介護保険制度の実情

「そんなのあり?」特定処遇改善加算で介護職員の給料はどれだけ上がったのか

投稿日:2019年12月18日 更新日:

 

2019年10月から始まった「特定介護職員等処遇改善加算」についてですが、Twitterなどを拝見しているといくらかは手当や基本給に盛り込まれている人もいらっしゃるようです。

ただ、当初の「業界10年の介護福祉士に月8万円」とは程遠く、平均して1万円~2万円ほどの給料アップが多いように見受けられます。

業界10年だとか8万円だとか大風呂敷を広げた割には、内容は尻すぼみ状態でとても塩らしい結果になったわけですが、実際それが介護職員の手元に届いたのかというと実際問題私もわからない所がありました。

何故なら、介護報酬を国保連に請求してから入金されるまで約2か月ほどあるため、ひょっとしたら12月以降の給料に支給される事業所もあるでしょうし、まだまだ実態が見えづらい部分があるからです。

ちなみに、私自身も事業所から「12月の給料から1万円~2万円程度の手当がつく」とは聞いていたものの、給料日がまだ来ていませんので未だ手にしておりません。

(2019年12月26日追記)

介護職員等特定処遇改善加算が12月分の給料に約2万円ほどついていました。

(追記ここまで)

そんな中、先日他事業所の介護職員たちと情報交換や情報収集をしてきましたので「私の周辺の実態」についてご報告させて頂きたいと思います。

 

 

 

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介護職員等特定処遇改善加算の実態

 

 

特定処遇加算の実態について詳しくご紹介していきたいと思いますが、結論から言ってしまえば「とても恐ろしいこと」がありました。

以下で詳しく解説していきたいと思います。

 

各事業所の実態

「ユニット型特養3件」「多床棟特養1件」「老健1件」の合計5事業所についての実態です。

事業所 支給実態 備考
ユニット型特養① リーダー級以上2万円程度、その他の介護職員1万円程度支給予定 12月の給料からなのでまだ支給はされていない(追記:12月分の給料で支給された)
ユニット型特養② 支給無し 事業所からアナウンスさえなし
ユニット型特養③ 支給無し 事業所からアナウンスさえなし
多床棟特養 支給無し 事業所からアナウンスさえなし
老健 勤続10年以上2万円、その他の介護職員1万2千円の支給あり 2019年10月から毎月支給されている

なんと、「支給されない」どころか「アナウンスさえされていない」事業所が過半数を超えていました。

これがどういうことかと言うと、「事業所が加算を取らない」という状況であることが濃厚ではないでしょうか。

もっと問題なのは、アナウンスがないため一般介護職員が情報を得る機会がないということです。

もちろん、加算を取らないのであれば特定処遇改善加算に関して「見える化」や「全職員への周知」も必要がないわけですが、「加算を取るのか取らないのかさえ情報がおりてこない実情」は、働いている介護職員からすればやきもきしてしまう状況でしょう。

中には、「どうなっているのか」を上司に聞いた介護職員もいるようですが「どうだろうねぇ」「わからないねぇ」などと言ってはぐらかされて終わり、という結論になってしまっているようです。

事業所が加算を取らないのであれば、介護職員の給料は1円も上がらないのですから中央政府の施策も無意味だったという結論になります。

やはり「期待しない方がマシの加算」だったということになります。

厚労省が特定処遇改善加算の実態調査を来春に実施「大切なのは期待しないこと」

 

 

とても恐ろしいこと「そんなのあり?」

「加算を取らない事業所があり介護職員に一切支給されない」という実態もなかなか恐ろしいのですが、もっと恐ろしいことがありました。

それは、特定処遇改善加算を支給すると言っている事業所が「冬のボーナスを減らしてきた」ということです。

介護職員により減った金額は様々のようですが、「4万円~12万円」という大きな単位でボーナスが減っているようです(独自調べ)。

経営コンサルタントを雇い「経営状態や全職員の査定の見直しなどを行った結果」という体裁にはなっていますが、ボーナスを減らされると特定処遇改善加算を貰ったとしても年収で考えると「ほぼプラマイゼロ」の状態です。

「特定処遇改善加算を支給するけどボーナスを減らします」ということであれば、結局は年収は変わりがないのです。

これは大変恐ろしいことです。

つまり、

  • 煙に巻くような見通しの悪い方針
  • 事業所の柔軟な運用に任せたお粗末さ
  • ボーナスで調整するセコさ

が如実に現れた結果になったのです。

「ボーナスを削減せずに加算手当が1万2千円~2万円支給される事業所がホワイト」というような低レベルな現実の中にいるのです。

消費税や国会議員の給料はいともたやすく上がるのに、介護職員の収入は「微々たるものしか上がらない」「全く上がらない」「上がったように見せかけて実は上がっていない」というのが実態のようです。

これを一言で言うと「期待するだけ損な業界」ということになるでしょう(事業所によるのでしょうが、事業所に重要なポイントを任せてしまう体質も含めて「業界全体の問題」だと言えます)。

本当、「そんなのあり?」という気持ちになりました。

【業界に10年以上の介護福祉士に月8万円】結局誰がどれだけ貰えるの?

 

 

 

最後に

 

今回は、リクエスト案件でもあった2019年10月から始まった介護職員等特定処遇改善加算で介護職員の給料はどれだけ上がったのか、ということについて記事を書きました。

もちろん、私の情報収集量が少なすぎるということもあるでしょうが、自分の周りでは記事に書いたような結果となりました。

「加算をつけてボーナスを減らす」という方法は考え得る削減方法ではありますが、まさか恥ずかしげもなく本気で実行してくる事業所があったのは驚きを超えて失笑レベルです。

どこまで「やりがい搾取」が続くのでしょうか。

皆様の事業所では「介護職員等特定処遇改善加算の支給状況」はどんな感じになっていますでしょうか。

介護の仕事は「やりがいだらけ」の「やりがい搾取」それでは人材が集まらない理由

 

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