リアル介護現場の実情

介護ロボットの開発、機能、導入はまだまだ介護現場の実情に沿っていない理由

投稿日:2019年11月21日 更新日:

 

先日、ニュース記事を斜め読みしていると「安価な自動駆けつけ介護ロボット」という見出しの記事を見つけました。

少しずつでも介護職員の人手不足や業務負担を補えるような介護ロボットが研究され開発されていっているのはありがたいことではありますが、正直な感想としては「本格的な介護ロボットの導入は遥か未来になりそうな予感」と「現状の介護ロボットは介護現場の実情に沿っていない」という印象を受けました。

今回は、「介護ロボットの開発、機能、導入はまだまだ介護現場の実情に沿っていない理由」について記事を書きたいと思います。

 

 

 

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介護ロボットの実情

 

 

少しずつではあるものの、着実に介護ロボットの開発は進んでいるようです。

しかし、我々介護職員が想像していたり望んでいるような介護ロボットとはまだまだ程遠い印象です。

その実情はどうなっているのでしょうか。

 

介護ロボットの実情

介護ロボットを夜勤に配置すると加算が取れるという方針になっていますが、現状で「センサーなどの感知式の介護用品のことを介護ロボットと呼んでいる」のが現状です。

要は、センサーマットなどのことです。

先日の報道では、更に進化した介護ロボットの如く報道がされていました。

その性能は

  • 人型ロボット
  • 自動で巡回見守り
  • 異常時に自動で駆けつける
  • センサー、顔認識できるカメラ内臓
  • 時給換算で88円

というものでした。

要は、上記性能が現状での「最先端」ということになろうかと思われます。

「夜勤に介護ロボット導入加算」の真実→「センサー対応で余計に労力が掛かる結果に」

 

 

開発、性能、導入が介護現場の実情に沿っていない理由

介護ロボットの開発チームにどのような顔ぶれのメンツがいるのかは存じ上げませんが、「実際に介護現場で働く介護職員の意見が採り入れられているとはとても思えない」のが正直な感想です。

いやしかし、仮に介護職員の意見を採り入れたとしても、現在の開発技術ではこれが限界である可能性もあるため全否定する気はありません。

では、どのような点が介護現場の実情に沿っていない理由を以下に挙げていきたいと思います。

 

理由①「ビジュアルが相応しくない」

介護ロボットが人型になったことはひとつの進歩ですが、ニュース報道で見たそのビジュアルは「ピンクと白のデザインで腕がなく鉄腕アトムに出てきそうなキャラクターの見た目」でした。

ピンクをあしらって可愛さを表現したのかもしれませんが、もし私が夜中にそのロボットと遭遇したら心臓が飛び出そうなくらいビックリしてしまうと思います。

正直「怖い」です。

しかも「腕がない」のです。

これが高齢者であったり認知症のある人であれば、もっと驚かせてしまうことになるのではないでしょうか。

驚かせてしまうことで、転倒や心拍数の急激な変化をもたらしてしまう結果になれば本末転倒です。

 

理由②「最終的には人(介護職員)がしなければならない」

自動で巡回し、異常時は駆けつけてくれてカメラなどで記録してくれることはありがたいのですが、利用者の要望には応えることができないのが現状ではないでしょうか。

利用者は、「トイレに行きたい」「落ちた物を拾って欲しい」「自分がどこにいて何をしているのかわからない」という状態で意思表示をしたり活動したりします。

結局は、その対応を行うのは介護ロボットではなく介護職員です。

また、転倒などの事故や急変などの異常が発生した場合も介護ロボットが発見したとしても最終的に対応を行うのは介護職員です。

介護職員として、一番負担が大きいのは「直接的な利用者への対応」です。

その部分は介護ロボットでは対応できないため、介護職員が行うことになります。

つまり、現状の介護ロボットは「定時の巡回」と「異常の早期発見」の役割ということになります。

確かに異常が早期発見できることはありがたいことですが、介護ロボットのビジュアルや存在に驚いて利用者が転倒してしまったり急変してしまうような新たな問題が発生しないとも限りません。

そうなってしまえば「本末転倒」であり、「介護現場の実情に沿っていない」と言えます。

 

理由③「導入する事業所は増えていっても介護職員は削減できない」

時給88円という格安の介護ロボットであれば、介護職員を雇うよりも安価で導入ができますし、介護ロボット加算も取れたら事業所にしてみればこれ幸いです。

国が主導している方針としても導入が進んでいくのかもしれませんが、介護職員としては「何だかなぁ…」という気持ちがあります。

要は、現状の介護ロボットは「時給88円の動くセンサー」です。

「時給88円の介護ロボットを導入したから介護職員を削減できる」

「介護職員の人手不足を補える」

「コスパがいい」

と考えてしまうのは少々早計すぎます。

結局は、介護職員が対応しなければならない以上、「介護ロボット=介護職員の代替」ではなく「動くセンサー=介護用品」という認識を持っておかないと大変危険です。

現状の介護ロボットを導入したからと言って、介護職員を削減することはできませんし、人手不足が解消するように今後益々の対策を講じてもらう必要があります。

介護用品としては大変便利であるけれども、依然介護職員は不足しているのは間違いないのです。

仮に介護ロボットを導入していく事業所が増えていったとしても、その点を勘違いしてしまわないように注意が必要です。

 

 

 

最後に

 

今回は、「介護ロボットの開発、機能、導入はまだまだ介護現場の実情に沿っていない理由」について記事を書きました。

勘違いして頂きたくないのは、現状の介護ロボットを批判したり誹謗中傷したわけではなく、現役介護士の立場として「介護現場の実情に沿えていない」というリアルな意見を申し上げたかったということです。

まだまだ開発現場も発展途上だとは思いますが、制度や方針もそうですが「もっとリアルな介護現場を熟知していて本当の困りごとや実情を体験したことのある人材」が開発に携わることでより良い介護ロボットが開発できるのではないかと思います。

もちろん、開発チームの方々が半年ほど介護現場を実体験されてみるのもひとつの手段でしょう。

現状の介護ロボットは介護現場の実情に沿っておらず「動くセンサー=介護用品」の域を出ないという印象です。

 

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