介護保険制度の実情

介護保険制度のローカルルールと不適切ケアと虐待認定の闇

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現在の介護業界は介護保険制度によって介護保険法に基づいて成り立っています。

全国共通の制度であり法律であるため、全国一律で統一された解釈と運用をされなければならないはずですが、実施問題介護保険制度にはローカルルールが存在します。

しかも、都道府県単位だけではなく市区町村単位でも存在しているため、その数だけ書式や解釈や運用が微妙に異なってきます。

また、高齢者虐待の通報をした場合でも、行政が立ち入り調査や実地指導を行い「虐待認定するかどうかの判断」をするのですが、その具体的な基準も全国で統一されていません。

今回は、介護保険制度のローカルルールと不適切ケアと虐待認定の闇について記事を書きたいと思います。

介護現場で虐待や介護事件が続発する本当の理由

 

 

 

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ローカルルールが存在している理由

 

 

そもそも何故、ローカルルールが存在し許容されたままの現状なのでしょうか。

 

理由①「保険者に広範な裁量が与えられている」

市区町村は介護保険の保険者になります。

そして、その保険者である市区町村は法令に逸脱しない限りの範囲で裁量権を与えられています。

これは地域ごとに

  • 高齢者の人数や割合
  • 介護を必要としている世帯数
  • 地域性(交通事情や土地柄や発展性)
  • 介護サービス提供事業所や社会資源の種類や数

などが異なってくるために、全国一律では対応しきれなかったり過剰供給になってしまう可能性があるためです。

市区町村が介護保険に課せられた業務は以下の8つになります。

【市区町村の業務】

①被保険者の資格管理に関する業務

②要介護認定、要支援認定に関する業務

③保険給付に関する業務

④サービス事業者に関する業務

⑤地域支援事業の実施

⑥地域包括支援センターの設置と運営

⑦市町村介護保険事業計画の策定を3年ごとに行う

⑧保険料に関する業務、介護保険の財政運営

つまり、「そもそもローカルルールありきの介護保険制度になっている」と言えます。

【介護保険制度破綻③】介護の専門性を貶め要支援者を切り捨てた「誰も得をしない総合事業」

 

 

理由②「国からの伝達不足と保険者の解釈不足」

国からの介護保険法や関係法令の適切な解釈や情報の伝達が不足しており、市区町村が誤った解釈や独特の解釈をしていることも考えられます。

そして、その誤った解釈や独特の解釈のまま事業所に伝達されて運用された結果が「ローカルルール」となっている場合があります。

2019年5月14日に自民党が「社会保障改革ビジョン」を取りまとめた中で「自治体が独自に定めているローカルルールの撤廃」を提言していますが、そのためにはまず「国から統一された情報や解釈が正しく伝達できるように徹底していく」必要があります。

誤った解釈をされたローカルルールによって事務処理や介護現場が混乱することがないようにして欲しいものです。

 

 

 

不適切ケアと虐待認定の闇

 

 

虐待認定の判断にもローカルルールが存在します。

また、その判断とその後の現実は闇深いと感じています。

 

心理的虐待の疑いで通報

ある介護施設のリーダーが、常日頃から利用者に対して汚い言葉を使っていました。

例えば「いい加減にしろ!」「ふざけるな!」等の恫喝するような発言です。

周りに他の職員等の誰かが居る時は丁寧な言葉を使っており、明らかに「使い分けている」のです。

つまり、「利用者とマンツーマンになった時にだけ本性を現す」ということになります。

しかし、周りの職員も薄々気づいていて、ある時「心理的虐待の疑いで行政へ通報」が行われました。

行政の職員が通報を受けて施設へ立ち入り調査を行った上で出された判断は「虐待ではなく不適切ケア」という結果でした。

社団法人日本社会福祉士会「市町村・都道府県のための養介護施設従事者等による高齢者虐待対応の手引き(PDF)」の心理的虐待の具体例を確認すると、この発言内容は心理的虐待に該当します。

しかし、行政の判断は「不適切ケア」ということになりました。

他の都道府県や市区町村であれば「虐待認定」をするところもあるのでしょうが、同じ内容でも結果が変わってくる所が「ローカルルールの闇」だと言えます。

裏の顔を持つ介護職員について

 

 

そんな介護職員でもリーダー

まず、虐待まがいのことをする介護職員でもリーダーをしているという現実に驚きですが、人員不足の介護施設ではあり得ることです。

つまり、リーダーというのは消去法で決められるに過ぎず「誰でもいい」のです。

そして、消去法の結果、そのような介護職員でもリーダーになることが出来ます。

この点でも介護保険制度の闇を感じてしまいます。

「こんなリーダーは嫌だ!」介護現場に求められる「リーダーに必要な資質」は〇〇の人

 

 

不適切ケアでもリーダー

その後にもっと驚いたのが、行政から不適切ケアという判断をされた後にその介護職員はユニット異動をさせられたものの、そのままリーダーとして働き続けていることです。

「介護職員を辞めろ」とまでは言いませんが、「虐待まがいのことをする人物を指導する立場のリーダーのまま据え置く」という事業所の判断も驚きです。

しかし、確かに介護保険法や関係法令には「不適切ケアをした職員はリーダーになれない」というような規定も取り決めもありません。

ですから、この判断は「法令上問題がない」ということになりますが、「倫理的には問題がある」のではないでしょうか。

そして、そんな職員でもリーダーに据え置かねばならない介護施設の人員不足や労働環境は見るも無残なものだということは容易に想像ができます。

利用者にとっても、そのリーダーの下で働く職員にとっても不幸な状況に陥ってしまうのが全国で統一されていないローカルルールのある介護保険制度だと言えます。

※虐待認定をされた場合でも「当該職員はリーダーになってはならない」という規定もありませんが、さすがにその場合は然るべき処分が行われると思いたいものです。

 

 

周りの職員に植え付けられた闇

さて、この事例の場合、周りの職員はどう感じたのでしょうか。

「不適切ケアや虐待をしてはいけない」

「丁寧な言葉を使わなくてはいけない」

ということは当然ですが、その奥底には

「あんな言葉遣いでも虐待にはならないのか」

「不適切ケアをするような職員でもリーダーでいられるのか」

「恫喝するような言葉遣いをしていても最終的には許されるのだな」

ということを植え付けられてしまうでしょう。

ひいては「なんてレベルの低い施設と制度だ」ということになります。

事業所内の人事や運営については事業所の裁量に委ねられてはいるものの、全国で統一されていない判断基準やローカルルールによって「資質の低い職員が介護リーダーをしていることも容認」される結果となり、虐待や介護事件の温床になっていると言えます。

 

 

 

最後に

 

今回は、介護保険制度のローカルルールと不適切ケアと虐待認定の闇について記事を書きました。

虐待認定の判断基準も各自治体で統一されておらずローカルルールが存在するために同じ内容であっても、「A市では不適切ケアでB市では虐待認定」というような不整合が発生してしまいます。

また、その不整合によって介護現場で不信感を抱いてしまったり混乱してしまうことも往々にしてあり得ます。

これは一種の「介護業界の闇」と言えるのではないでしょうか。

 

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