リアル介護現場の実情

この春、介護職員として新スタートを切る新社会人の皆様へ「現役介護職員から贈る言葉」

投稿日:2019年3月15日 更新日:

 

今月いっぱいで2018(平成30)年度が終わり、来月4月から2019年度がスタートします。

新卒で介護業界に入社される予定の皆さま、ご卒業、ご就職おめでとうございます。

介護業界にも様々な形態の事業所があり、多様な職種があります。

その中でも「介護職員という職業」を選択された皆さまへ現役介護職員の先輩として私なりにメッセージを贈ろうと思います。

 

 

 

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入社式や新人研修が無い事業所が多い?

 

世間一般の各産業や業界、事業所では新社会人を迎えるに当たり「入社式」や「新人研修」などが行われます。

スーツに身を包み、同期となる同僚たちと式に参加し研修を受けることで

「社風を感じる」

「晴れやかな気持ちになる」

「身が引き締まる」

「社会人としての自覚が出来る」

「同期との仲間意識が生まれる」

「心構えやマナーが習得出来る」

という新社会人にとっても事業所にとってもメリットがあります。

入社式で身を包んだフレッシュマンスーツも、介護職員として働く場合は翌日からは着ることもなくなります。介護用のユニフォームや制服やジャージなどで勤務することになるからです。

私自身、入社式のような堅苦しい行事は苦手ですが、どちらにしても介護事業所では元々入社式が無い場合があります。

堅苦しい式典や研修が苦手な人にとっては願ったり叶ったりかもしれませんが、その裏にはブラックな体質が潜んでいる可能性があるので注意が必要です。

 

 

 

入社式が無い理由

 

何故、介護事業所には入社式が無い場合が多いのでしょうか。

その理由をご説明したいと思います。

 

理由①「殆どの事業所が中小企業か同族経営」

大手の株式会社や上場企業であれば、組織体系やカリキュラムが確立されているので入社式や新人研修があるかと思います。

しかし、介護業界の事業所の殆どは

  • 社会福祉法人
  • NPO法人
  • 合同会社
  • 合資会社
  • 小さな株式会社

などの中小企業となります(中には大手の株式会社もあります)。

更にその中には、ワンマンな同族経営の事業所が多数存在しているため、組織体系や教育カリキュラムはあってないようなものになります。

したがって、入社式も新人研修も無い事が多くなるのです。

 

理由②「入社式をやっている時間も暇もない」

介護業界は万年、人材不足です。

入社式で半日を消費したり、新人研修で何日も掛かって教育する時間も人材もありません。

1分1秒でも早く現場に入れて、人員配置基準を満たしたくてウズウズしています。

右も左もわからぬまま、先輩職員によって教えられる内容も異なり、消化不良のまま日々が過ぎていきます。

新人職員にとっても利用者にとっても不幸な事です。

しばらく勤務した頃に、外部団体が主催する「新人研修」の参加の声が掛かることになると思います。新人研修はそれで代用されます。

 

理由③「そもそも新入職員がいない」

新社会人となるフレッシュマンが10人や20人もいれば、入社式も様(さま)になるのですが、現状の介護事業所にはそんなにフレッシュマンは入ってきません。

周りを見渡して下さい。

あなたの同期と呼べるフレッシュマン介護士は何人いますか?

ひょっとしたら、あなた1人しかいないかもしれません。

3人も居れば御の字の事業所が多数存在するのです。

仮に3人の新入職員がいたとしても、入社式を開催した場合、明らかに経営側や上司の人数の方が多くなります。

偉いさんに取り囲まれる入社式は拷問に近いものになるでしょうし、開催する側にしてみても、様(さま)になりません。

そういった理由で、介護業界では入社式が無い事業所が多くあるのです。

ひとつの判断基準として、

「新卒職員の入社式や新人社員研修の無い事業所はブラックかもしれない」

という仮説が立てられます。

 

 

 

職場で悩み苦しんだ時

 

福祉系の学校を卒業して就職された人は特に

  • ある程度の専門的知識がある
  • 夢や理想を抱き介護業界に飛び込んだ

という人が多いと思います。

福祉系の学校を卒業していない人も、介護業界に新卒カードを切ったのですから、理想とやる気に満ち溢れていることでしょう。

しかし、そんな自信や理想はいともたやすく打ち砕かれ、打ちのめされ、打ちひしがれます。

その理由は

  • 事業所によって独特のやり方がある
  • 介護業務が想像よりハード
  • 介護以外にも書類仕事が沢山ある
  • 自分の知識や経験だけでは対応できない利用者が沢山いる
  • 残業が異常に多い
  • 理不尽な事で先輩や上司から怒られる
  • 社会の常識が通用しない

という「理想と現実の差」に悩み苦しむ時が来る可能性が高いからです。

「社会の厳しさ」と言えば聞こえが良いですが、その殆どは「介護業界独特の摩訶不思議さ」だと言えます。

そんな時、悩みや苦しみを誰かに相談したくなるでしょうが、間違った人選をしないように注意して下さい。

本当に信頼できる先輩や上司を見つけることが困難な業界です。

退職理由の上位に「人間関係」が不動の業界です。

まずは、親や親友に相談することをお勧めします。

 

 

 

無理をしすぎないことが大切

 

こういった記事を書くと

「新入職員を更に減らす気か」

「ネガティブな事を吹聴して人材ロスをさせるな」

などと言われてしまうかもしれません。

しかし、私はただ

「真実を書いているだけ」

「真実を書いたらネガティブになっただけ」

「人を大切にしたいだけ」

なのです。

私の記事を読んで共感してくれたり、心が救われる介護職員が1人でもいるならば「書いた意味があった」と言えるのではないでしょうか。

現状の悪辣な介護業界の真実を正直に伝え、改善を訴え、介護職員が身も心もボロボロになる前に道しるべを示しているという点では「介護業界に寄与している」と言っても過言ではありません。

特に新卒で入社された皆さまは、まだまだ先が長い人生となります。

「目的や目標を持って頑張ることはとても美しい」のですが、介護業界の現状を十分理解した上で、「正しい選択と正しい努力をして自分の心身と人生を守って欲しい」と思います。

「今すぐ介護業界から逃げ出そう」とそそのかしているわけではありません。

まだまだ未成熟な業界なので、千里眼で今後の介護業界に光明を見出だしていたり、自分の能力や努力で変えていこうと考えているにしても、それまでに体や心を壊してしまったら元も子もありません。

どちらにしても他人に迷惑を掛けない範囲で「無理をしすぎない」ことが大切です。

 

 

 

「人格が変わってしまった」と感じたら危険信号

 

先ほど「無理をしすぎないことが大切」と書きましたが、新卒の新入職員は無理をさせられる可能性が非常に高いです。

「一番若いんだから」

「若いから体力があるでしょ」

「新人なんだから」

「経験を積むために」

などと言われ過酷な業務を押し付けられがちです。

私も新人の頃、一日中入浴介助を命じられ、断れずにやりきってフラフラになった経験があります。

「困難を乗り越えた先に成長がある」なんて綺麗ごとを言っている場合ではありません。

そんな事業所は困難しかありません。

そんな状況を耐え続けると

  • 感情や表情が無くなってくる
  • 特に何かがあったわけではないのに涙が溢れる
  • 些細なことでイライラしたり怒りっぽくなる

などの症状が出てきます。

「自分の人格や性格が変わってしまった」と感じたら危険信号です。

心療内科を受診したり、暫く休養を取ったり、退職することも検討して下さい。

それは、あなたのためでもあり、利用者のためでもあります。

介護現場で事故や事件が起こりやすくなる典型的なサイクルだからです。

私の場合は「この前フラフラになったんで、もう無理ですね~」と正直にハッキリと伝え自分の身を守りました。

そんな無茶苦茶な経験をしなくったって介護福祉士国家資格に一発合格しました。

要は未成熟過ぎて、現状でそのレベルの業界なのです。

「介護業界は出世や昇格が早く出来る業界」という謳い文句でポジティブキャンペーンをしている求人や記事を見掛けますが、私に言わせれば「全て茶番」です。

そういった茶番が益々介護職員を蟻地獄に誘い込み、陥れ、縛り付け、苦しめる元凶となっていることを、まずは理解することから始める必要があります。

若者に介護の仕事をおすすめしない3つの理由

 

 

 

最後に

 

今回は「介護職員として新スタートを切る新社会人の皆様に向けて私なりのメッセージ」を記事にしました。

仕事なのですから、試練を乗り越えたり課題をクリアして自分を成長させていくことは大切です。

それは自分のためであり、利用者のためにもなります。

そういった本来あるべき常識的な活動を否定しているわけではありません。

介護業界の全ての事業所がブラックとは言いませんが「大体の事業所がブラック」というのは間違いないでしょう。

介護業界にはこれから益々、若い人材が必要でありながら自らそれを遠ざけ無意識に排除しています。

ネガティブな内容になりましたが、「人間関係に恵まれたら意外と楽しく働ける仕事」でもあります。

しかし先輩も上司も選べませんので、こればっかりは入職してみないとわかりません。

介護業界で生き抜いていくにしても、離脱していくにしても「自分を守ること」だけは決して忘れないで下さい。

私からのメッセージは以上になります。

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