介護施設の夜勤の実情

介護施設のワンオペ夜勤で一番敏感になる五感は?

投稿日:2019年3月11日 更新日:

 

多くの介護施設での夜勤は「職員1人で約20名の利用者の介護」をします。

勤務時間やタイムスケジュールなどは下記記事をご参照下さい。

介護施設の「夜勤スケジュールと仕事内容」を詳細に解説します

9時間拘束8時間労働の夜勤者もいますが、全ユニットに対して1人なので、緊急時や救急搬送時に業務フォローをしたり不穏な利用者や転倒リスクがあるのに歩き回る利用者などに付き添うくらいで、特に何もなければ何もしない役割です。

「何もしない勤務者」は無駄なのですが、暇な時間は掃除をしたり、書類を作成したりしています。

あくまで、「何かあった時のための配置」という位置付けです。

そもそも人員不足なので、このプラスαの夜勤者が配置できていない日もあります。

ですから、基本的にユニット内の業務は、結局は夜勤者1人(ワンオペ)でこなすことになります。

特にワンオペ夜勤では職員1人しかいないので「五感」をフル活用するわけですが、今回は「夜勤で一番敏感になる五感」について記事を書きたいと思います。

 

 

 

(スポンサーリンク)


ワンオペ夜勤での「五感」の重要性

五感とは、「味覚」「触覚」「嗅覚」「視覚」「聴覚」のことです。

日中は複数の職員がいるために、五感が多少鈍感でも複数人の五感でフォローし合えるのですが、ワンオペ夜勤ではそうもいきません。

夜勤は1人の職員で2ユニット(約20人)の利用者のケアを行うわけですが、真面目に一生懸命やっていても、どうしても目が行き届かない場所や時間が出てきます。

2~3時間ごとに各部屋を巡回して

・様子確認

・排泄介助

などのケアを行いますが、1人の利用者を介助中に他の部屋で何かが起こっているかもしれません。

空いた時間もコール対応や書類仕事をするのでゆっくり休憩など出来ません。

翌朝、早出職員が来るまでは、夜勤者1人で責任を持って対応する必要があり、精神的にも肉体的にも過酷な勤務となります。

ですから「出来るだけ平和でありますように」「転倒などありませんように」「何事もありませんように」と祈りながら夜勤に入るわけですが、それを実現させるためには、五感を敏感に働かせることが重要になってきます。

 

 

 

夜勤で一番重要な「五感」は?

では、その「五感」の中で、ワンオペ夜勤で特に重要なものは何なのでしょうか。

 

味覚

「味覚」は夜勤にはあまり関係ないかもしれません。

疲れを癒すために「甘いものを食べよう」という時は必要かと思います。

 

触覚

「触覚」は、利用者の体に触れた時に「熱感(または冷感)がある」と感じたり「何かこの服濡れてる」と感じることが出来ます。

その感覚によって、熱発者の早期発見や尿失禁や尿漏れの早期対応が可能になります。

 

嗅覚

「嗅覚」は、「便臭がする」という具合に、便失禁などをいち早く察知し、排便処理をするための必要物品を事前に準備し、心構えをすることができます。

他にも「焦げ臭い」「異臭がする」などの緊急事態をいち早く察知することが可能になります。

 

視覚

「視覚」は、目で見て物事の状態や形状や動作などを確認したり判断します。

利用者が居室から出てくるのを目視し、早期対応をすることができます。

 

聴覚

「聴覚」は、遠くから聞こえる物音を察知したり、利用者の呼吸音の確認に必要です。

どの五感も重要なのですが、夜勤において最も研ぎ澄ましておきたいのが、この「音を察知する感覚」です。

ワンオペの夜勤では、「聴覚」がリスク回避に重要な役割を果たします。

 

 

 

遠くの音を察知する重要性

ワンオペ夜勤では「聴覚」が最も重要だということがわかりましたが、具体的にはどう重要なのでしょうか。

聴覚は「他の五感よりも距離的に遠くの動きを察知できる」ということが言えます。

いくら視力が良くても、透視ができるエスパー以外はドアや障害物で遮られている死角となる場所の目視は不可能です。

「嗅覚」は遠くのにおいも察知できますが、介護現場でのにおいの殆どは「排泄物のにおい」になり、転倒等のリスク回避にはあまり役立ちません。

夜勤中はそういう理由により「聴覚が最も重要」と言えます。

 

「ゴホゴホ…(咳)」

「ふぁ~ぁぁ~(あくびや伸び)」

「ガタン、ドタン、バタン、ガチャリ(ドアの開け閉め)」

「テクテクテク、キュッキュッキュ(歩行)」

「トントントン…(杖をつく音やノック)」

「ゴン(転倒、転落)」

「キィキィキィ…(謎の音)」

など、様々な物音き気づくことができます。

この「気づき」は介護職員にとってはとても重要な能力なのです。

時には

「誰か~助けて~」

というドキっとする声が聞こえてきたりします。

聴覚を研ぎ澄ませておくことで転倒や転落などのリスクを未然に防いだり、早期発見が可能になります。

 

 

 

最後に

 

今回は「夜勤で一番敏感になる五感」について記事を書きました。

夜勤において「聴覚」が非常に重要だということをご理解頂けたかと思います。

リアル現場では「聴覚を駆使したいのにできない状況」も多々発生します。

それは、夜遅くや朝早くに利用者が共同生活室で大音量でテレビ観賞をしている場合です。

特に耳が遠い利用者は、音量が大きくなりがちです。

その音量にかき消されて、居室にいる利用者の「音や声」が聞こえず聴覚を駆使できません。

駆使できないどころか、逆にテレビの

「ガチャン」

「ピーピーピー」

などという音に

「ドキリ!」

と敏感に反応してしまいます。

「あぁ、テレビの音か…」

ということが繰り返されます。

理解のある利用者なら音量を下げてもらったり、イヤホンをしてもらう等の対応も可能ですが、理解を得られなかったり理解できない利用者がいるのも事実です。

そうなると五感のうち、一番重要な「聴覚」の機能が発揮しづらくなってしまいます。

ワンオペ夜勤では全て自分一人で対応し、その責任も圧し掛かってくる相当ハードな勤務になります。

可能な限り「五感、特に聴覚」を研ぎ澄ますことができる環境であって欲しいものです。

アドセンス

(スポンサーリンク)


アドセンス

(スポンサーリンク)


ランキングバナー

最後まで読んで頂きありがとうございました!

ブログランキングに参加しています。
記事が「まぁ良かったんじゃない?」「また読みに来てあげてもいいよ」と思って頂けましたら是非、応援&シェアを宜しくお願いします^^

記事更新のモチベーションが上がります。

にほんブログ村 介護ブログ 介護職へ
にほんブログ村


介護職員ランキング

楽天ウェジェット

【PR】


かいご畑アフィリ




【働きながら無料で資格取得できる制度のご紹介】



★介護職員初任者研修
★介護職員実務者研修
★介護福祉士国家資格受験対策講座(短期集中講座)

などの講座を「働きながら」「無料」で受講することができるのが「キャリアアップ応援制度」です。

【こんな人におすすめ!】

★介護のお仕事が初めての方
★無資格で働きながら、資格取得をしたい方
★ブランクがあり、介護の仕事復帰を考えている方
★すでに介護職として就業していて転職したいと考えている方
★経験や資格があり、好条件で転職をしたい方
★30秒で登録してすぐに利用開始したい方

>>>働きながら無料で資格取得できる「かいご畑」はこちら



おすすめ記事5選

1

  介護現場で働いていると、 「あの新人使えないな」 などというセリフを耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。 それは、今現在新人職員である自分に対してであったり、他の新人職員に対 ...

2

  どの業界にも、大なり小なり「新人いじめ」「新人いびり」が存在するかとは思いますが、介護業界は特にそういった「新人へのつらい仕打ち」が深刻化しています。 人材不足が深刻な業界なのに、何故、 ...

3

  前回の記事で、「言いたいことが言えない介護職員の5つの特徴と原因」についてご紹介しましたが、今回はその続きで「改善方法や解決方法」についてご紹介したいと思います。 解決方法は大きく分けて ...

4

  今まで何度か発信してきていますが、給料(収入)は年収で考えることが重要です。 例えば、 「特定処遇改善加算手当で月2万円アップしました!」 「月給30万円の求人募集があります!」 という ...

5

  以前、自分の職業を聞かれた時に「介護士です」と言いたくない理由について記事を書きました。 【1分で読める】職業を聞かれた時に「介護士です」と言いたくない理由「恥ずかしいから?」 これには ...

-介護施設の夜勤の実情
-, ,

Copyright© 介護職員Aのひとりごと , 2023 All Rights Reserved Powered by STINGER.