介護職員の退職理由の上位には人間関係があります。
もちろん人間関係の良い悪いは各事業所で異なってきますが、「人間関係が嫌になって辞めた介護職員が多い」というのも事実です。
各事業所の介護現場の人間関係だけでなく、Twitterなどのインターネット上の介護界隈でも情報発信ややりとりの中でいざこざが発生したり意見の対立がみられることもあります。
その状況を見て、
「介護界隈には性格が悪い人が多い」
「介護関係の人はマウンティングばかりしている」
と言って介護現場のいじめやパワハラと同視している人もいますが、よくよく観察してみると介護現場でありがちな「それら」とは異なっているように感じています(もちろん、中にはそういう場合もあるかもしれませんが)。
何故なら、多くの場合が「先に手を出しているのは突っ込まれている方だから」です。
つまり、Twitterなどにおいては利用規約に反しない限りは何を発信しても良いという環境の中で、介護のことについて
- 無知で誤った情報発信をしている
- 何周も遅れた情報発信をしている
- 介護職員を馬鹿にしたり貶める情報発信をしている
- 現場に立たない部外者が無責任な情報発信をしている
- 炎上目的で過激な情報発信をしている
という場合が多いのです。
直接的であれ間接的であれ、上記の情報発信は「先に手を出している状態」と言えます。
もちろん、スルースキルを駆使することも大切ですが、スルーをすると「言った者勝ち」になってしまうことがあるのは介護現場と同様です。
「言ったもの勝ちの世界」については、下記記事をご参照下さい。
ですから、そうならないように指摘をする人も当然いることでしょう。
つまり、結論から言えば「上記に該当するような先に殴ってくる人が多いため、その防御反応によってTwitterの介護界隈が殺伐としているように感じる場合もある」ということになります。
以下で詳しく見ていきたいと思います。
Twitterの介護界隈の人は性格が悪くてマウンティングが多い?その実情とは…
そもそも、先に殴りかかってくる人がいなければいざこざに発展することはありません。
では、間違いを指摘したり突っ込みを入れた方が先に手を出したことになるのでしょうか。
クソリプ(見当外れや不快な返信のこと)を一方的に送り付ける場合は先に手を出したと言えますが、下記に該当する場合も間接的に先に殴りかかっていると言えるのではないでしょうか。
そして、そういう人が多いため、介護界隈が殺伐とした印象を受けてしまうというのが最大の理由になります。
1.無知で誤った情報発信をしている
介護保険制度や介護現場のことについて無知で誤った情報を発信している人は正していく必要があります。
その誤った情報発信を信用してしまう人がいれば害悪になりますし、そもそも正しい知識に修正していくことがその人のためでもあります。
例えば、
- 介護施設は補助金で運営している
- 業界10年の介護福祉士が月8万円貰えないのはおかしい
などという情報発信を目にしたことがありますが、正しくは、
- 介護施設は介護報酬で運営している
- 特定処遇改善加算は最終的にそういう性質のものではなくなった
ということになります。
【参考:介護職員等特定処遇改善加算について】 |
事実誤認や間違いは誰にでもありますし、間違いを指摘をされたのであれば正していけばそれでいいと思うのですが、ここで無知な側がその指摘を「攻撃」「アンチ」「批判」と捉えてしまうことで、指摘した側のマウンティングのように仕立て上げられてしまうのです。
2.何周も遅れた情報発信をしている
介護現場の現状や方針は徐々にですが改善傾向にあります。
それは、ひと昔前の悪しき風潮や慣習が改善されつつあるからです。
例えば、
- 介護の仕事は奉仕と自己犠牲の精神が大切
- 奉仕の延長の仕事なのだから給料が少なくても当たり前
- 利用者から暴言や暴力を受けるのは介護技術が未熟だからだ
- 水分摂取すれば認知症が治る
- 食事は全量摂取することに意義がある
などになります。
どれもこれも結果的に介護職員と利用者を不幸にしてしまい「誰も得をしない」という環境がありました。
つまり、これらは「過去の遺物」なのです。
しかし、定期的にこれらに感化された情報発信をする人が出現します。
介護界隈から見れば「何周も遅れている」のですが、周回遅れの発信している側は「自分が正しい」「自分が最新」と思っているのです。
周回遅れでもそれに気づいて追いつければそれでいいと思うのですが、やはり「攻撃された」「批判された」「マウンティングされた」と捉えてしまうことで、指摘した側が性格が悪いように見えてしまうのです。
3.介護職員を馬鹿にしたり貶める情報発信をしている
直接的であれ間接的であれ、介護職員のことを馬鹿にしたり貶めるような情報発信をしている人もいます。
例えば、
- 介護職員は不勉強だ
- 介護職員は不平不満ばかり言っている
- 介護職員は視野が狭い
- 介護職は底辺だ
などになります。
多くの場合が、「介護職員ではない人」が偏見を持った情報発信をしているのです。
部外者が上から目線で急に叩いてくるのですから反発したくもなるでしょう。
最初に叩いてくる人がいなければ誰も反発はしないのですから、先に叩いてきた側に問題があるのは明らかです。
4.現場に立たない部外者が無責任な情報発信をしている
前述した介護職員を馬鹿にしたり貶める発言をする人も部外者が多いのですが、介護職員に対して無責任な情報発信をする人も部外者が多いのが特徴です。
例えば、
- 介護職員はこうあるべき
- 介護職員を辞めて生活保護を貰えばいい
などです。
外野どころか試合にさえ参加していない人が監督面をして無責任な情報発信をしていれば、選手としては不快を通り越して意味不明です。
明らかに温度差があり社会保障制度の無知が露呈しているのですが、当の本人は気づいておらず周りの指摘や意見にも耳を貸さないため「厚顔無恥」なのです。
そして、本当の介護現場のことや生活保護の受給要件についてなどを教えてくれる人を「アンチ」と呼んだり、「介護業界の闇の人達」と言って自分を正当化するため介護界隈が殺伐としてくるのです。
5.炎上目的で過激な情報発信をしている
炎上目的でわざと過激な情報発信をしている人もいます。
例えば、
- 介護職員は犯罪予備軍
- 介護職員は低賃金だから高収入の人に嫉妬している
などです。
こういう発言は「ヘイト」でしかありません。
そして、炎上して燃え上がることで自分のブログや動画などの媒体のアクセスを集めようとする手法であるため、介護界隈は殺伐としてきます。
他にも、ステマ(ステルスマーケティング)で集客しようとする情報発信も見受けられ、見破られると突っ込まれることになります。
最後に
今回は、Twitterなどのインターネット上の介護界隈の人は性格が悪くてマウンティングが多いのではなく、よくわからない人達が先に叩いてくるので、その防御反応でそう見えてしまうこともある実情について記事を書きました。
もちろん、スルースキルやブロックやミュート機能などを駆使していくことも大切ですが、
- 定期的に湧いて出てくる(頻度や絶対数が多すぎる)
- スルーすることでデマや間違った情報が拡散されてしまう
- サブ垢(捨てアカウント)でしつこく絡まれる
- イレギュラーな理由で目にしてしまう
ということがあるのも事実です。
また、物事全てに原因があって結果があるのですから、どこに原因があるのかを考えてみることも重要ではないでしょうか。