介護職員の将来性

介護職は底辺職?社会的地位やヒエラルキーの最下層というイメージは実は虚像

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「介護職は底辺職だ」

「介護職は(※)ヒエラルキーの最下層に位置する職業だ」

(※)ヒエラルキーとは、身分制度やピラミッド型の段階的組織構造のことを指します。

などというイメージを持っている人もいらっしゃるかもしれません。

酷いものになると

「介護職って大便処理係でしょ?」

などと言う人も見掛けたことがあります。

そういうイメージが先行してしまう背景には、

  1. 介護職員は誰でもなれる職業(人類のセーフティネットとしての職業)
  2. 給料が安い上に汚くてきつくて危険なことをする職業(3K)
  3. 介護現場の中でヒエラルキーが最下層の職種
  4. 介護事件が多発する業界
  5. 不勉強なのに声が大きい存在の情報発信を真に受けてしまう

という5つの先入観があることが挙げられます。

いやしかし、実際問題、よくよく考えれば「これらは先入観ではなく真実そのもの」だということを再認識した時に、現役介護職員の身としては「言い知れぬ歯がゆさや憤り」を感じてしまうのも事実です。

何故なら、自分が誇りを持ってやっている職業が「底辺職」だとか「最下層の仕事」などと言われてしまうのですから堪ったものではありません。

結論から言ってしまえば、「介護職が底辺職だというのは実は虚像である」ということになります。

その理由について以下で詳しく解説していきたいと思います。

 

 

 

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介護職は底辺職?ヒエラルキーの最下層というイメージが虚像である理由

 

 

結論から言えば、介護職は底辺職ではありません。

冒頭で述べた5つの先入観(というか事実)をもとに底辺職ではない理由を解説していきたいと思います。

 

1.介護職は誰でもなれる職業?

確かに介護職は無資格未経験でも始めることができる職業です。

しかし、「誰でもやることができる」ことと「介護職をやり続けることができる」ということは全くの別問題になります。

受け入れる側のハードルが低いというだけで、入職してみるとその業務内容や専門性の高さはなかなかハードルが高いものがあるのが事実です。

介護職のことを底辺職と揶揄する人は、「介護職の経験が一切ない」又は「介護職をやってみたものの途中で挫折してしまった」という人が大半です。

つまり、「介護の仕事に触れもせず、又は、ちょっとかじっただけで底辺職だ」と決めつけてしまっているのです。

実際は、やり続けることで専門性を高めることができ、社会に貢献できる素晴らしい職業です。

ただ、確かに介護職を続けたくても続けられない不健全な理由がある場合もあります。

例えば、人間関係や職場環境などです。

それについては後述します。

「素晴らしいのにおすすめできない」矛盾に満ちた介護の仕事をおすすめできる職業にする方法

 

2.給料が安い上に汚くてきつくて危険なことをする職業(3K)?

介護の仕事は3K(きつい、汚い、危険)などと揶揄されます。

しかも給料が安いのですから、底辺職と言われてしまうのも不思議ではありません。

普通は、危険な仕事には危険手当がついたり、きつくて汚い仕事には特別な手当がつくものですが、介護職はそういう手当がつくどころか全産業の平均年収を下回る薄給戦士です。

それ故に、人間関係や職場環境も良くならない悪循環に陥ってしまうことになります。

個人的には、「3Kどころか11Kくらいはある」と思っています(下記記事参照)。

介護の仕事は「きつい、汚い、危険」の3K?まさかの11K?その実態とは?

 

しかしながら、給料面に関しては徐々に処遇改善が進んでいて、事業所によっては夜勤をしない看護師やケアマネを上回る給料を貰えることもありますし、そもそも正職員であれば低空飛行ながら安定しています。

介護職の正社員であれば、クレジットカードやローンの審査も普通に通りますし、社会的にも認められている職業であるため底辺職とは言えないのです。

 

3.介護現場の中でヒエラルキーが最下層の職種?

介護職は介護現場の中でヒエラルキーが最下層の職種というイメージもあります。

イメージだけでなく、実際に

  • 看護師に偉そうにされ顎で使われる
  • サービス担当者会議(カンファレンス)などで介護職の発言権が無い(又は著しく小さい)
  • 介護福祉士資格なんて無意味で無駄な資格

などという扱いを受けたり言われたりすることがあるのも事実です。

もし、そういう事実があるとすれば、確かにピラミッドの最下層の扱いになります。

しかし、個人的にはそういう状況は既に過去の遺物になりつつあると思っています。

「介護職を大切に」という以前に「介護職を同じ土俵に上げない介護事業所こそが無意味」だからです。

実際に直接的に利用者に接している介護職の情報や意見をないがしろにするケアチームは既に破綻してしまっています。

そもそも、そういう事業所であれば常に人員不足で満足な介護もできていないことでしょう。

つまり、介護職を底辺職扱いする考え方が既に時代錯誤なのです。

 

4.介護事件が多発する業界?

介護業界と言えば、介護事件が多発しているイメージが大きいのではないでしょうか。

実際、介護職員の利用者に対する虐待事件などの介護事件の報道が後を絶ちません。

事件が多発=介護職の資質が低い=介護職は底辺

という方程式が成り立ってしまうのもわからなくありませんが、この背景には、

  • 人間としての資質が低い人も雇い入れている事業所がある
  • 普通の人でも音を上げてしまうような職場環境が野放しになっている
  • 利用者から介護職員へのハラスメントや不法行為は日常茶飯事だが報道されない
  • 国や業界が推奨しているユニットケアが事件の温床

という現実があります。

つまり、国や業界や事業所が虐待や介護事件が発生しやすい環境を野放しにしているから介護事件が続発しているのです。

そして、発覚したり報道されているのは氷山の一角に過ぎない反面、多くの介護職員は日々堪えながら必死で働いているのも事実です。

多くの介護職が底辺であるならば、既に介護現場は崩壊していることでしょう。

今、首の皮一枚で繋がっているのは、介護現場の職員が必死に耐えているからです。

いつまで良識ある介護職員の自己犠牲と真面目さに甘えるつもりでしょうか。

介護職が底辺なのではなく、与えられている介護現場の環境が底辺であるということは往々にしてあり得るのではないでしょうか。

つまり、介護職が底辺職と揶揄される実態は国や業界や事業所が創り出してしまっていると言っても過言ではありません。

介護現場で虐待や介護事件が続発する本当の理由

 

5.不勉強なのに声の大きい存在の情報発信が事実誤認を生む?

介護業界で声の大きい存在と言えば、どんな人を思い浮かべるでしょうか。

  • 職能団体
  • 介護コンサルタント
  • 介護プロジェクト
  • 元介護職のインフルエンサー気取り
  • 介護職の転職斡旋業者
  • 介護に関するこたつ記事を書くライター
  • マスメディア

などが思い浮かびます。

特筆すべきは、どの人も「現役介護士ではない」という点です。

何故か、介護業界では現場に立たない人の方が声が大きいのです。

更には、介護現場や制度について不勉強なのに大きな声で発信している人も目につきます。

そういう間違った情報をあたかも本当のことかのように発信してしまうことで、世間の人に「やはり介護職は底辺だ」という誤解を与えてしまっていることも往々にしてあり得ます。

声が大きくて不勉強な現役介護士ではない存在やそういう人に賛同してしまう人達が「介護職は底辺職だ」という事実誤認をしてしまっているのです。

一部分を切り取ればそうである場合があるにしても、「不勉強な外野が介護士を底辺職に仕立て上げることでメシを食っている状態は総じて虚像」と言っても過言ではありません。

介護の実務経験のないセミナー講師の声が大きい介護業界の違和感

 

 

 

最後に

 

今回は、介護職が底辺職であるというイメージは虚像である理由について記事を書きました。

私自身、介護職をやっている中で「ああ、カースト制度の最下層の職種だなぁ」などと感じたこともありましたが、社会情勢も身の回りの状況も変化していき待遇も徐々にですが改善されているのも事実です。

確かに介護職員には誰でもなることができて、まだまだ全産業の平均から見ても低賃金であることに間違いはありませんが、介護職員として働き続けている人は専門知識や技術を身につけ、介護福祉士資格を取得(又は取得を目指し)していく中で処遇の改善や職場環境の健全化も徐々に行われてきているため、底辺職とは言えない職業です。

そもそも、職業に貴賤はないのだとすれば底辺職と呼ばれるような職業はこの世には存在しません。

いや、実際は「職業には貴賤がある」のかもしれませんが、それは職業の優劣ではなく「職業に優劣をつけて差別してしまう自分自身の心の卑しさ」を表しているのです。

但し、確かに課題が多いのも事実です。

ネガティブなイメージが先行してしまっているのなら正していく必要がありますが、闇雲なポジティブキャンペーンをするのではなく煙を無くすためにはまずは火種を消していく作業も重要であることは付け加えさせて頂きます。

未だに「ネガティブイメージが原因で介護職員が集まらない」と言い続ける絶望の思慮不足と人材不足

 

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