リアル介護現場の実情

介護施設での夜勤中に地震が発生した場合の対応方法は?基準はある?

投稿日:2020年5月5日 更新日:

 

介護事業所では定期的に防災訓練が行われているかと思います。

しかし、その訓練の多くは「火災を想定したもの」で「地震を想定したものは殆どない」のではないでしょうか。

火災にせよ地震にせよ、もしも大規模な災害が発生した場合、「ワンオペ夜勤では利用者全員を避難させることはほぼ不可能ではないか」ということを過去記事で書きました(下記記事参照)。

介護施設の避難訓練の実情「ワンオペ夜勤では全員を避難させられない可能性がある」

しかし、今のところ火災の発生は無いものの、地震は被害がでない程度の規模のものは何度か発生しています。

日中でも夜間でも地震が発生した場合の対応は同じでしょうが、大きく違うのは「職員の数」です。

夜間の場合は日中に比べて職員の数がとても少ないため、避難をしなければならないくらいの規模の地震が発生したら成す術がないのではないかと思っています。

また、すぐに収まる地震は何度も経験していますが、その際の対応は「基準がほぼない」と言っても過言ではありません。

今回は、介護施設の夜勤中に地震が発生した場合の対応方法や基準について記事を書きたいと思います。

 

 

 

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介護施設の夜勤中に地震が発生した場合の対応方法

 

 

幸いなことに、避難をしなければならない規模の地震は今のところ発生していません。

ですから、ここでご紹介する対応方法は「避難が不要ですぐに収まる地震について」です。

そもそも、立っていることさえ困難な規模の地震が発生した場合、どう考えても利用者全員を避難させることは難しいでしょう。

ですから、その場合は「揺れが収まってから安全確認と安全確保及び避難誘導を行う」ことになろうかと思います。

つまり、「事後対応」なのです。

それは、避難が不要の場合の地震が発生した場合の対応方法にも共通する部分があります。

以下で、夜勤中に地震が発生した場合の対応方法と基準について詳しく見ていきたいと思います。

※尚、記事中の内容は個人的な経験に基づくもので、全ての介護施設に当てはまるわけではありません。

 

対応方法①:安全確認、様子確認

地震発生後は、全利用者の安全確認及び様子確認を行います。

チェックするポイントは、「お変わりないか」ということです。

例えば、地震の揺れによって

  • 目覚めてしまっていないか
  • 驚いたり気が動転していないか
  • 転倒や転落などをしていないか
  • 居室内の物が落下したり倒れていないか
  • その他予期せぬことが発生していないか

などを確認し、何か変化があった場合は対応をします。

 

対応方法②:記録に残す

全利用者の安全確認や様子確認が終われば、その内容を記録(介護記録、生活記録、ケース記録などと呼ばれるもの)に残します。

内容としては、

地震発生のため様子確認を行う。特変なし。

という簡潔な内容で良いかと思います。

何か変化があったり対応をした場合は、その旨を記録に残します。

内容としては、例えば、

地震発生のため様子確認を行う。ベッド上で長座位になっていた。

声掛けをすると「地震の揺れで目が覚めた」と言われる。

揺れは収まったことを伝えると「良かった、安心した。寝るわ」と言って休まれる。

という感じになります。

これを全員分記入、又はパソコン入力をしていきます。

 

対応方法③:変化があった利用者は気にしておく

様子確認をして記録を残せば地震後の対応はほぼ終了ですが、様子確認をした際にいつもと違っていたり、何か変化があった利用者は特に気にしておきます。

というのも、様子確認をした後に更に何か行動を起こしていたり、思いもよらない事態に発展する可能性があるからです。

これは私の場合ですが、地震後の様子確認時に何か変化があった利用者は、その後しばらくしたら(15分~30分後くらい)再度様子確認をしています。

もちろん、入眠されている可能性もあるので出来るだけコソっと確認をします。

何も無ければそれでいいですし、何か更なる変化があった場合は対応をするようにしています。

介護施設はあくまで生活の場ですので、そこまでの頻度で訪室する必要はないのでしょうが、事故などを発生させないようにすることは「利用者の安全確保のため」でもあり「自分を守るため」でもあったりします。

介護現場で転倒や転落事故の発生がゼロにならない最大の原因

 

地震発生時の対応の基準はある?

地震が発生した場合の対応方法をご紹介してきましたが、その基準やマニュアルはあるのでしょうか。

結論から言えば、「基準はあってないようなもの」です。

基準があるとすれば、「利用者の安全確認を行う」「安全確認をした結果を記録に残す」という点でしょうか。

あとは、「状況に応じて常識の範囲で臨機応変に」「夜勤リーダーに指示を仰いで対応」ということになります。

しかし、前述してきたような対応方法でも、「どれくらいの規模の地震であればそうするのか」ということも不明確なのが現状です。

例えば、地震があっても規模によって「揺れに気づく職員」と「揺れに気づかない職員」がいます。

もちろん、個人の感度の問題もありますが、その時に何をしているかでも違ってきたりします。

必死で水様便のオムツ交換をしていれば、震度3の地震でも気づかないことはあり得ることでしょう。

震度1でも対応していくことになれば、地域や状況によっては一晩で数十回の対応が必要になることもあるためナンセンスです。

ですから、「どれくらいの規模以上の地震であれば対応が必要なのか」という基準はあってないようなものなので、夜勤リーダーの判断に委ねられることになります。

「それならば、震度3以上であれば対応が必要ということにしよう」と基準を決めた場合でも、地震速報の確認が必要になってきますし、指示を出す夜勤リーダーが震度3の揺れに気づかない場合もあり得ます。

そうなれば、出勤している夜勤者同士で声を掛け合っていく連携も必要になってきます。

ただ、本来の目的は「震度〇以上であれば対応を行う」ということではなく「地震が発生した場合の利用者の安全確保」であることに鑑みれば、単一に基準を設けてしまうことも適切ではないような気もしますし、そもそも大震災並みの大規模な地震が発生した場合に、介護施設に勤務する夜勤者としてどうすればいいのかわからない自分が居たりします。

マニュアルはないのですが今わかっているのは、「まずは自分の安全確保」→「揺れが収まったら利用者の安全確認と対応」ということです。

つまり、地震が発生した場合は「利用者の対応は事後になる」のではないでしょうか。

介護施設の「日勤リーダー」「夜勤リーダー」という当番制の謎

 

 

 

最後に

 

今回は、介護施設の夜勤中に地震が発生した場合の対応方法や基準について記事を書きました。

これは事業所内の問題ですが、地震発生時のマニュアルや取り決めも必要なような気がしています。

ただ、火災とは異なり地震の場合の対応は「事後」になってしまうのではないでしょうか。

 

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