リアル介護現場の実情

「待つ介護」が重要なのに「待てない介護」になっている介護現場の実情

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介護職員は利用者の残存能力を活用し自立を支援する仕事です。

ですから、何でもかんでも「全て介助する」「必要以上の過剰な介護をする」ということは不適切と言えます。

利用者の自立と自己実現を支援するために重要になってくるのが「待つ介護」です。

利用者の「意思決定や言葉や行動などを待った上で時間を掛けた介護」をする必要があるのですが、現状では「なかなか待っていられない実情」があるのも事実です。

今回は、「待つ介護」が重要なのに「待てない介護」になっている介護現場の実情について記事を書きたいと思います。

 

 

 

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「待つ介護」の重要性と「待てない実情」

 

 

「待つ介護」の重要性と「待てない介護」になってしまっている介護現場の実情を解説していきたいと思います。

 

「待つ介護」の重要性

「待つ介護」を行うことで、利用者の自立支援にもなりますし、職員も心と時間に余裕を持った対応ができるため、事故などが発生するリスクも抑えることが出来ます。

利用者自身の「意思決定」を待ち、「言葉」を待ち、「行動」を待つことが自立支援に繋がります。

それを待たずに介護や介助をしてしまうことは「過剰な介護であり、利用者の自発的な発言や行動を奪ってしまっている」と言えます。

つまり、「利用者個々の状態に合わせて時間を掛けた介護をする」ということが重要なのです。

 

 

「待てない介護」になってしまう実情

「待つ介護」が大切なのに、何故多くの介護現場では「待てない介護」になってしまっているのでしょうか。

 

実情①「職員の知識不足」

「何でもやってあげるのが介護」「至れり尽くせりしてあげることが良いサービス」だと勘違いしている職員がいた場合、「知識が不足しているため待たない介護」になってしまいます。

もし、そういう勘違いをしている職員がいたとすれば、「過剰な介護」をしてしまうことでしょう。

しかし、多くの介護職員は「過剰な介護は良くない」「自立支援を促すのが介護職員の仕事」ということはわかっています。

介護職員は豊かな感情だけで利用者に接してはいけない5つの理由

 

実情②「時間と業務に追われている」

現状の介護現場では、時間と業務に追われ「時間を掛けた待つ介護ができない」という実情があります。

「業務優先」「流れ作業」と言えば聞こえは悪いですが、利用者の命を預かっている仕事であるため、利用者の生命や身体に関わる重要度の高さを見極めて優先順位をつけて動く必要があります。

そうなると、どうしても「1人の利用者に多くの時間を掛けてはいられない」ですし、「利用者の意思決定や行動を待っているわけにはいかない」という状態になってしまいます。

1人の介護士で20名の利用者の介護を行う「ワンオペ夜勤」では尚更です。

介護施設のワンオペ夜勤の暗黙の了解「利用者を起こす時間帯は早朝」

 

実情③「人員不足」

多くの介護現場では人員不足です。

そのせいで「時間や業務に追われる」ことになるわけですが、そもそも「人員配置基準を満たしていても足りていない」のです。

日中であれば、職員1人当たり3人~5人の利用者の介護が必要ですし、夜間であれば職員1人当たり20人の利用者の介護をします。

既にその時点で「利用者にゆっくりと時間を掛けて対応する人員が不足している」ため、時間と業務に追われることになるのは当たり前です。

利用者に寄り添い、両膝を突き合わせてゆっくり話を聴いたり、一人ひとりの意思決定や行動が完結するまで待っていれば、他の利用者のナースコールが鳴り響いたり、どこかで誰かが転倒しているかもしれません。

そんな戦々恐々とした介護現場では「待つ介護」ができず「待てない介護」になってしまうのは必然です。

ナースコールは召使いを召喚する装置ではない

 

 

 

最後に

 

今回は、「待つ介護」が重要なのに「待てない介護」になっている介護現場の実情について記事を書きました。

「待つ介護」ができない(できていない)現状は、介護職員の知識不足や資質の問題にされがちですが、業務負担や人員不足などによって「時間を掛けた介護をする環境がない」ということが一番の問題ではないでしょうか。

ただ、誤解の無いように申し添えておきますが、多くの介護職員は現状の環境の中で可能な限り「待つ介護」を行っています。

「待つ介護」を行っている中で「やりづらさ」を感じたり、他の利用者の対応が必要になったり、リスクの発生確率が上がってしまうのが介護現場の実情です。

食事介助における「速さの美学」とは?危険はないの?目安時間は?

 

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