介護施設などの介護事業所へ就職や転職してきてもすぐにバックレてしまう人を何人も見てきました。
「バックレ」とは、無断で辞めてしまったり逃げ出して、二度と会社に来なくなることを指します。
バックレの多くは「短期間で辞めていく」ため、「離職率としてカウントされていない」場合もあるのではないでしょうか。
もし全てを離職率としてカウントしたら、現在公表されている離職率が跳ね上がってしまう可能性があります。
今回は、私が見聞きした「介護事業所に介護職員として就職後にバックレた人たち」について記事を書きたいと思います。
(スポンサーリンク)
介護職員をバックレた人達
どのような人がどのような理由でどのくらいの期間でバックレたのかをご紹介します。
バックレ①:30代女性経験者(2週間)
介護職員の経験者として入職してきた30代の女性ですが、2日目からいきなり休みました。
しかし、この時はちゃんと会社に連絡をした上だったのでまだバックレたわけではありません。
休む理由が「ノロウイルスに罹患したため」ということだったので、本人の体調への配慮と施設内感染にも考慮して数日間休んでもらうことになりました。
そして復帰してまた出勤してきたのですが、復帰して2日目にまた休みました。
この時もちゃんと会社に連絡をしてきたのですが、その理由が「インフルエンザに罹患したため」でした。
時期も冬だったためあり得る話ではありますが、「ノロウイルスとインフルエンザに連続して感染するのは不幸な話」です。
再び約1週間ほど休むことになったのですが、その女性職員とLINEアプリを交換していた別の女性介護職員がこう言いました。
「〇〇さん(休んでいる女性職員)のLINEのタイムラインにドッグランで犬と楽しそうに遊んでいる写真が載っているんです…」
なんと、インフルエンザで家で静養しているはずの30代女性職員が他県のドッグランで犬と遊んでいる姿がLINEのタイムラインに上がっていたのです。
それを知った上司は、静養中の(はずの)女性職員に連絡をして
「お金は会社で持つから復帰する際にインフルエンザの診断書を持ってきて欲しい」
と伝えました。
その後、その女性職員は音信不通となり二度と会社に来ることはありませんでした。
期間にして約2週間でバックレたことになりますが、そのうちの大半を休んでいたため実際に出勤したのは2日ほどです。
結果として、仮病で休んでいたのがスマホアプリでバレてしまったということになりますが、色々複雑な気持ちになりますね。
バックレ②:60代男性未経験者(3日)
最近は働き方改革やシニア人材の活用の観点もありますし、そもそも介護現場が万年人員不足なため60代の未経験者でも雇い入れる介護事業所は少なくありません。
60代で介護未経験無資格で入職してきた男性職員は、当初から「持病に腰痛と糖尿病があるのであまり激しい業務はできない」と言っていました。
かと言って、書類仕事やパソコン業務ができるわけでもありませんでした。
となると、出来るのは「利用者の傾聴」や「シーツ交換」などの介護補助員のような業務に限られてきます。
しかし、3日目にして腰痛の悪化を理由に休むことになりました。
腰に負担の掛かる業務は殆どしていないのですが、まぁ確かにシーツ交換でも腰に負担が掛かったりします。
腰痛が軽快したら復帰してくれるものだと思っていたら、そのまま音信不通となりバックレてしまいました。
在籍した期間は3日間です。
還暦を超えたいい大人が音信不通でバックレるとは考えにくいかもしれませんが、こういった常識やマナーというのは年齢の多少よりも、そもそもの人間性による部分が大きいのではないかと思っています。
バックレ③:20代男性未経験者(半日)
介護現場では若手が喉から手が出るほど欲しいものです。
介護未経験で無資格ですが20代男性が入職してきた時は、皆が「大事に育てよう」と思ったことでしょう。
入社初日に朝礼で紹介され挨拶を済ませて業務につきました。
半日が終わり、上司が1時間の休憩を取るように伝えたのですが、その20代男性職員はそのまま二度と帰ってくることはありませんでした。
本来、休憩中に無断で事業所内から出ることは許されていませんが(それも問題だとは思いますが様々な理由があるのも理解はできます)、その20代男性職員は休憩を指示されたあとにその足で家に帰ってしまったのでしょう。
その後も音信不通となり、最短の半日でバックレたことになります。
バックレた理由はわかりませんが、色々思うところがあったのかもしれません。
しかし、社会人として考えると一言あっても良かったのではないでしょうか。
バックレの共通点と特徴
バックレの共通点と特徴は大きく分けて3つです。
- 短期間
- 音信不通
- 人間性に問題がある
となります。
特徴①「短期間」
バックレが発生するのは「入職してから短期間の間」です。
長期間(数年)勤めていた人が急に来なくなった場合、それは「事件か事故に巻き込まれた可能性」を疑ってしまいますし、頻度も相当少ない印象です。
ですから、バックレの特徴の1つ目は「短期間」ということになります。
特徴②「音信不通」
無断で辞めたり逃げ出すのが「バックレ」ですから、基本的にそのまま音信不通になります。
「バックレたのにその後も事業所と連絡を取り合っている」というのはあまりないケースでしょう。
ですから、バックレの特徴の2つ目は「音信不通」ということになります。
特徴③「人間性に問題がある」
社会人としての常識やマナーを持っていればなかなかバックレなどできません。
せめて一言なり言ってから辞めます。
それが出来ない、若しくはすることが出来ないという時点で「少々人間性に問題がある」と言えます。
もちろん、「ちゃんと辞意を伝えたのになかなか辞めさせてくれない」ということがあれば、それは「事業所の問題」です。
その場合は「バックレもあり」だと思っています。
ですから、バックレの特徴の3つ目は「人間性に問題がある」ということになります。
最後に
今回は、介護事業所に介護職員として就職後にバックレた人たちについて記事を書きました。
最長は2週間で最短は半日でした(他にもありますが割愛しました)。
退職すること自体は自由ですし何ら悪いことではないと思っていますが、バックレてしまうのは「ちょっと…問題あり」ではないでしょうか。
入職するに際して事業所側には意外と大きな経費や手間が掛かっています。
それは自分に対して発生したものなのですから、せめてその部分を最小限に抑えられるような配慮は必要かと思います。
とは言え、バックレが多発する介護事業所にも何らかの問題がある可能性も否定できません(採用基準や待遇や職場環境等)。
「劣悪な介護事業所ほどバックレる職員が多い」ということも念頭に置いておく必要があります。