介護業界の異常性

不健全な運営の中で求められる「介護リーダーというポスト」の特殊性

投稿日:2019年3月24日 更新日:

 

介護業界には「リーダー」と呼ばれるポストがあります。

「介護リーダー」「ユニットリーダー」などと呼ばれ、リーダーとしての役割や在るべき姿が議論されたり、目標とすべき存在として「リーダーというポストだけ」が先走っている印象があります。

つまり、「求められているリーダー像」と「実際にリーダーと呼ばれている人」が必ずしも一致していないのが介護業界のリーダーの特徴です。

今回は「何故、そのような不健全な状態になってしまっているのか」ということについて記事を書きたいと思います。

 

 

 

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世間一般で言うところの「リーダー」とは

 

まずは、介護業界ではなく世間一般で言われている「リーダー」について押さえておきたいと思います。

リーダーとは「指導者」「首領(ドン)」を意味する言葉です。

 

【世間が認めるリーダー】

  • 安倍晋三(内閣総理大臣)
  • 孫正義(IT業界)
  • 本田宗一郎(自動車業界)
  • 松下幸之助(電気器具業界)
  • 岡本太郎(芸術業界)
  • 松本人志(お笑い界)
  • イチロー(野球界)
  • 山本五十六(軍人)

(歴史上の人物含む)

世間一般で「リーダー」とは、創業者や経営者、業界の第一線で活躍している人達のことを指します。

企業のプロジェクトリーダーや業界のニューリーダーとして

  • 取締役や部長クラス
  • 匠の技を持った医師や技術者
  • 教授や博士

などもリーダーと呼ばれることでしょう。

こうして列挙してみると、介護リーダーという存在は世間一般から見ると「肩書き」や「知名度」や「影響力」や「収入」などの全てにおいて完全に見劣りします。

そこには「越えられない壁」「埋められない溝」が存在するのです。

つまり、「介護リーダー」とは「介護業界の中だけで通用するニッチなポスト」であると言えます。

 

 

 

介護リーダーの特殊性

 

前述したように、介護リーダーの特殊性として「業界や事業所内の狭い範囲でしか通用しないポスト」ということが大前提になります。

もっと具体的に考えてみたいと思います。

 

特殊性①「役職ではなく役割」

介護リーダーというのは、役職とは言い切れず「役割的な存在」です。

役職とは「主任」「係長」「課長」「部長」などの出世コース上にある肩書きの人を指しますが、介護リーダーはある日突然リーダーに任命されたり、リーダーから降ろされたりする可能性のある非常に不安定なポストになります。

出世コース上にある課長や部長がある日突然降格されたら「労働問題」に発展しかねませんが、介護リーダーはそういう人事も日常茶飯事なのです。

日替わり弁当のような介護リーダーは特殊なポストだと言えます。

「ポスト」でさえなく「当番」と言い換えても間違いではないような気がします。

 

特殊性②「やりたがらない人が多い」

出世や昇格をするのは誰でも嬉しいことのはずです。

ましてや「出世したくない」「昇格したくない」などと言う人はどの業界にも存在しないでしょう。

しかし、介護業界においては「介護リーダーをやりたがらない人が多い」のが特徴的です。

そのリーダーでさえどんどん退職していく類まれなる異常な業界なのです。

リーダーをやりたがらない人が多い理由としては、業界や事業所が

「リーダーとは部下のモチベーションを上げるのが仕事だ」

「リーダーとは高度な知識や技術を備え実践していく役割だ」

「人格者であってリーダシップが取れなければならない」

などというリーダー像を掲げ、責任だけを押し付けられる役割になっているからです。

言っていることはもの凄く素晴らしいのですが、上司からは責任を押し付けられ、下の職員からは

「リーダーなんだから」

「リーダーのくせに」

などと突き上げられ、上と下からの板挟みになるのですから堪りません。

しかも出世コースに乗れているのならまだしも、ただの「リーダーという日替わり当番」でしかないので夢も希望もなく、誰もやりたがらないのです。

些少のリーダー手当は支給されるかもしれませんが「どう考えても割に合わない」のです。

誰もやりたがらない介護リーダーは特殊なポストだと言えます。

 

特殊性③「結局は資質がなくてもなれる」

高尚なリーダー像を掲げられている「介護リーダー」ですが、誰もやりたがらず、リーダーでさえ退職していく実情があるため「リーダー不足」です。

ユニット型の介護施設では、人員配置基準でユニットリーダーの配置が義務付けられているため、リーダーのポストを空けたままにしておけません。

ですから、リーダーが辞めてしまったり、リーダーで居続けることを強く拒否するリーダーがいた場合は、誰か替わりのリーダーを探さなくてはなりません。

良い言い方をすれば「誰でもリーダーになれるチャンスがある」のですが、悪い言い方をすれば「資質が無い職員でもリーダーをさせなければ人員配置基準を満たさない」という現実があります。

つまり、業界や事業所が求めている人材と、現状でリーダーになっている人材は一致していないのです。

一致しないまま運営をしているのですから「不健全」と言わざるを得ません。

不健全な運営を誤魔化すために「資質を備えさせ人材を育成するためにリーダーをさせている」と言うのが定型文となっているようですが、そうだとしてもそれがまかり通る時点で、介護リーダーは世間一般から見ても特殊なポストだと言えます。

 

 

 

最後に

 

今回は「介護リーダーの特殊性」について記事を書きました。

現在、介護業界では「介護リーダー」に焦点を当てて、資質や能力の向上に力を入れ人材育成をしています。

確かに、介護現場でリーダー級の中堅職員がどんどん辞めていき、育っていないことは業界としても事業所としても頭を悩ませている問題です。

しかし、現状の責任だけ押し付けたやり方や、日替わり弁当のような危うい立場のままでは、今後も育成どころか確保さえ難しいのではないでしょうか。

ですから、まずは体制を整えてキャリアパスを明確にしていくことと並行して、介護リーダーより上の管理職(主任や課長や部長等)や経営者の資質の向上や運営マネジメントの習得が必須です。

現場ばかりに責任を押し付けてきますが、不健全な運営の中で健全なリーダー業務ができるはずはありません。

まずは運営方針や運営の在り方を見つめ直し、誰もが「介護リーダーになりたい」「介護リーダーを目指して頑張りたい」と思えるような環境づくりができる管理能力を確保していって欲しいと思います。

理想のリーダー像よりも「理想の経営者像」に焦点を当てる方が先ではないでしょうか。

 

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