特養などの介護施設で朝礼がダラダラと長く、平均して15分前後も掛かってしまう場合があります。
朝礼だけで15分も時間が取られるなんて、人員不足の介護現場では考えられません。
何故なら、朝礼の間、少なくとも各ユニット(又はフロア)の介護職員が1人以上は現場に立たず朝礼に参加しているからです。
その間、介護現場を守っているのは「夜勤明けの介護職員だけ」ということも往々にしてあり得ます。
夜勤明けの職員は朝礼が終わらなければ、現場に介護職員が居ない状態(又はほぼ居ない状態)になってしまうため帰れないのです。
では何故、介護施設の朝礼が15分も掛かってしまうのでしょうか。
効率化をしたり無駄を省いたりできる余地はないのでしょうか。
今回は、誰も得をしない介護施設の朝礼の無駄を省くと10分以上短縮可能であるということについて記事を書きたいと思います。
誰も得をしない無駄の多い介護施設の朝礼
誰も得をしない無駄の多い介護施設の朝礼のモデルケースをご紹介したいと思います。
朝礼時間平均15分の内訳になります。
①法人理念の唱和(3分)
まず無駄の多い介護施設の朝礼にありがちなのが、法人の理念などを全員で唱和することから始まります。
内容としては、「利用者のために身を粉にして働きます」というようなことを福祉の美学を盛り込んで様々な角度から耳触りの良さげな言葉でを朝礼に参加している全員で唱和することになります。
この唱和で大体3分消費します。
②理事長や施設長のスピーチ(1分~)
次に、理事長や施設長などの偉いさんのスピーチが始まります。
短ければ1分程度で終わりますが、勝手にヒートアップしていったり小言が言いたい時は5分も10分も20分も掛かってしまうこともあります。
そうなると朝礼自体が30分コースになってしまう可能性もあります。
③当日の行事などの確認(2分)
次に、当日の行事やイベントなどを確認します。
大きな行事やイベントがなくても、こまごまとした予定や利用者の受診予定などを確認し、誰がどの社用車を使用するなどの擦り合わせも行われます。
平均2分程度消費します。
④各ユニット(フロア)の申し送り(5分)
ここでやっと介護職員から各ユニットやフロアの申し送りが始まります。
特記事項やリスク的な出来事だけでなく、「〇〇さん良眠されていました」などということも申し送ります。
何故なら、「特にありません」などと省略すると、「利用者様の生活で何もないはずはないだろう!」「申し送りなのだから何か言うのが常識だろ!」などとお偉いさんから突っ込まれてしまうため、何もなくても何かを申し送ることになるよくわからない状態になります。
全ユニット(又はフロア)の申し送りが終わるのに平均5分前後消費します。
⑤各自の目標発表(3分~4分)
最後に、朝礼に参加している各専門職の職員一人ひとりが順番に「今日の目標」を発表します。
例えば、
「寒暖差が大きくなってきたのでご利用者さまの衣類調整に注意して介護をしたいと思います」
「2階ユニットの栄養管理計画書を完成させたいと思います」
などになります。
1人当たり15秒程度だとして、朝礼に参加している職員が15人前後居れば3分~4分消費します。
【10分以上短縮可能】介護施設の朝礼の無駄を省けば5分以内で終わる
介護施設の朝礼の内訳を前述してきましたが、明らかに効率化したり省略できる部分があるのではないでしょうか。
以下で考えていきたいと思います。
③と④以外無駄
前述してきた朝礼の内訳の中で、③の「当日の行事などの確認」と④の「各ユニット(フロア)の申し送り」以外は完全に不要です。
①の「法人理念の唱和」と②の「理事長や施設長のスピーチ」と⑤の「各自の目標発表」の無駄を省くだけで「8分も省略」できます。
お偉いさんの自己満足や朝礼の体裁を保つためだけのものは、一切合切無駄なのです。
それよりも、早く朝礼を済ませて介護現場に戻り、利用者のケアを再開したり夜勤明けの職員を定時に退勤させてあげることの方が何倍も大切です。
しかし、③と④だけでも7分も掛かってしまうことになります。
この部分ももっと効率化できないのでしょうか。
次で考えていきます。
申し送りは特記事項だけでいい
③の「当日の行事などの確認(2分)」はこれ以上効率化するのは難しいとしても、④の「各ユニット(フロア)の申し送り(5分)」はもっと効率化が可能です。
何もない(平和だった)のに何か言わなければならないスタンスをやめるのです。
特記事項やリスク的なことや特変があった場合に限って申し送りをするようにすれば、現状の所要時間5分が1分~2分に短縮できます。
そもそも、利用者の様子は事細かに「介護記録」に記録しているのですから、本当に知りたいのなら各自が記録を確認すれば良いのです。
それをわざわざ朝礼の場で、「〇〇さんがとても良い笑顔で~」「△△さんがお花に水をやりながら~」という申し送りは非効率的です。
ですから、「どうしても言っておかなければならない内容」以外は、省略する方が朝礼時間の短縮になり職員にとっても利用者にとっても得策なのです。
③と省略化した②の合計が3分~4分です。
今まで15分掛かっていた朝礼が5分以内に終われば10分以上短縮できることになります。
たかが10分、されど10分です。
最後に
今回は、誰も得をしない介護施設の朝礼の無駄を省くと5分以内で終わるということについて記事を書きました。
「こんな摩訶不思議な朝礼が存在するのか」と思われた人もいらっしゃるかもしれませんが、社会福祉法人ではあり得る話だったりします。
もしも同じような朝礼をされている介護施設がありましたら、効率化や短縮化を検討してみてはいかがでしょうか。
その方が救われる人が多いのです。
コメント
僕が以前いた老健では朝礼の他に毎週火曜日昼礼ってのがあって月のスローガンを復唱したり各委員会からの連絡などを行っていました。ただでさえ忙しいのに火曜日はたかだか20分弱の昼礼のせいで仕事おせおせで皆ピリピリしてました。で直前ななって事務長出れないから中止になることも多く、ホント時間の無駄でした。こんなのホント必要かなって毎回考えてました。
>かずさん
こんばんは~
コメントありがとうございます^^
昼礼は初めて聞きました><
本当、時間の無駄ですね。
私のデイは、事務所の机に連絡ノートが置いてあり、勤務前にノートを読んでサインするだけですね。
内容も「〇〇さんが退院して今日から利用再開、薬が変わっているので注意」とか「〇〇さんが自宅で転倒して骨折し入院した」など、重要なことのみです。
どうしても唱和だのスピーチだのしたけりゃすればいいですけど、その間夜勤の人が30分残ってるならその30分を残業として認めないとダメですね。
>デイちゃんさん
こんばんは~
コメントありがとうございます^^
そうなんですね、それはいいですね~
残業代はつきますが、朝礼の内容(というか上司や経営者の機嫌)で超勤になるかならないかが分かれるシステムは嫌ですね><
ショートだから、かなり申し送りは多いですよね?利用者が入ったり出たり、状態がどうとか、特にご新規だと注意事項とか。
で、口で伝えると、時間もかかるし、伝え漏らしたり、カン違いで間違って伝わったりするから、連絡ノートに書いて見てもらった方がいいのかな?と思います。
ノートに書いてれば「〇〇って言ったよね?」「いや聞いてません」とかならないので。
今コロナのリスクがあるので、「しゃべるのはリスクがあるので、伝達事項は極力ノートに書いて伝えませんか?」とか、今の状況を利用して、唱和やスピーチをなくしたいですね。ww
>デイちゃんさん
返信ありがとうございます^^
おっしゃる通りですね。
確かに今は状況が状況ですからね。
記事の内容はあくまでそういう法人もあるというモデルケースとして書かせて頂いています(笑)