まないと、今後もこういった異常事態や介護事件が無くなることはないでしょう。

介護職員が幸せでない以上、入居者や利用者も幸せにはなれないのです。

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