介護職員は利用者のケア以外にも、書類や記録といった「事務作業」もする必要があります。
例えば「リスク報告書」「会議の議事録」「ケース記録」などになります。
それらに目を通した時に、いつも違和感を感じてしまうことがあり、今回はその違和感について記事を書こうと思います。
違和感を感じる場面
私が違和感を感じるのは、その文章の中に
- 同僚や先輩職員
- 上司
- 看護師やケアマネ等の他職種
などが登場する場面です。
介護職員がそれらの人物との絡みを文章で表現した時に
「なんだか違和感を感じる」
「言い回しがおかしいのではないか」
「こんな書き方をする必要はないのではないか」
と思うことが多々あるのです。
違和感の正体
違和感の正体は「言葉遣い」「言い回し」から読み取れる「介護職員の劣等感」です。
どの部分に劣等感を感じるのかと言うと
「看護師に報告し処置して頂く」
「リーダーに報告し状態の確認をして頂き、待機看護師に連絡をして頂く」
などのように、しつこいくらい「して頂く」を多用している所です。
介護職員は同僚や上司や他職種にどれだけ「して頂く」のでしょうか。
「丁寧な言葉を遣いたい」
という気持ちはよくわかります。
しかし、書類や記録にその言い回しは必要でしょうか?
そもそも、上司や看護師やケアマネ達の行っていることは、各々の職責の範囲内での「業務」であって、特別な何かをしているわけではないですし、その業務に対して我々介護職員がへりくだって
「して頂いている」
「お手を煩わせて申し訳ない」
「自分達ができない業務をしてくれる雲の上の存在」
などと感じる必要はないのではないでしょうか。
仮に内心「雲の上の存在の人に対応をしてもらった」と思ったとしても、記録や書類にそういう書き方をしなくてもいいと思うのです。
この場合
「看護師に報告し(看護師が)処置を行う」
「リーダーに報告し状態の確認後、(リーダーより)待機看護師に連絡を行う」
でいいと思うのです。
やはり、そこには
「介護職員は底辺の職種である」
「自分には越えられない高い壁が存在する」
という「劣等感」が存在すると感じています。
介護職員独特の言い回し
「して頂く」という言い回しを書類や記録に書く行為は、介護職員独特のものであると感じています。
何故なら、他の職種の人が
「介護職員に排泄交換をして頂く」
「介護職員に口腔ケアをして頂く」
という記録を書いているのを見たことが無いからです。
そう考えるとやはり
「介護職員は劣等感の塊なのではないか」
「介護職員は常に最底辺での位置づけであるということを自分で認識しているのではないか」
という結論が導き出されます。
最後に
今回は「介護職員の書類や記録の書き方に劣等感を感じる」ということについて記事を書きました。
ひょっとしたら、そういう風に書いてしまう理由は「正しい書類の書き方や記録の仕方が理解できていない」「丁寧な言葉で書いておけば問題はないだろうという勘違い」もあるのかもしれません。
私は自分の周りの職員には
「「して頂く」と書く必要はない」
「むしろ書かないで欲しい」
と伝えていますが、その時は直るのですが暫くするとまた「して頂く」という文字を見掛けます。
そういう私も、実を言うと新人の頃にはそういう書き方をしていました。
やはりそこには自分の中に、言葉に言い表しにくい「劣等感」が潜んでいたのは間違いありません。
今になって考えてみると「我ながらおかしな書き方をしていた」と思います。
多職種協働だとかチームケアに職種間の貴賤は無いと思っています。
まずは、介護職員ひとりひとりの「意識改革」が必要であるとひしひしと感じています。