ネット上の情報やTwitterなどの発信を眺めておりますと、
「介護職員はこうあるべきだ」
「利用者にこう接するべきだ」
「そうすれば介護職の専門性も上がるはずだ」
などと声高な意見が散見されています。
確かに個人の主張を発信するのは自由です。
しかし、「ところでどんな介護職員の意見なんだろう」と思いプロフィールなどを確認してみると、その多くが
- 事業所経営者
- コンサルタント
- ライター
ばかりであることに驚きます。
その殆どが「介護現場を全く知らない、又は、知っていても実際に自分がケアをしているわけではない人ばかり」なのです。
誰であっても、自分の意見は正しいと思っているから色々な意見を発信するわけですが、何故か現場介護職から反感を買ってしまったり賛否両論を呼ぶこともあります。
その場合、両者には「埋め難い溝」があったり「現場と現場外の人との温度差」があるわけです。
そして、この場合に大切にしなければならないのは「現場の声」です。
現場の声を大切にしてこなかった結果が、今の人材不足であったり劣悪な職場環境なのです。
今回は、「介護職員はこうあるべき」と語る介護職員ではない人には温度差を埋める努力が必要、ということについて記事を書きたいと思います。
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介護職員と介護職員以外の人との温度差を埋める
例えば、介護事業所の経営者であれば「介護職員たるもの…」などと講釈を垂れたくなる気持ちもわかります。
何故なら、会社組織の中で言えば介護職員は部下に当たるからです。
しかし、必ずしもその内容が正しいとは限りませんし、そもそも温度差を感じた場合、まずはそれを埋める努力をすることが先決なのではないでしょうか。
不調和は温度差から始まる
誰しも人間ですから完璧な人間はいません。
それは経営者でもコンサルタントでも介護職員であってもです。
お互いがお互いを尊重していれば意見が対立した時でも温度差は発生しづらかったり埋めやすくなるのですが、どちらかが明らかに相手を卑下していたり蔑んでいる場合は温度差が容易に発生し埋めづらくなります。
そして、この温度差から不調和が始まり、職場内であれば理不尽な方針になってしまったり、ネット上であっても介護職員に「こんちきしょう!」という気持ちを抱かせてしまうことになります。
現場介護職員の声を拾い上げる努力が必要
介護職員ではない人や介護現場を知らないような人が介護職員について意見を発信する場合は、特に「温度差」には注意が必要です。
何故なら、実際に介護をするわけではない人が介護について語ることになるからです。
つまり、「実情に沿っていない」「現実が把握できていない」「根拠がない」「ただの押し付けになっている」という場合が往々にしてあるのです。
現場こそが真実です。
そして、その現場で働いている介護職員の声こそが真実であり、この介護職員の声をもっと拾い上げていくことこそが非常に重要なのです。
それが理解できない人にとっては、介護職員の声が愚痴や不平不満にしか見えないことでしょう。
それが長い間続いてきた如何ともしがたい「温度差」なのです。
ですから、「努力をしなければ」介護職員の声を拾い上げることができないのだとすれば、是非努力をしていって欲しいと思います。
現場との温度差を埋める努力の重要性
どちらが正しくてどちらが間違っているかの判断、又は、お互いの意見の擦り合わせや折衷案を模索していくことも大切ですが、もっと大切なことは「この温度差は何故発生してしまったのか」「この温度差はどうやったら埋めることができるのか」を考えていくことです。
大体の場合は、「現場を知らない、又は、実際には業務をしない人の一方的な理想」である場合が多いように感じています。
何故なら、そうでなければ大多数の介護職員から反感を買うはずがないからです。
真実を指していたり正しいと思われる意見や情報発信であれば、誰の意見であろうと多くの介護職員は納得することでしょう。
そこに溝や温度差ができてしまうということは、「原因」があるわけです。
例えば、
- 現場を知らないが故に表面上の軽率な発言だった
- 自分の理想を押し付けたいだけだった
- 格好いいことを言ったら目立つと思った(目立ちたかった)
などです。
そういう人は介護職員がどうこう言う前に、まずは自分をどうにかする必要があります。
そして、その原因に気づけたら温度差を埋めれるように努力したり配慮をしていくことが重要です。
現場介護職員との溝や温度差の原因どころか、温度差が発生していることにさえ気づかない人は「介護職員はこうあるべき」「介護職員の専門性は~」などと語るとあまりにも滑稽に見えてしまいます。
最終的には「それをどうするかが介護職員の腕の見せどころ」などと言った押し付けや責任転嫁をする姿は図々しささえ感じてしまいます。
是非、温度差を埋める腕も見せて欲しいものです。
温度差に気づいているのに敢えてそうしている人は、残念ながら何のメリットもありませんしご自身の価値を下げてしまうことになるので注意が必要です。
そもそも、今までの介護職員に対する風当りと何ら変わるものではなく「退廃的」と言えます。
最後に
今回は、「介護職員はこうあるべき」と語る介護職員ではない人には温度差を埋める努力が必要、ということについて記事を書きました。
こうでもああでもいいのですが、実情に沿った内容でなければ温度差が発生してしまいます。
「介護職員は愚痴や不平不満が多い」と言われることがありますが、それだけ理不尽な方針に踏みつけられたり暴論で頬を叩かれる頻度が高いこともひとつの原因ではないでしょうか。
物事には全て原因があって結果があるのです。