リアル介護現場の実情

「グレーゾーンは不適切ケア?」実情と解決策をわかりやすく解説します

投稿日:2019年3月2日 更新日:

 

今回は、高齢者虐待(グレーな部分含む)について考察していきます。

介護現場は介護職員と利用者が直接的に関わる場になります。

人間と人間との距離が近く、関わる頻度も多く時間も長いので、他の職業や職種には無い「特殊な環境が存在する」というのは、まず間違いありません。

その上で介護現場の実情と制度上の矛盾や問題点についても言及していきたいと思います。

 

 

 

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虐待の分類や種類

高齢者の虐待とは、高齢者の基本的人権を侵害・蹂躙し、心や身体に深い傷を負わせるようなものの事です。

分類として大きく分けて以下の5つがあります。

 

【虐待の分類】

①身体的虐待

殴る、蹴る、つねるなどで、裂傷や打撲などの跡を残すことがある。本人の意に反し手足を縛る身体的拘束もある。

②性的虐待

性的な暴力(高齢者夫婦間でのドメスティックバイオレンス-DVも含む)。

③心理的虐待

脅迫や侮辱などの言葉による暴力、恫喝、侮蔑。

④ネグレクト(介護や世話の放棄)

生活に必要な介護の拒否、意図的な怠慢、必要な医療や食事、衣類や暖房の提供をしない、病気の放置など、生活上の不合理な制限、戸外への締め出し。

⑤経済的虐待

年金・預貯金・財産を横取りされたり、不正に使用されたり、売却されること。

 

【引用元】社会福祉法人東京玉葉会 特別養護老人ホーム青陽園ホームページ

http://www.seiyoen.com/publics/index/61/

 

上記の虐待内容を見ると誰がどう考えても「してはいけない行為」である事は明白です。

しかし、介護現場では虐待ギリギリのグレーな部分(グレーゾーン)が横行しているのも事実なのです。

 

 

 

グレーな部分(グレーゾーン)とは

 

 

虐待ギリギリの「グレーゾーン」とは一体どういうものなのでしょうか。

「グレーゾーンは不適切ケア」などと言われることもあります。

不適切ケアならば、やってはいけないはずなのに、介護現場に平然と横行しているのは「現場職員の職責や制度上の矛盾」があるからです。

 

 

グレーゾーンの例

  • 同じ事を朝から晩まで何回も言う利用者を一時的に無視する。

(理由)他の仕事があり朝から晩まで付き合っていられない為。等

→ネグレクト(介護や世話の放棄)に該当します。

 

  • 食事を食べたがらない利用者や水分を欲しがらない利用者に介助して無理やり食べさせる(飲ませる)。

(理由)健康管理、栄養管理の為。等

→身体的虐待及び心理的虐待に該当します。

 

  • お風呂に入りたがらない利用者を車イスに乗せてお風呂まで誘導し入浴させる。

(理由)身体の清潔保持の為。入浴日が決まっている為。等

→身体的虐待及び心理的虐待に該当します。

 

  • 薬を飲みたがらない利用者にわからないように食事に薬を混ぜて服薬させる。

(理由)服薬管理、健康管理の為。等

→身体的虐待に該当します。

 

  • 居室内で危険行為や転倒をするおそれがあるので居室扉を開けておき見守れるようにする。

(理由)利用者の安全確保の為。等

→心理的虐待に該当します。

 

  • 利用者にタメ語で喋ったり「ちゃん」付けで呼ぶ。

(理由)親しみを込めて。親近感が湧く為。等

→心理的虐待に該当します。

 

上記はグレーゾーンであり、施設介護では普通に行われている事ですが、「厳密に言えば全て虐待」に当たります。

グレーゾーンの虐待が横行してしまっている原因や背景はどのようなものがあるのでしょうか。

 

 

 

虐待グレーゾーンの原因と背景は?

 

 

グレーゾーンの原因や背景としては、以下のことが考えられます。

 

職員の知識、認識不足

職員の知識が乏しく、自分の行っていることが「厳密には虐待に当たる」という認識ができていない場合があります。

 

グレーゾーンを容認する職場の雰囲気

グレーゾーンだと認識している、していないに関わらず、職場全体の雰囲気として「みんなでやれば怖くない」状態になってしまっている可能性があります。

 

会社の教育体制が不十分

事業所が虐待やグレーゾーンに関する研修や教育を十分に行っておらず、グレーゾーンのケアが虐待に繋がる(又は既に虐待である)という認識を持てていない可能性があります。

もっと言えば、職場の雰囲気や個人の判断で、良かれと思ってやっている場合もあります。

 

業務優先の職場体制

業務を時間通りに行うことが求められるため、利用者の希望は後回しにされることでグレーゾーンのケアを行ってしまっている場合があります。

 

現場の声が届きにくい組織体制

事業所や上司が介護職員が抱えてる問題や利用者の不満を把握できない(しようとしない)ため、改善がされないという原因があります。

 

人員不足

人員不足によって、介護職員ひとり当たりの負担が大きく、疲労やストレスによって心の余裕が無いことが考えられます。

グレーゾーンだとわかっていても、そうせざるを得ない状況や環境しか与えられていないのです。

 

関係法令の矛盾や強迫観念

例えば高齢者虐待防止法では、高齢者の基本的人権を侵害しないように書いてありますが、老人福祉法に基づく運営基準では「一週間に二回以上、適切な方法により入浴(又は清拭)しなければならない」という規定が書いてあります。

利用者が「入浴したくない」と言った場合、「利用者の人権や意思や希望」と「一週間に2回以上入浴させなければならないという運営基準」はどちらを優先させるべきなのでしょうか?

最終的には会社や現場での判断に委ねられるのですが、一方では

「無理やり入浴させるのは虐待だー!」

と言われ、一方では

「一週間に二回以上入浴させなければ減算だー!」

と言われる矛盾の中で、強迫観念に駆られ苦渋の選択をした結果がグレーゾーンになってしまっているのではないでしょうか。

そんな未熟で不完全な制度と環境の中で生活している利用者と働いている介護職員は一体どうすればいいのでしょうか。

現場職員は明らかに矛盾した対応を求められているのです。

 

 

 

どうすれば虐待のグレーな部分を解消できるのか?

 

 

介護職員個々の資質の向上も大切な事ですが、「職場単位・事業所単位・行政・国単位で環境や関係法令の整備をもっともっと進めていく事の方が大切」だと思います。

当然、現在でも職場・事業所・行政・国単位で整備を進められているとは思いますが、「全くもって足りていない」というのが私の認識です。

要は「現場職員に責任を押し付け資質の向上を求め続けてもグレーゾーンはなくなることがないので、国や業界単位で早く利用者と職員を助けて下さい」という結論になります。

介護職員が幸せになれば利用者も幸せになります。

利用者の幸せの追求と同じくらい介護職員の幸せを追求して下さい。

そうすれば必ずこの業界は激的に改善し、必然的に介護職員の資質も向上しグレーゾーンや不適切ケアを含めた虐待事例も大幅に改善され、相乗効果で利用者も幸せになっていき、事業所も健全な運営が可能になる「三方良し」の関係が構築出来ると信じてやみません。

介護現場で虐待や介護事件が続発する本当の理由

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