介護職員に虐待防止研修が必要な理由

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介護職員には虐待防止研修が必要だと思っています。

厳密に言えば「養介護事業又は養介護施設で働く従事者全て」に必要です。

ただ、やはり一番利用者に接する機会が多く現場の最前線で働いている介護職員は特に必要性を感じています。

その理由は、「最近、介護職員による虐待事件が続発しているから」ということもありますが、常識で考えれば介護職員であろうと誰であろうと「虐待をしてはいけない」ということは重々承知していることです。

ですから、ただそれだけの理由ではなく「どういう法律や法令条例及びガイドラインがあるのか」「介護職員としてどういう責務を負っているのか」をハッキリ知っておくことで、ひいては「自分を守ること」にも繋がるからです。

また、それらを理解した上で改めて問題点が浮き彫りになってくれば建設的な考え方ができます。

理解もせずに「職場環境が悪いから虐待が起こるんだ」などと十把一絡げにしてしまうことは片手落ちですし、ただの責任転嫁のわがままになってしまうため建設的とは言えません。

今回は、「介護職員に虐待防止研修が必要な理由」について記事を書きたいと思います。

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虐待防止研修が必要な理由

虐待防止研修は「虐待を減らしていく(無くしていく)」という目的だけではなく、「正しい情報によって正しい知識を身につける」という目的もあります。

また、介護従事者である介護職員は当然に知っておく必要がある情報や知識であるため、「自分を守ること」にも繋がります。

その理由を解説していきたいと思います。

理由①「再確認をして理解を深める」

「虐待をしてはいけない」ということは誰でもわかっていることです。

しかし、「どういう行為が虐待に該当するのか」ということは知っているようで熟知はできていない場合が多いのではないでしょうか。

「叩く」「殴る」「つねる」「暴言を吐く」などは誰がどう見ても明らかに虐待に該当します。

しかし、虐待防止研修では根拠をもって、もっと厳密に具体的に学習することができます。

基本的に「高齢者虐待防止法」に基づいており、「第2条第5項」において虐待の定義は以下のように規定されています。

イ 高齢者の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。

ロ 高齢者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置その他の高齢者を養護すべき職務上の義務を著しく怠ること。

ハ 高齢者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の高齢者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

ニ 高齢者にわいせつな行為をすること又は高齢者をしてわいせつな行為をさせること。

ホ 高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること。

【引用元】高齢者虐待防止法(第2条第5項)

「イ=身体的虐待」

「ロ=介護・世話の放棄・放任(ネグレクト)」

「ハ=心理的虐待」

「ニ=性的虐待」

「ホ=経済的虐待」

となっています。

例えば具体的な事案で言うと、「ナースコールを手の届かないところに置く又は使用させないようにする」という行為は、「必要な用具の使用を制限し、高齢者の要望や行動を制限する行為」となり「ネグレクト」という虐待に該当します(参考資料:社団法人日本社会福祉士会「市町村・都道府県のための養介護施設従事者等による高齢者虐待対応の手引き」)。

こういうような「わかっているようなわかっていないようなあやふやな知識」を根拠をもって再認識していくことは大変有効であり、「虐待だと知らずにやってしまっていた」ということにならないためにも、介護職員に虐待防止研修は必要です。

また、自分が知らぬ間に虐待者になってしまわないように知識を持っておくことは、利用者だけでなく「自分を守ること」にも繋がるのです。

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理由②「通報義務の周知」

「虐待をしてはいけないことは誰でもわかっている」「自分は虐待なんかしない」と思っていても、自分が虐待などをしない前提だけでなく介護職員として働いている以上「虐待を発見したら通報する義務」があります。

「どういう状況であれば通報するのか」、そもそも「通報はどこにするのか」を周知することも虐待防止研修の目的であり、養介護事業所や養介護施設は職員に対して「虐待発見時の通報義務」があることを周知しなければならないとされています。

高齢者虐待防止法では、以下のように規定されています。

第二十一条 養介護施設従事者等は、当該養介護施設従事者等がその業務に従事している養介護施設又は養介護事業(当該養介護施設の設置者若しくは当該養介護事業を行う者が設置する養介護施設又はこれらの者が行う養介護事業を含む。)において業務に従事する養介護施設従事者等による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した場合は、速やかに、これを市町村に通報しなければならない。

2 前項に定める場合のほか、養介護施設従事者等による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は、当該高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じている場合は、速やかに、これを市町村に通報しなければならない。

3 前二項に定める場合のほか、養介護施設従事者等による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は、速やかに、これを市町村に通報するよう努めなければならない。

【引用元】高齢者虐待防止法

第21条第1項~第3項の規定ですが、違いがおわかりでしょうか。

第1項は、自分が勤務している介護事業所で、介護従事者による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見したのが自分(介護従事者)の場合は「通報義務」があると規定されています。

第2項は、第1項以外の発見者の場合(例えば近隣住民や面会者等)は、「生命又は身体に重大な危険が生じている場合は通報義務」があると規定されています。

第3項は、第1項と第2項以外の場合は「通報の努力義務」があると規定されています。

介護職員は養介護従事者に該当するので「第1項」を特に重視しなければなりません。

つまり、自分の勤務している事業所で他の職員が虐待をしている現場(又は虐待を受けていると思われる高齢者)を発見した場合は、「生命や身体に重大な危険が生じていなくても、速やかに必ず通報しなければならない(義務)」ということになります。

そして、通報先は「市町村」と規定されています。

虐待防止研修においては、通報先となる市町村の担当課等の連絡先も介護職員は周知しておく必要があります。

また、市町村が休日であったり時間外で通報できない場合の通報先についても明確にし、周知させておくことが大切です。

介護職員として虐待の通報義務が課せられている以上、その根拠と通報先を周知させるための虐待防止研修は利用者のためでもあり「自分の義務を怠ったり失念しないため」でもあります。

最後に

今回は、「介護職員に虐待防止研修が必要な理由」について記事を書きました。

介護職員は現場最前線で働く以上、正しく周知しておかなければならない情報や知識を再確認したり、自らに課せられた義務を怠らないためにも虐待防止研修は必要なものになります。

「研修が勤務時間外で行われるからつらい」「研修を受けても手当がつかない」などの問題もありますが、それは事業所の職場環境や運営能力の問題であり、だからと言って「虐待防止研修は無意味で不必要」ということに結び付けてしまうことの方が問題です。

また、事業所側も研修をやるだけやって「やった感」だけで満足してしまう状態も問題があります。

介護従事者には「通報義務」があるのですから、発見した場合は速やかに何が何でも通報しなければなりません。

それによって、介護事業所内で常態化していたおかしな状況や隠蔽体質が表面化し露出することになり、一時的に虐待件数が増えることになるかもしれませんが、「その方が健全」だと言えるのではないでしょうか。

自分のためにも、事業所や利用者のためにも、介護職員個々が専門性を磨いたり知識を蓄え、経験を積んでいくことはとても大切なことです。 ...

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