介護の基礎知識

何度もトイレに行きたがる利用者に悩まされることの多い介護職員「頻尿と多尿の違い」

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介護の仕事をしているとよく聞くのが「頻尿の利用者の対応が困る」という悩みがあります。

「トイレくらい行きたい時に行かせてあげてよ」

と思われるかもしれませんが、介護施設であっても24時間付きっきりの介護ができない以上、頻尿の利用者の対応に苦慮することが多いのも事実です。

介護施設は24時間体制ですが、それは「1人の利用者に24時間付き添える」という意味ではありません。

「約20人の利用者を24時間介護している」という意味になります。

ですから、人員不足であればあるほど、介護の量は薄まります

濃度の薄い介護現場であるが故に「いつなんどきでも利用者のトイレの訴えに対応できるとは限らない」というのが現状になります。

今回は「介護職員が対応に苦慮する頻尿の利用者と多尿の利用者」について記事を書きたいと思います。

 

 

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「頻尿」の利用者とは

 

頻尿とはどういう症状のことを言うのでしょうか。

おしっこが近い、回数が多い症状を「頻尿(ひんにょう)」といいます。

通常、朝起きてから夜寝るまでの間に8回以上排尿する状態を頻尿といいますが、排尿回数は人それぞれですので、8回以下の排尿でもご自分で排尿回数が多いと思えば頻尿といえます。1回の排尿量は多い場合も少ない場合もあります。

 

【引用元】五本木クリニック

 

起きてから寝るまでに8回以上排尿をする状態を頻尿と言うようです。

1回の排尿量は多い場合も少ない場合もあります。

1時間に1回「トイレに行きたい」という訴えがあれば頻尿と言えますが、利用者の中には、10分15分間隔でトイレの訴えをする利用者もいます。

「トイレに行きたいのだから行かせてあげたい」

と思いトイレへ誘導すると

「チョロチョロ…」

とおしっこをして終わりの場合もあります。

もしくは「全く出ない」ということも往々にしてあります。

そしてそれが繰り返されると

「トイレはさっき行きました!」

と口調が強くなってしまう介護職員もいます。

利用者は尿意があるからトイレに行きたいし、介護職員は付きっきりできないから何度も行かせてあげれずイライラしてしまう、というお互い不幸な環境になってしまいます。

確かに、10分置きにトイレへ誘導するというのは相当気が滅入ってしまうのもわかります。

何故なら「終わりがない」のです。

あと何回トイレへ行けばしばらく落ち着くとか、利用者に満足してもらえる、ということはありません。

利用者にとっては「訴えた時にトイレに連れていってもらえるのが幸せ」であるため、エンドレス状態なのです。

こういう著しい頻尿の場合は、何か他の病気が疑われます。

その代表的な病気は「膀胱炎」になりますが、尿検査をしても特に陽性反応がなければそのまま様子観察となります。

「高齢の利用者に精密検査を受けさせて原因を特定して治療する」

という判断は多くの家族はしません。

「施設に預けているんだし、自分が介護をするわけでもないし、命に別状がないならこのまま様子を見て欲しい」

という結論が往々にして行われます。

それが故に、多くの介護施設では今も尚多くの「頻尿の利用者」が存在します。

 

 

 

「多尿」の利用者とは

 

「頻尿」と聞くとトイレの訴えが多くて誘導しても「チョロチョロ…」というパターンが多いイメージがあるのですが、その中でも「多尿」の人が存在します。

おしっこの量が多い状態を「多尿(たにょう)」といいます。1日の尿量が3000ml以上に増えた場合に疾患を疑います。

健康な成人の尿量は、個人差はありますが、だいたい1000ml~2000ml程度です。

多尿では、おしっこの回数が多い頻尿と同様にトイレが近くなるので、患者さんの感覚としては多尿と頻尿の区別が難しい場合もあり、1日の尿量をためる(蓄尿)ことで多尿と診断されます。

他の症状としては、口の渇きがあり、多く水分をとることで多尿となります。

 

【引用元】五本木クリニック

 

1日の尿量が3000ml以上の場合「多尿(症)」と言うようです。

この場合、トイレへ誘導するたびに「シャャァァーー」とおしっこが多量に出ます。

「さっき行ったばっかりなのにまだこんなに出るのか」

「これだけ出るならトイレに行きたいよな」

という風に納得もしてしまいます。

もちろん、少ししか出ない人も「尿意」があるので、トイレへ連れて行ってあげたいのですが、尿量の違いで受け止め方も変わってしまいがちです。

多尿の場合の代表的な病気は「糖尿病」などになりますが、既に既往歴や現病歴で糖尿病である場合もありますし、そうでなくてもやはり精密検査までされないことが多く「経過観察」となります。

多尿の理由としてもうひとつあり得るのが、「利尿剤」が処方されている場合です(利用者のお薬情報を確認してみて下さい)。

利尿剤は、排尿を促進する薬なので当然おしっこが多量に出ます。

そしてその頻度も多くなります。

高齢者だけでなく、仮に我々が服用しても同じ状態になるのですから、「薬効として頻尿で多尿になっている」のです。

ですから、頻尿や多尿になって当たり前だと言えます。

 

 

 

頻尿の利用者への対応の現状

 

現状の介護現場では、多尿の利用者も含めた「頻尿の利用者」にどういう対応をしているのでしょうか。

頻尿の利用者とは、よく目が合います。

常にトイレに行きたい気持ちがあるので、職員を呼び止めようと目で追っているからだと思います。

そこで

「おトイレですか?」

と声を掛けると

「トイレ行きたい」

と答えることでしょう。

それが10分置きともなると、だんだん介護職員も声を掛けなくなります。

視線を逸らせようとします。

利用者からトイレの訴えがあっても、「トイレはさっき行きましたよ」と言うようになります。

正直、それが生の介護現場の現実になります。

「職員の態度や声掛けの仕方が悪いから頻尿になっている」

とまで言うよくわかならい理論を持ち出す講師や上司や業界の人もいます。

確かに気を紛らわすために他のことをしてもらったり、レクに参加してもらうことで急に排尿の訴えを言わなくなる利用者もいます。

もうその辺の塩梅は、プロである介護職員に任せて

「訴えているのにトイレ誘導しないのはネグレストだ」

「「ちょっと待って下さい」というのはスピーチロックだ」

「全ては対応の悪い介護職員の責任だ」

などと言わず、柔軟な対応に任せて頂きたいところです。

何故なら

  • 人員を補充するわけでもない
  • 病院を受診して精密検査を受けて根本治療をするでもない
  • サービス担当者会議を行っても良い解決策が出るわけでもない
  • 結局は介護職員が都度対応するしかない

という結論しか出せない事業所が多いからです。

「今いる人員」と「置かれている環境」と「与えられている業務範囲」の中で介護職員は精一杯やっているのです。

 

 

 

最後に

 

今回は「頻尿と多尿の利用者の違いと介護現場での対応の実情」について記事を書きました。

「何度もトイレに行きたい頻尿の利用者」と「何度もトイレに連れて行ってあげられない介護職員」はお互いに不幸な現状となっています。

現場の介護職員にだけ責任を押し付けるのではなく、事業所全体で対応を検討していく必要があります。

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