前回の記事で、介護リーダーやユニットリーダーなどの中間管理職が続々と辞めていく理由について記事を書きました。
現状で、介護現場の「リーダー」というポストには様々な問題があるわけですが、その中で
「介護リーダー(ユニットリーダー)の打診をされたが辞退したい」
「最善の辞退の仕方や断り方を教えて欲しい」
というご質問を承りましたので、今回は「介護リーダーやユニットリーダーの打診を辞退するための断り方」について記事を書きたいと思います。
介護リーダーやユニットリーダーを辞退するための断り方
では早速、介護リーダーやユニットリーダーの打診をされた際の断り方についてご紹介していきたいと思います。
但し、結論から申し上げますと「効果的な断り方はほぼ無い」という悲しい現実があります。
以下に詳しく解説していきたいと思います。
断り方①「話し合いで辞退する」
一番建設的でオーソドックスな断り方が「上司等との話し合いで辞退する」という方法です。
しかし、いくら「辞退したい」と懇願しても「無理」「辞退できない」「法人としての人事決定は業務命令」などと言われてしまえば水掛け論にさえならず「半強制的に」リーダーをすることになってしまいます。
ですから、「辞退する理由づけ」が非常に重要になってきます。
辞退する理由に正当性があり理に適ったものであるならば、可能性は低いながら辞退できる可能性があります。
辞退理由①「家庭の都合」
家庭の都合で「のっぴきならない事情」がある時は辞退することも可能になります。
但し、一人暮らしの独身職員などはそもそも家庭がないためにこの理由が通用しません。
また、本当に家庭の都合があったとしても
「それでもいいから」
「こっちも全力でフォローするから」
「それを承知の上でお願い」
と言われてしまえばぐうの音も出なくなってしまいます。
言い負けてリーダーをやってみればフォロー体制などなく、全部丸投げ状態の現実に後悔することになるパターンです。
辞退理由②「健康上の都合」
自分の健康状態を理由として辞退する方法です。
「持病がある等でリーダーとしてやっていく自信がない」
という理由づけですが、持病がなければ使えませんし、持病があっても結局は前述した「家庭の都合」の時と同じ流れとなり同じ結果になってしまうことでしょう。
断り方②「辞める辞める詐欺で駆け引きをする」
建設的な話し合いでは辞退することができない場合、自分の進退をかけてリーダーを辞退する方法です。
つまり「辞める辞める詐欺で駆け引きをする」わけですが、問題なのは「辞めたいとは思っていなかったのにリーダーになるくらいなら辞める」という状態になることです。
どこの世界に「出世するくらいなら辞めてやる」と言う業界があるでしょうか。
その時点で、介護リーダーやユニットリーダーというポストや介護業界の不健全さを物語っています。
この場合の駆け引きのメリットは「リーダーにならないこと」であり、「今まで通りのまま」ということになります。
つまり、「何も得をしない」ことがメリットということになり、不毛な話し合いをする手間が増えるために、ある意味デメリットとも言えます。
他にもデメリットとして、「本当に辞めることになってしまう」「結局は言い負かされてしまうこともある」ということがあります。
辞める気などなかったのに本当に辞めることになってしまえば、転職先を探さなければなりません。
また、「リーダーをやってみて無理そうならまた考えよう」「完璧なフォローをするからやるだけやってみて」などという口車に乗ってしまえばリーダーをすることになります。
「ハイリスクノーリターン」な方法なので効果的とは言えませんが、辞退できる可能性は低いながらもゼロではないでしょう。
断り方③「泣き叫ぶ」
この方法はあまりお勧めしませんが、自然と感情が溢れ出し結果的に「泣き叫ぶ」ことになってしまう人もいます。
社会人が働く職場という空間で、従業員が泣き叫ぶような事態になることなど想像ができないかもしれませんが、介護現場ではあり得る話です。
何故なら、介護現場ではそれだけ人間の心をえぐるようなことが発生するからです。
しかし、いくら「あり得る話」だと言っても、目の前で職員が取り乱し泣き叫んでいれば周りも唖然として引きますし困ります。
つまり、
- 泣き叫ぶことで辞退を強烈にアピールする
- 困らせることで辞退を承認させる
- 取り乱すような人物はリーダーに不向きだと思わせる
という効果があります。
あまりお勧めはしないものの、一番効果的であったりします。
しかし、仮に辞退ができたとしても、取り乱した姿を晒した自分の人格を疑われながら働くことになりますし、噂好きの職員がいればすぐに職場中や地域中にその話が広まることでしょう。
人格に対して否定的なレッテルを貼られることになってしまうことはデメリットと言えます。
この場合は効果的であったとしてもやはり「ハイリスクノーリターン」ですし、先のことを考えると働きにくくなってしまう可能性もあります。
最後に
今回は、介護リーダーやユニットリーダーの打診を辞退する断り方について記事を書きました。
一度目をつけられてしまうと、効果的な辞退の方法や断り方はほぼ無いのが現状です。
ですから、本当に考えなくてはならないのは「辞退したいと思わせないようなポスト(役職)に昇華させたりフォロー体制を確立していく」ということです。
それを抜きにして「あみだくじ」や「ロシアンルーレット」のような打診や決め方をしなければならない現状では、今日も全国の介護施設から泣き叫ぶ声や断末魔の叫びが漏れ聞こえてくることでしょう。
コメント
介護職になって2年目の終わり位にリーダーへの打診がありました
他にやりたい事がありましてお断りすると、テンプレ通りの慰留がございました
結局
「どうしてもリーダー職を強要するなら次の勤務から出勤しない」
と強行突破を試み、結果的にその場はしのげました
ただ、その直後位に介護福祉士の試験に合格してしまいまして、ただ、その頃には仕事自体に対する熱もすっかり醒めてまして、介護福祉士登録証を職場に提出した直後に退職を申し出ました
もちろんテンプレ通りのアレコレございましたが、退職理由は非常に簡潔に伝えました
「やる気がなくなりました」
物事を断るには一番の方法だと思います
もちろん、お薦めは致しません
>失業中のswさん
コメントありがとうございます^^
本当に退職をする決意があれば何とでも言えますね。
「会社は辞めたくないけどリーダーは断りたい」というパターンが一番悩ましいのかもしれません。