リアル介護現場の実情

介護現場で転倒などのアクシデント事故が多い利用者の対応は事業所全体で検討していく具体例

投稿日:2020年5月1日 更新日:

 

介護現場では、利用者の状態によってインシデントやアクシデントが頻発することがあります。

よくあるのが、利用者の転倒などです。

1人では安定した歩行ができないのに歩こうとして転倒するパターンが多いように感じています。

この場合の対応としては、介護職員の

  • 見守り強化
  • 付き添い対応

などが挙げられますが、実際の介護現場では人員不足ということもあり、そう単純に解決したり改善できるものではないのが実情です。

1人の利用者に介護職員が24時間付き添うことなど到底不可能なのです。

そもそも、24時間付き添うことなどマンツーマン介護であるはずの在宅介護でも不可能でしょう。

ですから、転倒などのインシデントやアクシデントが頻発する利用者の場合は、他の対応が必要になってきます。

一番重要なのは、「介護職員だけに負担や責任を押し付けるのではなく、事業所全体で検討していく」ということです。

転倒したことがキッカケとなりお亡くなりになった利用者に対して、事業所への損害賠償が成立した判決もありました(下記記事参照)。

【介護事故考察】介助不足で複数回転倒し死亡「施設に2800万円の賠償命令」

こんな(介護職員や介護現場にとって)理不尽な状況が続発すれば、「転倒などのインシデントやアクシデント(事故)が頻発する利用者の対応に苦慮してしまう」ということになります。

かと言って、既に入所してしまっている利用者の状態を理由に退所を促したり受け入れを拒否することもなかなか難しい状況なのが現状です(正当な理由が無ければ受け入れ拒否や退所勧告もできないため)。

では、どうすればいいのかを以下で具体的にご紹介したいと思います。

 

 

 

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転倒などのアクシデントが頻発する利用者の対応を事業所全体で検討していく具体例

 

 

高齢者でなくとも、人間である以上は転倒する可能性は誰でもあり得ます。

筋力や心身機能が衰えてきている高齢者であれば、尚更転倒のリスクが高いことは必然です。

高齢者の転倒が不可避である理由について、詳しくは下記記事をご参照下さい。

【介護現場では不可避】高齢者が転倒しやすい5つの理由

では、この状況に対して「介護現場で事業所全体で検討していく」には、具体的にどうすればいいのでしょうか。

 

介護職員や介護現場に押し付けない

まず、大前提なのが「介護職員や介護現場にその負担や責任を押しつけない」ということです。

これをしてしまうと、介護職員や介護現場の負担や責任が重くなるだけでなく、

  • 追い詰められた介護職員がストレスフルになる
  • 介護現場だけでは解決方法に限界があるため結局何も変わらない
  • 追い詰められた介護現場の職員の退職が相次ぐ
  • 追い詰められた介護職員の退職が相次ぐことで人員不足となり益々転倒などの事故が多発する

という悪循環に陥ってしまいます。

ですから、事業所全体で検討し対応していくことが重要になってくるのです。

まずは、このポイントをおさえておくことが非常に大切です。

【理不尽】「クレームを言ったもの勝ち」の世界なので介護職員が疲弊していく実情

 

入所前(入所時)に家族に説明をして了承を得る

入所前又は入所時に、利用者本人及びキーパーソンとなる家族に入所説明が行われます。

その際に、「転倒は起こり得るもの」「転倒は防ぎきれないもの」という事実をしっかりと説明をし、了承を得ておく必要があります。

何故なら、家族の中には「介護施設に入所させたら完璧な介護をしてくれるのだから転倒などが発生するはずがない」「お金を払っているのだから転倒などの事故が発生すれば責任を取ってくれるはず」と思い込んでいる人がいるからです。

ですから、そういう「淡い期待」や「異常な権利者意識」を現実世界へ引き戻した上で「納得してもらう」必要があります。

その上で、入所してもらうことこそが「事業所全体で検討していく第一歩」なのです。

「事故を未然に防ぐのが介護のプロでしょ」→「無理です」

 

適宜、家族へ報告し情報のアップデートを行う

入所時はそれほど転倒のリスクがなかった利用者でも、介護施設で生活を続けていく中で、転倒のリスクが高くなっていく場合があります。

また、入所時(又は入所前)に説明した内容を家族が失念したり、「そもそも聞いていない」などと言ってくる場合もあります。

ですから、利用者の状態や転倒のリスクがあることを、入所後も適宜、家族へ連絡したり現状の報告をして情報をアップデートさせていくことも大切です。

つまり、

「今後、転倒する危険がありますよ」

「転倒することは十分考えられますので、知っておいて下さいね」

ということを改めて家族へ報告し理解を得ておくのです。

これをすることで、「聞いていない」ということを防ぐことができます(もちろん、情報のアップデートをしたことを記録にも残します)。

これは、介護職員が行ったり、生活相談員や施設ケアマネが行うなど事業所や状況によって様々でしょうが、これをすることが「事業所全体で検討していくこと」に繋がります。

 

家族への連絡や報告の頻度やラインを取り決める

転倒などのインシデントやアクシデントが発生すれば、家族への連絡や報告が必須になります。

これが、「毎日のように発生」「1日に何回も発生」ということがあり得ます。

この場合、

  • 家族へ連絡や報告をする職員に負担が掛かる
  • 連絡や報告をされる家族にも負担が掛かる

ということが往々にしてあり得ます。

この場合、事故の発生頻度や受傷状況や家族の希望などを総合的に判断して、連絡や報告をする頻度やラインを取り決めておくことが大切です。

これにより、家族へ連絡や報告をする職員の負担がグッと減ります(場合によっては家族の負担も減ります)。

但し、施設側や介護職員だけの都合になってしまうと、家族の不信感やクレームに繋がる場合があるので、事前に家族とラインを取り決めておくことが重要です。

中には、些細なことでも連絡や報告が欲しい家族もいるからです。

例えば、

  • 病院受診に繋がらない転倒などの事故は報告不要(面会時に生活の様子として報告)
  • 病院受診に繋がらない場合は週に1回まとめて連絡や報告をする

などです。

この取り決めは、カンファレンスなどで議題にあげてもいいでしょうし、それなりの人がそれなりのタイミングで家族へ伝えるのもいいでしょう。

つまり、「事業所全体で検討していくこと」が大切なのです。

 

解決策や改善策も事業所全体で検討

転倒などのインシデントやアクシデントが頻発する場合、多くの場合は第一発見者となる介護職員に負担も責任ものしかかってきます。

リスク報告書の改善策にも、

  • 見守り強化
  • 可能な限り付き添いを行う

などと書くことになりますが、現実問題、そう簡単にはいきません。

改善策を職員間で共有していたとしても、人員不足の状態では「対応不可能な改善策になるから」です。

対応不可能な改善策を書くことは、「良くないこと」ではありますが、「人員不足のため」「人員不足を解消して転倒を防止する」とは書けないために四面楚歌状態なのが現場の介護職員なのです。

リスク報告書に「人員不足が原因」と書けない理由については、下記記事をチェックしてみて下さい。

リスク報告書の改善策に「人員不足が原因」「人員確保」と書けない理由とは?

では、具体的にどうすればいいのでしょうか。

この場合、「事業所全体で検討していくことが重要」です。

例えば、

  • 手の空いている職員(上司や他職種含む)が見守りや付き添いを行う
  • 介護職員が見守りや付き添いをできない場合のヘルプを出せるような環境づくりをする
  • 状況に応じて総合的に判断して、薬の調整や退所なども検討する

などになります。

介護現場で介護職員だけが負担と責任を被って対応する場合と比べて、大幅に解決や改善する可能性が高くなります。

解決や改善がしやすくなれば、介護職員だけでなく事業所や利用者本人や家族にとっても得策でしょう。

ですから、転倒などのインシデントやアクシデント事故が多い利用者の対応は、事業所全体で検討していくことが非常に重要なのです。

 

 

 

最後に

 

今回は、転倒などのインシデントやアクシデント事故などが多い利用者の対応は事業所全体で検討していくことが重要であり、その具体例について記事を書きました。

まとめとしては、

  • 介護職員や介護現場に押し付けない
  • 入所時や入所前に家族に説明をして了承を得る
  • 適宜、利用者の状態を家族へ説明し情報のアップデートを行う
  • 家族への連絡や報告の頻度やラインを取り決める
  • 転倒などの解決策や改善策も事業所全体で検討していく

ということになります。

介護職員や介護現場にばかり負担と責任を押しつけていると何も解決しないどころか、益々悪循環に陥ってしまうことになります。

介護職員や介護現場に何もかも押し付けてしまっているために、転倒などが頻発する利用者の対応に苦慮している介護事業所のご参考になれば幸いです。

 

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