介護業界の異常性

介護現場で虐待や介護事件が続発する本当の理由

投稿日:

 

介護現場での虐待や介護事件が続発しています。

介護の過酷さを訴えると「介護よりもっと過酷な仕事は山ほどある」「介護の仕事だけ特別に大変というわけではない」ということを言う人もいますが、それはそうだとしても「職場でこれほど虐待や事件が続発している業界は過酷を通り越して異常な世界」と言えるでしょう。

今回は、「介護現場で虐待や介護事件が続発する本当の理由」について記事を書きたいと思います。

「グレーゾーンは不適切ケア?」実情と解決策をわかりやすく解説します

 

 

 

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虐待や事件が続発する本当の理由

 

 

介護施設などの介護現場で虐待が発生する理由については、厚生労働省が統計による調査結果を出しており、「1位が教育・知識・介護技術等に関する問題」「2位が職員のストレスや感情コントロールの問題」「3位が虐待を行った職員の性格や資質の問題」となっています。

その他には「倫理感や理念の欠如」「人員不足や人員配置の問題及び関連する多忙さ」と続いています。

不正統計問題のあった厚労省のデータの信憑性はさておき、そもそも現場職員から聞き取りや調査をした結果ではないため「現に内在しているであろう虐待理由」は含まれていませんし、調査結果を出しても虐待や介護事件が続発している現状を見れば「統計が活かされていない」ということになります。

リアルな介護現場を見ている中で考え得る「虐待が続発している本当の理由」を解説していきたいと思います。

 

理由①「氷山の一角」

介護現場は様々な「バグ」が発生しやすい環境です。

人員不足や過重労働によるヒューマンエラーだったり、ストレスによって気が変になってしまいそうになる時もあります。

そうならないようにリスクマネジメントや職員個々の知識や技術の習得や感情のコントロールが必要となってくるのですが、それらが十分でなかったり想像を超えるイレギュラーなことが発生する可能性があれば虐待や介護事件が続発します(もちろん事故も発生します)。

しかし、そもそも「既に全国の介護現場では大なり小なり虐待が発生していて事件として露出していない」ということがあるのではないでしょうか。

つまり、虐待の発生理由は様々あるものの、既に常態化している虐待が徐々に(又は一気に)表面化することで「続出」していくのです。

統計や報道も「氷山の一角でしかない」と言えます。

但し、介護職員の名誉のために付け加えますが、多くの介護士たちは「感情をコントロール」したり「耐えて」います。

そして、逆に利用者から介護士に対する暴言や暴力などの虐待や加害行為は日常茶飯事です。

その数は介護士から利用者への虐待の比ではありませんが、こちらは問題視されたり報道されることは殆どありません。

介護職員の人権と身体を侵害するような人間サンドバッグ状態に耐えられなくなってしまったことを「教育や知識や技術不足」「職員の資質や感情コントロールの問題」と呼ぶのが介護業界の特徴です。

【介護事件考察】「介護士が入所者に暴言を吐かれ続け暴力を振るって逮捕」に同情の声

 

 

理由②「治外法権が野放し」

介護現場は法治国家の日本の中にありながら「治外法権の世界」です。

閉鎖的排他的な空間であることは間違いありませんし、前述したように「利用者からの違法行為は許される環境」があります。

「認知症だから仕方がない」

「暴言や暴力を受け入れるのが介護」

という風潮が未だに存在しています。

多くの問題行動が認知症の周辺症状であるにしても、大切なのは

「介護士の人権や身体や生命を守る体制」

「介護士が安全安心に働ける環境の整備」

という当たり前のことです。

現状のように、介護士の人権や安全が脅かされた治外法権どころか、利用者の権利ばかり優遇され介護士が奴隷のような状態であれば、「信じられないような事」「あってはならない事」が発生する確率が上がるのは当然でしょう。

利用者だけの一方的な治外法権が野放し状態の介護現場であればあるほど虐待や介護事件が「続出」するのです。

利用者からの暴力を容認する人の分類と特徴

 

 

理由③「個別ケアが温床」

これまでの従来型多床棟での「集団ケア」のアンチテーゼとして開始されたユニット型の「個別ケア」ですが、虐待や介護事件の多くが「マンツーマン対応」の時に発生しており「虐待の温床になっている」と言えます。

虐待の発生理由として「職員個々の資質や知識や技術や感情のコントロール」があるにしても、いくらなんでも「周りの目がある場所」では虐待や介護事件は発生しにくいでしょう。

通所介護(デイサービス)などでは殆ど虐待や介護事件の報道を見た記憶がありませんし(お泊りデイでは最近ありましたが、やはり宿泊したりマンツーマンになると発生しやすいと言えます)、周りの目が届かないマンツーマン対応をする機会が少ない事業所ほど虐待の発生件数は少ないと言えます。

つまり、皮肉なことに「個別ケアは素晴らしい」という方針が、逆に虐待の温床となってしまい虐待や介護事件が「続出」しているのです。

ユニットケア(個室・個別ケア)が推奨され推進されていなければ、これほど虐待や介護事件が続出することもなかったのではないでしょうか(ワンオペ夜勤は特に高確率で虐待や介護事件の温床となります)。

ユニットケアは「既に破綻している空想理論」である理由をわかりやすく解説

 

 

 

最後に

 

今回は、介護現場で虐待や介護事件が続出している本当の理由について記事を書きました。

ちなみに、介護施設での虐待件数よりも在宅介護での養護者(家族等)による虐待件数の方が圧倒的に多いのですが、在宅介護も「個別ケア」です。

「身内への介護」と「生業としての他人への介護」を同列で考えてはいけませんが、「個別ケアで家庭的な雰囲気に近づこうとしたユニットケア」は皮肉な形で在宅介護に近づいてしまっているのではないでしょうか。

また、「利用者の権利ばかりを擁護して介護職員の人権を無視し、ないがしろにする異常な環境」が改善しない限り、「あってはならないこと」が今後も続出していくことでしょう。

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