介護保険制度の実情

【介護保険制度破綻②】最低の待遇で最高のサービスを求められる「異常な介護現場」

投稿日:2019年3月8日 更新日:

 

介護業界では、これまで「職員の資質の向上」だとか「利用者本位」という名のもとに、利用者に対して至れり尽くせりのサービスの提供を推進してきました。

利用者からの暴言さえ受け入れる治外法権とも言える異常な業界です。

そういう状況であっても上司や事業所は現場職員を守ってはくれませんし、危険業務手当などの特別な対価があるわけでもありません。

それどころか、他業界の平均月収よりも約10万円も低いという低レベルな賃金水準になります。

今回は「介護保険制度破綻シリーズ第2弾」として「最低の待遇で最高のサービスを求められる異常な介護現場」について記事を書きたいと思います。

【介護保険制度破綻①】特養の入所を要介護3以上に制限したことで「ねじれた介護現場」

【介護保険制度破綻③】介護の専門性を貶め要支援者を切り捨てた「誰も得をしない総合事業」

 

 

 

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財源の問題

 

介護保険制度は文字通り介護保険で賄われています。

その財源に限りがあり、枯渇することが目に見えている状態であれば、現場職員に満足のいく収入を支給することができないのは当然です。

その状態で騙し騙し、切り詰めながら、職員の自己犠牲に頼りながら、時々繋ぎの起爆剤(各種加算や処遇改善手当や外国人介護士等)を投入しながら、なんとか首の皮一枚で繋がっているのが現状です。

つなぎ融資を繰り返す倒産寸前の会社の姿に酷似しています。

しかし介護事業は現在も「国の事業」を民間に委託したものなので、事業そのものが破綻してしまうことはないにしろ、しわ寄せが「民間企業」や「民間社福」や「現場職員」にきている時点で「破綻寸前」と言っても過言ではありません。

 

 

 

介護業界は不健全

 

そんな状況の中で、現場職員が身体と生活を犠牲にしながら継続している介護業界は絶望的な危機に陥っています。

現場職員は利用者のQOL(Quality Of Life)、つまり「生活の質」を上げることを使命とされながら、そのサービスを提供する職員のQOLは著しく低下していく制度が介護保険制度だと言えます。

「誰かを幸せにするために誰かが不幸になる」という状況は、とても「不健全」な状態で、高齢者を支えるために現役世代の人が潰れていく国家や業界は誰がどう考えても正常な統治から外れてしまっています。

不健全な業界が繁栄することはありませんし、極論で言えば「介護保険制度は現役世代を潰していく制度」だと言っても過言ではありません。

介護職員の給料も、介護をしている利用者の年金や、生活保護費と同水準か更に低い可能性があります。

介護職員は「経済的弱者」であり「支援が必要な職種」なのです。

その上、休憩が1時間満足に取れず、有給休暇さえ消化できない「最低の待遇」であり、人間関係も劣悪な職場が多いのが実情です。

そんな介護職員は「最低の待遇の中で最高のサービス」を求められており常に「異常事態」の中で働いています。

まずは、支援する側の介護職員の待遇を改善していかなければ、最高のサービスなど提供できるはずがないのです。

今の介護保険制度は「不健全」を通り超えて「現場職員からやりがい搾取している制度」と言っても過言ではありません。

 

やりがい搾取(やりがいさくしゅ)とは、経営者が金銭による報酬の代わりに労働者に「やりがい」を強く意識させることにより、その労働力を不当に安く利用する行為をいう。東京大学教授で教育社会学者の本田由紀により名付けられた

やりがい搾取という造語は、2007年前後から本田が著書などで使い始めたことで広く認知されるようになった。ブラック企業とやりがい搾取は、密接な関係にあるとされ、「やりがい」と「報酬」はトレードオフの関係にはならない

【引用元】ウィキペディア「やりがい搾取

 

 

 

社会保障費が増加

 

国家予算である社会保障費が増えれば、介護対策費などの介護業界で使われる財源も増えるので喜ばしいことに聞こえます。

しかし、増えた額や増加率というのは、余裕財源が増えたわけではなく、「それだけ高齢者に使用する支出額が増えた」という意味になります。

つまり、事業所や現場職員に回ってくるお金が増えたわけではありません。

増えないばかりか減ってしまう可能性さえある悪政です。

増加分の社会保障費を賄うために、消費税や現役世代の給料がターゲットにされます。

2019年10月から消費税10%になりますし、源泉徴収税や社会保険料、厚生年金保険料などの天引きされる金額が増加し、結果的に収入が下がってしまうことになれば目も当てられません

高齢者が自分らしく生活するために、現役世代が自分を押し殺し切り詰めた生活を余儀なくされるのが介護保険制度だと言えます。

 

 

 

最低限の介護へ原点回帰

 

現状を打破するためには、介護保険制度の再建やお役人さんたちの意識改革が必要なわけですが、まずは「現場職員の負担を減らす」ということが先決です。

その為には、介護保険制度下では最低限の3大介護(食事・排泄・入浴)ができていれば良しとする原点回帰が必要だと思います。

そして、国も業界も事業所も高齢者も「それ以上は望まない」こととし、制度のスリム化を図ることで、人員不足や財源や業務負担がある程度解決できるのではないでしょうか。

もちろん、それ以上の生活の質を向上させるような介護や支援が必要であれば、保険外の自費で対応したり、民間の有料老人ホームなどに入所するという選択肢があります。

現在の保険財源の中で、できることとできないことの線引きをせず、利用者や家族のニーズがあれば職員が犠牲を払ってでも成し遂げようとしている現状が「一番の問題」なのです(ニーズさえないのに、オムツゼロ推進などの方針は国や行政だけが得をするのでしょうか)。

高齢者だって、お金を支払うことで自分の望むサービスを選択する「自己決定権」がありますし、現場職員にとっても業務負担が減ったり、収入が増えるメリットがあります。

これが介護保険という制度上、一番解決が早くてしっくりくる方法ではないでしょうか。

 

 

 

最後に

 

今回は介護保険制度が破綻している理由の第二弾「最低の待遇で最高のサービスを求められる異常な介護現場」についての記事を書きました。

現状の介護保険制度では「最低の待遇で最高のサービスを提供する」という方針であり、そんなことばっかりを推進しているから人材も集まらず、むしろ逃げていく破綻目前の制度だと言えます。

このまま介護の担い手がいなくなるということは、最終的に高齢者を見捨てることになり、不幸にさせることになります。

高齢者だけでなく、その家族も不幸になり、街中に高齢者があふれ出す日も近いでしょう。

まずは職員の負担を減らし、貧困問題(ワーキングプア)状態を解決していく必要があります。

介護保険制度下では最低限のボーダーライン(三大介護)で介護を提供していき、それ以上のものは自己負担で提供していくことで、今後不幸になる人が減っていくのではないでしょうか。

介護現場にも効率化や生産性の向上を取り入れていくことが急務なのです。

以上の理由により、介護保険制度は破綻していると言えます。

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