介護の都市伝説

特養の七不思議(4)「胃瘻(いろう)をつけて注入量は変えない」

投稿日:2019年4月17日 更新日:

 

今回は、介護の都市伝説とも言える「特養の七不思議」について記事を書きたいと思います。

他の七不思議については、下記記事をご参照下さい。

特養の七不思議(1)「食べられないのに食べなさい」

特養の七不思議(2)「終わりが来ているのに病院へ」

特養の七不思議(3)「望まないのに胃瘻(いろう)」

特養の七不思議(5)「先がないのに検診」

特養の七不思議(6)「先がないのに薬たくさん」

特養の七不思議(7)「親には延命、自分は平穏死」

七不思議4つ目は「胃瘻をつけて注入量は変えない」について記事を書きたいと思います。

 

 

 

(スポンサーリンク)


胃瘻の注入量

 

胃瘻については前回の特養の七不思議「望まないのに胃瘻」という記事で書きました。

その胃瘻の「注入量」ともなってくると、医療的な専門知識が必要となってくるので、主治医の指示に従った栄養量の注入がされているかと思います。

適宜、体重や栄養状態を観察確認し、注入量や注入する栄養の種類を変更もしているはずです。

では一体、何が問題なのでしょうか。

 

日々の体調や気分は関係ない

注入量は本人の体調や状態に応じて変えていく必要があるのは食事と同じです。

経口摂取の時だって、食欲がない時や体調が良くない時はごはんを残すこともありますし、全く食べたくない時だってあるでしょう。

しかし、直接胃へ栄養を送り込む「胃瘻」の場合、そういった日々の体調や気分はあまり考慮されません。

そもそも意思表示が出来ない場合もありますし、食事のように口を開けなかったり、そっぽを向いて拒否するということが胃瘻の場合はできません。

胃瘻部のキャップを開けてカテーテルを接続すると、否応なしに注入食が送り込まれます。

つまり、本人が意思表示できない場合は「一切の拒否権がない」のです。

 

主治医の指示があるまでは注入量を変えない

注入量を増減させるためには主治医の指示や診断が必要です。

毎日主治医に診察や検査をしてもらえるわけではないので、次の受診までは同じ量の栄養を注入していくことになります。

また、介護施設では体重などは確認するものの「特段大きな変化がなければ注入量はそのまま」となる場合があるため、特養の七不思議と言われているのではないでしょうか。

つまり、「胃瘻を家族や施設の都合で造設したならば、その後の管理も家族や施設が責任を持ってもっと繊細に行っていく必要があるのではないか」ということになります。

 

現実的には難しい

もちろん本来ならば、量だけでなく、種類や速度も変えていく必要があります。

しかしながら、確かに意思表示や意思決定ができない利用者の日々の体調や気分や状態に応じて毎日注入量などを変えていくことは現実的に難しいのも事実です。

流れ作業のようになってしまっている状態が「胃瘻をつけて注入量は変えない」という七不思議の所以ではないでしょうか。

 

 

 

最後に

 

今回は、特養の七不思議の4つ目「胃瘻をつけて注入量は変えない」ということについて記事を書きました。

本人の意思が不明なまま胃瘻を造設したのにもかかわらず、その後は注入量などを変えることなく流れ作業になってしまっていれば七不思議だと言わざるを得ません。

適宜、確認や見直しはしているのでしょうが、胃瘻からの注入は本人にとっては「食事」なのです。

こういった状態は七不思議であると同時に「現実」でもあるのです。

アドセンス

(スポンサーリンク)


アドセンス

(スポンサーリンク)


ランキングバナー

最後まで読んで頂きありがとうございました!

ブログランキングに参加しています。
記事が「まぁ良かったんじゃない?」「また読みに来てあげてもいいよ」と思って頂けましたら是非、応援&シェアを宜しくお願いします^^

記事更新のモチベーションが上がります。

にほんブログ村 介護ブログ 介護職へ
にほんブログ村


介護職員ランキング

楽天ウェジェット

【PR】


かいご畑アフィリ




【働きながら無料で資格取得できる制度のご紹介】



★介護職員初任者研修
★介護職員実務者研修
★介護福祉士国家資格受験対策講座(短期集中講座)

などの講座を「働きながら」「無料」で受講することができるのが「キャリアアップ応援制度」です。

【こんな人におすすめ!】

★介護のお仕事が初めての方
★無資格で働きながら、資格取得をしたい方
★ブランクがあり、介護の仕事復帰を考えている方
★すでに介護職として就業していて転職したいと考えている方
★経験や資格があり、好条件で転職をしたい方
★30秒で登録してすぐに利用開始したい方

>>>働きながら無料で資格取得できる「かいご畑」はこちら



おすすめ記事5選

1

  介護現場で働いていると、 「あの新人使えないな」 などというセリフを耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。 それは、今現在新人職員である自分に対してであったり、他の新人職員に対 ...

2

  どの業界にも、大なり小なり「新人いじめ」「新人いびり」が存在するかとは思いますが、介護業界は特にそういった「新人へのつらい仕打ち」が深刻化しています。 人材不足が深刻な業界なのに、何故、 ...

3

  前回の記事で、「言いたいことが言えない介護職員の5つの特徴と原因」についてご紹介しましたが、今回はその続きで「改善方法や解決方法」についてご紹介したいと思います。 解決方法は大きく分けて ...

4

  今まで何度か発信してきていますが、給料(収入)は年収で考えることが重要です。 例えば、 「特定処遇改善加算手当で月2万円アップしました!」 「月給30万円の求人募集があります!」 という ...

5

  以前、自分の職業を聞かれた時に「介護士です」と言いたくない理由について記事を書きました。 【1分で読める】職業を聞かれた時に「介護士です」と言いたくない理由「恥ずかしいから?」 これには ...

-介護の都市伝説
-, , ,

Copyright© 介護職員Aのひとりごと , 2023 All Rights Reserved Powered by STINGER.