佐賀県のデイサービス送迎車が水路に転落し5人が死傷した事故考察

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先日、痛ましい事故の報道がありました。

2020年6月10日、佐賀県佐賀市川副町のデイサービスの送迎車が水路に転落し利用者やドライバー(職員)を含め計5人が死傷した送迎事故です。

お亡くなりになられた方々にはお悔み申し上げます。

事故そのものも痛ましいのですが、介護関係者として時々利用者の送迎も行っている身としては「明日は我が身」という戦々恐々としたものも感じてしまいます。

詳しい事故の原因は未だわかっていませんが、現在わかっている情報について個人的に感じたことを書いていきたいと思います。

佐賀県のデイサービス送迎車の転落事故考察

事故の詳しい原因はまだわかりませんが、まず最初に思ったのが「自分も気をつけねば…」ということです。

業務中に自分が起こした事故で利用者を何人も死傷させてしまう事態を想像すると身の毛がよだちます。

自分がどれだけ気をつけていても事故が起きてしまう可能性があるため尚更です。

以下で考察していきたいと思います。

事故の概要

今回の送迎事故の概要をまとめると以下になります。

  • 発生日時:2020年6月10日 16時40分頃
  • 発生場所:佐賀県佐賀市川副町早津江の県道
  • 発生状況:県道(見通しの良い直線道路でブレーキ痕なし)でデイサービスの送迎車(ワンボックスカー)が水路に転落し運転手を含む5人が死傷【女性利用者3人死亡、男性利用者1人が怪我、ドライバー(27歳男性職員)1人が怪我】
  • 発生原因:2020年6月11日 15時37分に警察がデイサービス施設の家宅捜索を行い調査中
  • その他:過失運転致死傷の疑いもあると見て捜査中

未だ原因はわからないものの、事故現場が「見通しの良い直線道路」で「ブレーキ痕がない」という状況は確かに不思議です。

「運転に必要な注意を怠って人を死傷させた場合」は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(略称:自動車運転処罰法自動車運転死傷行為処罰法)第5条により処罰されることになります。

(過失運転致死傷)

第五条

自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

【引用元】自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律

「7年以下の懲役若しくは禁錮」又は「100万円以下の罰金」ということですから、もし処罰されることになってしまうと前科もついてしまいますし決して軽い刑ではありません。

介護現場での安全確保については下記記事にまとめていますのでチェックしてみて下さい。

介護事業所は「利用者第一」でも「安全第一」でも、どちらかに極端に偏ってしまうことは良くないということを過去記事でご紹介しました(下記...

またワンオペ送迎

今回の事故の状況から読み取れるのは「ワンオペ送迎」ということです。

「また」と書いたのは、以前「愛媛県のデイサービスで送迎車から利用者を降ろし忘れて車内に21時間放置」という事故があり、その際の問題点の1つとして「ワンオペ送迎」を挙げていたからです(下記記事参照)。

愛媛県今治市の介護老人福祉施設(併設のデイサービス)で送迎の際に80歳代の女性利用者を降ろし忘れて、21時間後に施設の敷地内で発見さ...

軽自動車や乗用車などであればまだいいですが、ワンボックスカーや送迎バスなどのサイズになってくるとワンオペ送迎は色々危険です。

それは、一般のタクシーやバスとは勝手が違ってくるのが「介護の送迎」ということになるからです。

どういうことかと言えば、利用者の中には認知症などの症状があったり、予想もつかないような行動に出る人が少なくないために、ワンオペ送迎ではそれらの対応ができないのです。

例えば、

  • 急に座席から立ち上がる
  • 走行中に車のドアを開けようとする
  • シートベルトを外して運転席までやって来てハンドルなどを触る
  • 体調不良や急変が発生する

などは十分にあり得ることです。

しかし、ワンオペ送迎の場合は運転に集中しなければならず、もし利用者がそういう状態になった場合には成す術がありません。

もしドライバーが利用者の対応をしようとすると、運転が疎かになり交通事故が発生してしまう可能性が高くなります。

この場合、一旦停車させて対応を行ったり、事務所(会社)に連絡をしてヘルプを求めるなどの対応が考えられますが、送迎の時間に追われていたり停車して対応をしても状況が改善しないこともありますし、会社に連絡しても何も解決しないことは往々にしてあり得ます。

そもそも、それならば最初から添乗員(職員)をもう1人つけて合計2人の職員で送迎を行っていれば解決するのです。

それを敢えてしなかったのかしたくても出来なかったのか、それとも「送迎は2人以上の職員で行うことで安全性が格段に上がる(逆に言えば、ワンオペ送迎の場合は危険性が高くなる)」という認識が初めから無かったのかはわかりませんが、「またしてもワンオペ送迎」という点は非常に気になりました。

今回の事故報道の事業所やドライバーや利用者が実際はどういう状況だったのかは詳しくはわかりませんが、仮に他に原因があるにしても「全ての介護事業所はワンオペ送迎をしないさせない」ということが必要なのではないかと思っています。

人員不足の問題もあるでしょうが、今回のような事故が発生してしまっては目も当てられません。

今一度、介護の送迎の人員配置も考えていくことが大切なのではないでしょうか。

最後に

今回は、佐賀県のデイサービス送迎車が水路に転落し5人が死傷した事故について考察しました。

現場にはブレーキ痕が無かったということですから、運転していた職員の技術や注意力や判断力などの問題もあるのかもしれませんし、もっと他の原因があるのかもしれません。

どちらにしても「ワンオペ送迎」は極力避けた方が良いと個人的には思っています。

「ワンオペ」繋がりで「ワンオペ夜勤あるある」をまとめた記事を最後にご紹介しておきます。

介護施設で介護職として勤務すると切っても切れないのが夜勤です。 過去記事でもワンオペ夜勤あるある的なものをいくつか書いてきまし...

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