介護保険制度の実情

「地域包括支援センター」と「居宅介護支援事業所」の違いをわかりやすく解説

投稿日:

 

在宅介護の相談や介護サービスを利用するにあたって、相談先として

  • 地域包括支援センター
  • 居宅介護支援事業所

の2種類あります。

介護保険制度も複雑化してきて恐らく一般の人で、この両者の違いを理解している人は少ないのではないでしょうか。

安心して下さい。

介護従事者でも、社会保険制度についての勉強をしている人以外は両者の違いをハッキリ説明できる人は殆どいません。

そういう状況を

「恥ずべき状況だ」

「誠に遺憾だ」

「知っていて当然だ」

などと言う人もいますが、私に言わせれば

「介護関係者でさえ理解しがたい制度や仕組みの方に問題がある」

と思います。

それだけ複雑で理解しがたい制度も3年に一度改定されていくので、益々一般の人は追いつけません。

今回は「地域包括支援センター」と「居宅介護支援事業所」の違いについて記事を書きたいと思います。

 

 

 

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地域包括支援センターとは

 

配置人員と役割

地域包括支援センターに配置されている専門職はどうなっているのでしょうか?

そしてその役割がどうなっているのかをみていきたいと思います(カッコ内が役割)。

  • 主任介護支援専門員(介護全般)
  • 社会福祉士(介護や生活支援、消費者被害)
  • 保健師(又は経験豊富な看護師)(健康、医療、介護予防)

以上の3職種の配置が必ず必要です。

 

設置主体

地域包括支援センターの主な設置主体は「市町村等各自治体」です。

市町村や自治体からの委託で、特養や老健や病院などの民間施設内に設置されている事が多いです。

ここで問題になるのは、行政からの委託事業所であるのにも関わらず、上司は民間施設の経営者になるので、「経営者の方針が色濃く出てしまう」という実情もあります。

 

業務内容

地域包括支援センターの主な業務内容は以下になります。

  • 要支援者のケアマネジメント
  • 地域の高齢者の介護予防ケアや権利擁護など
  • 高齢者の暮らしを地域でサポートする拠点
  • 本人や家族だけではなく、近隣住民などからも広く相談を受け付けている

※要介護者のケアマネジメントは出来ません(居宅介護支援事業所へ繋ぐ)。

特徴的なのは、「要介護認定を受けていない人やその家族、及び地域住民からの相談も受け付けているよろず屋的な存在」という点です。

 

 

 

居宅介護支援事業所とは

 

配置人員と役割

居宅介護支援事業所に配置されている専門職はどうなっているのでしょうか?

そしてその役割がどうなっているのかをみていきたいと思います(カッコ内が役割)。

  • 介護支援専門員(ケアマネジメント業務)

最低限、ケアマネが配置されていれば問題ありません。

※2021年度から管理者は主任介護支援専門員に限定されます。現在は段階的に移行中。

 

設置主体

居宅介護支援事業所の設置主体は「民間企業や施設、病院」になります。

当然、こちらも設置主体の経営者の方針が色濃く出てしまという問題点があります。

自分の勤務する法人が他に経営していたり提携している介護サービス事業所ばかりを利用者に紹介していては「適正なケアマネジメント」とは言えません。

そのため「特定事業所集中減算」というものが算定されるようになりました。

詳細は割愛しますが、2019年4月時点で「紹介率最高法人の割合が80%を超えると減算」となります。

しかし「80%までは良い」という解釈ができるので、「本当にこの割合で適正で公正なケアマネジメントができているのか」という点には疑問を感じます。

 

業務内容

居宅介護支援事業所の業務内容は以下になります。

  • 要介護1~5の利用者のケアマネジメント
  • 介護保険サービスと利用者をつなぐ役割

※地域包括支援センターから委託があれば要支援者のケアマネジメントも行います。

「地域包括支援センター」がよろず屋的な存在であるのに対し、「居宅介護支援事業所」は特定の利用者や家族へのケアマネジメントを専門としています。

 

 

 

どちらに相談するべきか

 

もし、日常の中で介護のことや高齢者のことで相談をする場合、「地域包括支援センター」と「居宅介護支援事業所」のどちらに相談をすればいいのでしょうか。

 

まずは「地域包括支援センター」へ

ニュースなどで在宅介護の事件や事故があると

「このような事件(事故)が起こる前に地域包括支援センターに相談するべきだった」

と言われることがあります。

設置主体が行政であり(結局は委託で民間ですが)、よろず屋的な存在であるために間違いではありません。

相談した結果、要介護者だったり要介護認定が下りれば「居宅介護支援事業所」へ引き継がれます。

※その場合でも、金銭的な問題があったり、権利擁護の必要性がある場合は、引き続き地域包括支援センターも関わり合いを継続します。

要支援者だったり、要支援でも要介護でもない高齢者の場合、そのまま「地域包括支援センター」で支援が続きます。

つまり、最初に相談する時は「地域包括支援センター」で間違いありません。

また、本人や家族でなくても

「近所の〇〇さんの家のおばあちゃんが虐待を受けているかもしれない」

「近所のおじいちゃんの行動や言動など、様子が最近おかしい」

などと感じた場合も「地域包括支援センター」へ相談しましょう。

 

こんな場合は「居宅介護支援事業所」へ

直接「居宅介護支援事業所」へ相談に行く場合は以下に該当する人です。

  • 介護サービスの利用を希望している場合
  • 担当してくれる介護支援専門員を探している場合

※要介護認定の申請をしていない人はまずは行政や地域包括支援センターで申し込み手続きが必要になりますが、居宅介護支援事業所でも申請のサポートをしてくれます。

介護サービスを利用したい時や、介護全般のケアマネジメントをしてくれる介護支援専門員を探している場合は居宅介護支援事業所に相談しましょう(行政や地域包括支援センターからも紹介してくれます)。

 

こんな時は「警察」へ

介護や高齢者が関わっている場合「地域包括支援センター」で良いのですが、人の生命や財産に危険が差し迫っていて犯罪性が疑われる場合には「警察へ通報」して下さい。

地域包括支援センターに電話しても繋がらない場合も警察へ。

地域包括支援センターは行政管轄の相談窓口なので、基本的に平日の昼間しか窓口が開いていません。

「平日の昼間しか機能しない福祉」では実情に沿った支援体制とは言えませんが、それが現実です。

警察に通報した場合

  • ドメスティック性(家庭内)
  • 犯罪性
  • 高齢者
  • 認知症の有無
  • 福祉支援の必要性

などを総合的に判断して、必要に応じて行政(地域包括支援センター)へ引き継ぐ流れになります。

最終的に地域包括支援センターに引き継がれるのだとしても、人の生命や財産を守るためには「初動の速い警察へ通報する」という判断も必要です。

 

 

 

最後に

 

今回は「地域包括支援センター」と「居宅介護支援事業所」の違いについて、出来るだけわかりやすく解説しました。

各々の設置主体や配置されている専門職や業務内容を理解しておき、状況に応じて相談をしていくことが大切です。

そして、忘れてはならないのは「犯罪性があれば警察へ」ということです。

介護関係者でもなかなか理解がしづらい「介護保険制度」ではありますが、この記事で少しでもお役に立てれば幸いです。

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