介護事件

【介護事件】「釈放されていた」京都府の特養で介護職員の女が入所者を死亡させる(2)

投稿日:2019年5月13日 更新日:

 

以前、「京都府の特養で介護職員の女が91歳の入所者を死亡させる」という介護事件があったのは記憶に新しいかと思います。

当ブログでもこの事件について考察をしました。

【介護事件】京都府の特養で介護職員の女が91歳の入所者を死亡させる(1)

私自身、この報道に関心があり、進展や続報が気になっていました。

こういう事件の解決には時間が掛かるので、「余程の新事実や進展がない限り続報はないだろうなぁ」とは思っていましたが、昨日(2018年10月31日)の夜にひっそりと続報が報道されていました。

今回は、この事件の続報と新たに感じた違和感について記事を書きたいと思います。

※この記事は2018年11月1日に執筆したものを2019年5月13日にリライトしたものです。

 

 

 

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ニュース概要

 

ニュース報道の続報は以下になります。

介護職員の女性、処分保留で釈放 京都・特養91歳女性死亡

京都府向日市物集女町の特別養護老人ホーム「サンフラワーガーデン」に入居する女性(91)に暴行を加えて死亡させたとされる事件で、京都地検は31日、傷害致死の疑いで逮捕された介護職員の女性(22)を処分保留で釈放した。地検は「今後は任意で捜査を継続する」としている。

職員の女性は7月10日午前11時半~午後0時20分の間、勤務するサンフラワーガーデン施設内で、入居女性に暴行を加え、両大腿(だいたい)骨と左上腕部骨折の大けがを負わせ、翌11日午前1時ごろ、出血性ショックで死なせたとして、京都府警に10月10日逮捕された。職員の女性は「納得できません」と容疑を否認していた。

府警の発表では、入居女性は寝たきりの状態で、7月10日午後5時ごろに容体が悪化しているのが見つかり、搬送先の病院で死亡。府警は、けがの状況に不審な点があることなどから、入居女性の身の回りの世話を担当していた職員の女性が、故意にけがを負わせた疑いがあるとみて捜査していた。

施設を運営する社会福祉法人向日春秋会の西濵幸嗣総務課長は「何も確認できておらず、コメントできない」と話した。

【引用元】京都新聞

京都地検が2018年10月31日に、傷害致死の疑いで逮捕された女性介護職員(22歳)を処分保留で釈放した、という内容です。

 

 

 

「処分保留」とは?

 

 

処分保留とは、刑事手続が進められていく上で、期間内に十分な証拠が揃わなかった場合、起訴・不起訴の判断を保留して釈放させることです。

砕けた言い方をすると「白か黒かはっきりしなかったから時間切れで一旦身柄を釈放する」という事が処分保留になります。

【引用元】刑事事件弁護士ナビ

https://keiji-pro.com/columns/57/

つまり、今回の逮捕での期間内に「十分に証拠が揃わなかった」ために、釈放されたということになります。

但し、処分保留で釈放されたからと言って、「無実」や「無罪」となったわけではないので、新たな事実や証拠が揃えば「再逮捕」される可能性はあります。

ですから、まだまだ全容が明らかになったとは言えない状況ですが、「ひとつの区切り」ではあります。

 

 

 

新たな違和感

 

 

今回の事件(事故扱いになる可能性もありますが)について、前回もいくつか私が感じた違和感を書きましたが、今回も新たな違和感を感じました。

事件の進捗に関しては証拠が揃わないくらいですから新事実も報道されておらず「処分保留で釈放された」ということしかわかりませんが、私が今回感じたのは「マスコミや世間に対する違和感」です。

 

違和感①「ひっそりと報道」

前回、この介護職員が逮捕された時は、テレビや新聞やネット等で連日センセーショナルに報道されました。

「また介護職員の事件だ」

「人の命を奪ったとんでもない介護職員だ」

という印象が強く残りました。

しかし今回、「処分保留で釈放された」という報道は「ひっそりと」されています。

テレビでも目にしていませんし、ネットのニュース記事一覧でも探すことが出来ませんでした。

新聞の片隅に小さく載り、ネットでもあえて検索をかけないとヒットしないような報道のされ方でした。

「逮捕された時は大々的にセンセーショナルに、釈放された時は小さくひっそりと」

という報道の仕方には違和感を感じました。

そういうやり方だと、世間の人には「介護職員が逮捕された」という印象しか残らず、「その後、釈放された」という情報が入ってこなくなります。

興味や関心のある人だけが探し得られる報道方法ではなく、平等に情報が得られるような報道の仕方が必要ではないでしょうか。

 

違和感②「氏名等の個人情報が晒されている」

ネットを調べると、前回の逮捕報道の時点(2018年10月10日)で、逮捕された女性介護職員の「氏名」「住所」「顔写真」などの個人情報が調べ尽くされ掲載されているサイトがあります。

既に犯人扱い、犯罪者扱いです。

しかしあくまで「疑い」で逮捕されたのであって、犯罪者どころか事件か事故かさえ確定していない状態です。

無罪、無実、事故かもしれない介護職員の個人情報が調べ上げられネット上で公開されているのは、どう考えても「やり過ぎ」「いき過ぎ」です。

人様の個人情報を本人の許可なく晒している人は、もし無実だったらどう責任を取るのでしょうか。

一旦、ネットで走り出した情報は回収不能で取り返しのつかないことになるのは考えなくてもわかることです。

もし自分は何も悪くないのに自分の個人情報が誰かに調べられネット上に晒されていたら堪りません。

軽率で過剰な個人情報の特定や公開には違和感を感じてしまいます。

 

 

 

最後に

 

未だ全容が明らかになっていないので、事件か事故かは判断できませんが、「証拠不十分で釈放された」ということは事実です。

実際問題、発生当時に目撃者や防犯カメラがなければ証拠を立証するのは困難でしょう。

悪意や故意で発生した「事件」であれば犯罪であり当該介護職員は罪を償う必要がありますが、悪意も故意もない「事故」であれば介護職員に罪はありません。

ましてや、この女性介護職員は「(入浴介助時は)異常はなかった」と一貫して主張しているのです。

こういった事件だけにかかわらず、仮に事故だったとしても、本当に闇深いのは「何でもかんでも介護職員の罪や責任にされてしまう」という現実なのではないでしょうか。

事件はあってはなりませんが、事故は起こり得ることなのです。

そして、この記事をリライトしている2019年5月現在、処分保留で釈放された続報から半年以上経過しましたが、一向に続報は流れてきません。

事実をありのままに報道するのが社会の公器たるマスメディアの使命ですが、「まだ一切進展がない」から続報がないのか、「興味をそそるような結果ではなかった」から続報がないのかは、我々は想像を膨らませることしかできないのです。

 

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