介護の報道

介護施設の人員配置基準見直しの検討内容はまさかの4対1の規制緩和!?埋められぬ現場との溝と温度差

投稿日:2020年2月22日 更新日:

 

来年2021年は3年に一度訪れる介護報酬改定の年です。

介護保険や介護報酬の見直し改定に向けて様々な議論が行われるのが今年2020年になります。

介護関係者としては、どういった改定になるかアンテナを張り注視している人も多いのではないでしょうか。

その議論のひとつとして気になるのが「人員配置基準の見直し」です。

当ブログでも、幾度となく「人員配置基準の見直しは急務である」ということを言ってきましたが、ここで言う「見直し」とは、「ワンオペ夜勤を廃止する(二人体制以上にする)」「ユニットケアを継続していくならもっと人員配置を手厚くする必要がある」ということになります。

しかし、お偉いさん達の議論は全く正反対の「人員配置基準を3対1から4対1に規制緩和していく」「人員配置を薄めていくことが効率化であり2倍のマンパワーを創出するイノベーションだ」などという方向の意見が出ているようです(以前から国は人員配置基準の規制緩和を明言し「夜勤に介護ロボットの導入で加算をつける」などの迷走をしていましたが本格的な話になってきたようです)。

詳しくは、下記の介護のニュースサイトJOINTの報道をご参照下さい。

介護施設の人員配置、4対1を求める声も 現場革新で基準見直し検討 政府(リンク先:介護のニュースサイトJOINT)

介護現場の声としては「人員配置基準をもっと手厚くして欲しい」というものが多いのに対して、政府の考えとしては手厚くするどころか「もっと人員配置を減らしていきたい」というものになってしまうのは、やはり両者の間には埋められぬ溝と温度差があることがハッキリとわかります。

もちろん、まだ検討段階ですから決定したわけではありませんが、スタート時点からこれだけの温度差を感じると「先が思いやられる」という気持ちになってしまいます。

以下で詳しく考察していきたいと思います。

「介護職員はこうあるべき」と語る介護職員以外の人は温度差を埋める努力が必要

 

 

 

(スポンサーリンク)


人員配置基準の規制緩和!?埋められぬ現場との溝と温度差

 

 

そもそも、介護現場には出て来ない人達が現場のことを決める時点で温度差が発生してしまうのは当然のことと言えます。

ですから、統計や数字やモデルケースなどの資料や職能団体や有識者などの意見を参照して可能な限り現場に沿うようにはされているかとは思いますが、実際に現場で働いている介護職員の声が届かない現状は悲しい限りです。

 

人員配置基準を緩和のメリットとデメリット

現状の介護施設の人員配置基準「利用者:介護職員等」を「3人:1人」から「4人:1人」に緩和することのメリットとデメリットを確認していきたいと思います。

 

メリット

  • 人員不足が人員不足ではなくなる(足りないのが普通のことになり基準違反になりにくい)
  • 介護職員に支払う人件費を抑えることができる(より儲かる)
  • 現状より2倍のマンパワーを創出できる

 

デメリット

  • ケアの質が落ち量も減る
  • 介護職員1人当たりの業務負担が増える
  • 介護職員のストレスが増える

 

 

デメリットを補う謎理論

人員配置基準を緩和することのメリットとデメリットを見てみると、「国や事業所にはメリットが多く、現場職員や利用者にはデメリットが多い」ということがわかるかと思います。

このデメリットの部分をどういう理論で補完させようとしているかと言うと、

  • 資料では現状の介護施設の人員配置の平均は概ね2人:1人になっている
  • センサーなどのテクノロジーを使って2.8人:1人を実現している例もある

という内容になります。

 

介護施設の人員配置の平均は概ね2人:1人になっている?

半数の介護施設が「利用者:介護職員」の比率が「2人:1人」になっているとのことですが、都合の良い部分だけを切り取ったデータではないことを願いたいと思います(参考:全世代型社会保障検討会議(第6回)配布資料(リンク先:首相官邸ホームページ))。

都合の良い部分を切り取った資料ではないとしても、「7割以上の特養が人員不足」というデータも見たことがあるのですが、どこでこんな矛盾や不整合が発生してしまったのでしょうか(参考:特養、人手不足が加速 72.9%が「足りない」と回答 3年で1.5倍に増(リンク先:JOINT))。

どちらにしても「平均で2人:1人になっているから4人:1人にして2倍のマンパワーを!」と言ってしまうのはあまりにも現場を無視しすぎでしょう。

そのしわ寄せは誰にいくのかと言えば、介護職員と利用者です。

平たく言えば、「介護職員を今の2倍働かせよう」という時代に逆行した方針です。

そもそも、「4人:1人」の配置基準では労働基準法に違反したシフトになるか、夜間だけでなく日中もワンオペ体制の日が多くなってしまうでしょう。

欠員が1人でも出ればもう現場は回りませんね。

また、百歩譲って2倍の労働力の創出をイノベーションと呼ぶならば、当然給料も2倍にすることがもっと必要なイノベーションではないでしょうか。

労働力は出させるけどその分の給料は出さないということになれば「ただの搾取」です。

今よりも負担やストレスが増えればミスや事故も増え、結果的に利用者にもしわ寄せがいくのです。

全くもっておかしな謎理論にしか聞こえません。

介護の仕事は「やりがいだらけ」の「やりがい搾取」それでは人材が集まらない理由

 

センサーなどのテクノロジーを使って負担軽減?

前述した内容について「介護職員を2倍働かせるのではなくセンサーなどを使って負担を軽減させるのだ」という理論展開かと思われます。

しかし、センサーで本当に介護職員の負担が軽減するのでしょうか。

一部の成功例だけを切り取ったものを根拠にしてしまうのはあまりにも乱暴です。

百歩譲って、センサーなどで負担が軽減するのだとしても人員配置を緩和する理由にはなりません。

何故なら、テクノロジーで負担が軽減したとしても人員が減れば結局負担は変わらないどころか増えてしまうことはあり得る話です。

また、最終的に介護職員が対応をしなければならないのだとすれば負担が軽減するとは言い難い部分があるのではないでしょうか。

「夜勤に介護ロボット導入加算」の真実→「センサー対応で余計に労力が掛かる結果に」

 

 

 

最後に

 

今回は、介護施設の人員配置基準の見直しが規制緩和の方向に動いているということについて記事を書きました。

ニュース記事を読む限り、今後エビデンスを検証し前向きに検討されていくようです。

人員配置基準が規制緩和されれば、人員配置基準違反となる事業所も少なくなるでしょうし経営難で倒産する介護施設も減っていくのかもしれませんが、現場との間で埋められぬ溝と温度差がある限りは新たな破綻の温床を創出しているに過ぎません。

まずは、現場で実際に介護をしたことがない役人や有識者の方々が現場を体験してみるというイノベーションを検討されてみてはいかがでしょうか。

介護施設の人員配置基準を緩和しないと人材確保が困難?規制緩和で益々人材不足になる懸念

 

アドセンス

(スポンサーリンク)


アドセンス

(スポンサーリンク)


ランキングバナー

最後まで読んで頂きありがとうございました!

ブログランキングに参加しています。
記事が「まぁ良かったんじゃない?」「また読みに来てあげてもいいよ」と思って頂けましたら是非、応援&シェアを宜しくお願いします^^

記事更新のモチベーションが上がります。

にほんブログ村 介護ブログ 介護職へ
にほんブログ村


介護職員ランキング

楽天ウェジェット

【PR】


かいご畑アフィリ




【働きながら無料で資格取得できる制度のご紹介】



★介護職員初任者研修
★介護職員実務者研修
★介護福祉士国家資格受験対策講座(短期集中講座)

などの講座を「働きながら」「無料」で受講することができるのが「キャリアアップ応援制度」です。

【こんな人におすすめ!】

★介護のお仕事が初めての方
★無資格で働きながら、資格取得をしたい方
★ブランクがあり、介護の仕事復帰を考えている方
★すでに介護職として就業していて転職したいと考えている方
★経験や資格があり、好条件で転職をしたい方
★30秒で登録してすぐに利用開始したい方

>>>働きながら無料で資格取得できる「かいご畑」はこちら



おすすめ記事5選

1

  どの業界にも、大なり小なり「新人いじめ」「新人いびり」が存在するかとは思いますが、介護業界は特にそういった「新人へのつらい仕打ち」が深刻化しています。 人材不足が深刻な業界なのに、何故、 ...

2

  前回の記事で、「言いたいことが言えない介護職員の5つの特徴と原因」についてご紹介しましたが、今回はその続きで「改善方法や解決方法」についてご紹介したいと思います。 解決方法は大きく分けて ...

3

  今まで何度か発信してきていますが、給料(収入)は年収で考えることが重要です。 例えば、 「特定処遇改善加算手当で月2万円アップしました!」 「月給30万円の求人募集があります!」 という ...

4

  介護業界で働く多くの人は「介護保険制度下の事業所」だと思います。 介護保険制度下では、財源が乏しく、現状で「最低の待遇で最高のサービスを求められる異常な実情」については下記記事で書きまし ...

5

  以前、自分の職業を聞かれた時に「介護士です」と言いたくない理由について記事を書きました。 【1分で読める】職業を聞かれた時に「介護士です」と言いたくない理由「恥ずかしいから?」 これには ...

-介護の報道
-, , ,

Copyright© 介護職員Aのひとりごと , 2020 All Rights Reserved Powered by STINGER.