介護の経験者ならともかく、介護の世界が全く初めてで介護の仕事が未経験で飛び込む人も多いことでしょう(というか最初は誰でも未経験から始めることでしょう)。
ただ、介護の仕事が人生で初めての仕事である場合は「社会人ってこういうものなんだな」と思ってしまいがちですが、他業界から来た人にとっては「摩訶不思議」「異様な世界」に感じてしまうことも多いのではないでしょうか。
そう言う私も他業種から介護業界に飛び込んだため、新人の頃は理不尽さや摩訶不思議さに思い悩んだこともありました。
今回は、体験談も踏まえた上で新人介護職が言われがちな理不尽なことや呼ばれ方3選をご紹介したいと思います。
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新人介護職が言われがちな理不尽なことや呼ばれ方3選
「介護の常識は世間の非常識」とまで揶揄されることがある介護業界ですが、無資格未経験で飛び込んだ際に面食らってしまった理不尽なことや呼ばれ方を3つご紹介していきます。
①「新人の兄ちゃん」
まず最初に呼ばれ方です。
さすがに同じユニットの同僚には名前で呼ばれていましたが、他ユニットの職員や他職種や他職種の上司などからは名前を呼ばれることがなく「新人の兄ちゃん」と呼ばれていました。
要は、まだ名前を覚えてもらっていない状態なのですが、自己紹介をしようとも個人名で呼ばれることが半年間はありませんでした。
つまり、「新人の兄ちゃん」と呼ぶ人達は「名前を知らないのではなく個人名で呼ぶ気がない」のです。
その理由を考えてみると、
- 新人はすぐに辞めていくので名前を呼ぶに至らない
- 個人や固有名詞よりも新人という括りで見ている
ということになろうかと思われます。
確かに名前を覚えるより先にバックレたり退職していく新人も多数いましたし、「所詮、新人は新人」という概念で括ってしまっている風潮があったのも事実です。
私が個人名を他職種などから呼んでもらえるようになったのは、入職してから半年(厳密には5か月)ほど経ってからです。
悲しい現実ですが、その時は「嗚呼、やっと一人の介護職として認めてもらった」という気持ちになってしまったもの事実です。
ムラ社会のバカバカしい理不尽な話ですが、経験上、本当のことなので最初にご紹介しておきます。
②「午後も入浴介助できる?」
このセリフはつまり、「午前中も入浴介助をしてもらったけど午後からも入浴介助できる?」という意味になります。
簡単に言うと「1日中入浴介助してくれる?」ということです。
新人であるが故にこういうことがよくありました。
何故なら、
- 新人だから業務(入浴介助)を覚えてもらうためという大義名分
- 新人だから断りにくい状況
があるためです。
今の自分であれば、平然とお断りしたり他の対処法を提案したりできますが、右も左もわからない新人であるが故に甘んじて受け入れるしかなかったのが当時の状況です。
毎日のように朝から夕方まで入浴介助をしているとフラフラになります。
こんな理不尽な仕事の押しつけは、一種のいじめとも言えます。
③「いつでも聞いて」→「いちいち聞いてこないで」→「何で聞いてこないの」
最初は「いつでも聞いてきて」と優しい言葉を掛けられ、お言葉に甘えて聞きに行くと「いちいち聞いてこないで!」と怒られたので、自分なりに右往左往しながらやったところ上手くいかず、最終的に「何で聞いてこないの!」と言われてしまう理不尽さには閉口しました。
そもそも、「聞いてもいいのかいけないのか」が不明であり、要は「上司の機嫌を伺いながら」というのがその答えだったのです。
新人ながら「介護業界は情緒不安定な人が多いなぁ」と感じてしまった所以でもあります(あくまで個人の感想であり実際は人によります)。
他の業種の仕事では、とにもかくにも「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」という意識を持っていましたが、介護業界に入って学んだことは「ホウレンソウにもタイミングが必要」ということになります。
この理由のひとつは「介護業界がまだまだ女性社会である」という部分も大きいように感じています(女性軽視しているつもりはありません)。
そして、最終的に「他人を信用せず自分の頭で考え自分の目でしっかりと確認をすることが重要」ということも学ばせて頂きました。
もっと言えば、理不尽さの中からも学ぶことがあったということも学びのひとつになります(推奨しませんが)。
最後に
今回は、体験談も踏まえた上で新人介護職が言われがちな理不尽なことや呼ばれ方3選をご紹介しました。
自分の体験をもとに、自分は新人に対して同じようなことをしないように心掛けています。
理不尽な職場環境は無くしていく必要があります。
ただでさえ人員不足の介護現場なのに、自ら人材ロスをさせてしまうようでは本末転倒です。
介護職員に「こんちきしょう!」と思わせないような職場環境を創り上げていく必要があるでしょう。