介護保険制度の実情

第32回介護福祉士国家試験の受験者数が昨年より約7000人減少した理由や背景

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今月2020年1月26日(日)に第32回(2019年度)介護福祉士国家試験が実施されます。

受験される皆様は勉強を頑張っておられますでしょうか。

社会福祉振興・試験センターの発表によると、第32回の受験申込者数は87599人となっており、昨年第31回(2018年度)の受験者数94610人よりも7011人減少した結果になっています。

もちろん、この2019年度の87599人は申し込みをした人数なので、実際に受験する人数は辞退や欠席があることを考えると更に少なくなることが予想されます。

【出典】JOINT

 

長い間、介護人材の不足が叫ばれており、介護福祉士の養成も急務とされている中で、受験者数が3年ぶりに減少という現実にはどういう理由や背景があるのでしょうか。

 

 

 

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介護福祉士試験の申込者が減少した理由や背景

 

 

第28回(2016年度)の介護福祉士試験から、実務経験ルートでの受験には「実務者研修の修了」が必須となったため、先ほどの図で示した棒グラフで見ても顕著に受験者数が減少していることがわかります。

そもそも「実務者研修を必須にした時点で大きくハードルが上がってしまった」ということが背景にあると考えられます。

しかし、その後2年間は緩やかに受験者数が増加しているため、このまま増加傾向でいくと思われた矢先に今回の第32回で約7000人の減少という結果です。

この結果にはどういう理由や背景があるのでしょうか。

 

やっぱり実務者研修が手枷足枷に

2016年度から受験要件に実務者研修の修了を加えたことが、今になって大きく響いているのではないでしょうか。

研修で資質の向上や知識や技術を高めていくという方針は良いにしても、それまでの受験者にはそんな研修は必要ありませんでした。

ちなみに、私も実務者研修を受講しなくても受験ができる時代に取得しました。

実技試験も事前に実技講習を修了すれば免除される時代でしたが、その講習で5万円以上の受講料を取られるため、私はあえて受講せずに本番の実技試験で一発勝負に臨みました。

それでも、合格できて現在「介護福祉士」です。

しかし、今の制度では「実務者研修」を修了せねば受験さえできないため、この研修が介護福祉士を受験するための手枷足枷になってしまっていることが考えられます。

つまり、

  • 受講料の問題
  • 受講期間の問題

です。

受講費も結構な高額であり、受講期間も長期に渡るため、なかなか仕事をしながら積極的に受講しづらいという現状があります。

会社が受講費を補助してくれたり、研修を出勤扱いにしてくれるような理解があればいいですが、そうでなければいち介護職員ではハードルが高くなってしまいます。

その現実が2019年度になって顕著に現れ始めたと言えるのではないでしょうか。

 

 

介護福祉士資格の価値の迷走

介護福祉士資格はないよりはあった方が良い資格ではありますが、無理をして実務者研修を修了して勉強を重ねて取得するほどの価値があるのかということを考えると、微妙なラインにある資格となってしまっているのではないでしょうか。

多少なりとも資格手当がついたり、キャリアパス要件の1つになるかもしれませんが、

  • 資格がなくても十分働ける
  • すぐに給料に大きな差が出るわけではない

という現実は、介護福祉士資格の価値が迷走していると言えます。

例えば、センセーショナルな触れ込みだった介護職員等特定処遇改善加算においては、当初「勤続10年以上の介護福祉士に月8万円」という内容でした。

しかし、ふたを開けてみればどうでしょうか。

  • 介護福祉士を持っていてもせいぜい2万円、持っていなくても1万円前後の支給
  • そもそも特定処遇改善手当の支給がない

というお粗末なものでした。

長い目で見れば資格を持っている方が多少はお得という実情があるものの、「そんなに頑張って取るほどでもない」というイメージが先行してしまったことも事実であり、現在迷走中であると言えます。

「そんなのあり?」特定処遇改善加算で介護職員の給料はどれだけ上がったのか

 

 

手枷足枷と価値の正常化を

今後、介護福祉士をもっと養成していきたいと考えるのであれば、以下の2点に配慮していって欲しいと思います。

  1. 実務者研修の手枷足枷を軽くする
  2. 介護福祉士資格の価値の正常化

「実務者研修をやめてしまえ」とまでは言いませんが、せめて受講料をもっと安くすることは現状でも可能なのではないでしょうか。

やりがいも搾取されて、お金まで搾取されたら堪りません。

介護福祉士資格は名称独占の資格ではありますが、その価値を正常化させていく必要があります。

「今すぐ価値の高い資格にしろ」というわけではなく、業界が価値が高いと考えているなら待遇も高く、低いと考えているなら過剰な期待をしないような健全な体制が必要です。

現状での、価値が高いのか低いのかわからないままに、取得する費用は高額という「価値の迷走の不健全さ」が物事をややこしくしてしまっている元凶ではないでしょうか。

介護の仕事は「やりがいだらけ」の「やりがい搾取」それでは人材が集まらない理由

 

 

 

最後に

 

今回は、第32回介護福祉士試験の受験者数が昨年より約7000人減少した理由や背景について記事を書きました。

「悪法もまた法なり」と言いますが、物事には原因があって結果があるということは間違いありません。

どこに原因があるのかを考えて実行に移していかなければ介護福祉士どころか介護人材の確保も困難なままではないでしょうか。

最後になりましたが、今年介護福祉士試験を受験する皆様は残り約18日です。

良い結果となりますよう心よりお祈り申し上げます。

ケアマネ試験の「受験者数が激減した5つの理由」と「合格率が低迷している3つの理由」

 

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