「介護職には名刺がない」理由と気まずかったことトップ3

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社会人ともなれば、組織人として節度ある言動や常識のある言動をするのは最低限のたしなみとして、ビジネスマナーを身につけておく必要があります。

介護職員であっても、正しいビジネスマナーや接遇マナーを身につけるために、上司から教えられたり、研修などで習う機会もあるかと思います。

そのひとつとして「名刺交換の基本マナー」があります。

立ち上がって渡すとか、名前を名乗ってから渡すとか、名刺の持ち方や渡し方とか、頂いた名刺の置き方とか、ビジネスシーンでは必要な基本的なことになります。

私も一通りは名刺交換の方法を身に着けているつもりですが、あまりに久しく名刺交換をしていないので忘れている部分もあるかもしれません。

何故なら、「介護職には名刺が無い」からです。

今回は「介護職には名刺が無い理由と気まずかったこと」について記事を書きたいと思います。

名刺が無い理由

介護職には名刺がありません(役職者だけに支給されていることはあり得ます)。

つまり、平社員の場合「名刺そのものの存在がなく、会社から支給されていない」ということになります。

多くの介護職は会社から名刺を支給されていないのではないでしょうか。

恐らくその理由は

①介護職が名刺交換をする場面なんて殆どない

②離職率の高い介護職員に名刺を作っていては手間とコストが掛かる

ということになろうかと思います。

①名刺交換をする場面は殆ど無い

確かに介護職員は業務上、事業所内の人達(身内)以外では利用者や家族としか接しません。

居宅介護サービスなどで他事業所との接点が多くある場合(サービス担当者会議に出席等)は別ですが、介護施設ではそういう機会も殆どありません。

利用者や家族に対しても、最初に口頭で名前を名乗り挨拶をするだけで、名刺を渡したりはしません。

そうなると、名刺交換する機会は全くと言っていいほど無いのです。

②離職率が高いので手間とコストが掛かる

介護職の離職率の高さは有名です。

逆に言えば定着率が低いのです。

入職してもすぐに辞めてしまうかもしれない介護職に名刺を作成すると、手間とコスト(お金)が掛かります。

名刺を作っては職員が辞めていき、事業所としても名刺を作成することが無意味・無駄に思えてしまうのもわからなくもありません。

ましてや、作成しても名刺を交換する機会も殆どないのですから尚更です。

介護業界独特の考え方

介護職に名刺が無い理由はわかりますが、「だから名刺は不要」という判断をしてしまうのも介護業界独特の考え方なのではないでしょうか。

パートや派遣社員や非常勤で働いているのならまだしも、介護職だって正社員(正職員)なのです。

名刺交換をする機会が少ないとか、離職率が高く手間やコストが掛かるから、という理由で介護業界以外で「正社員に名刺を支給しない業界・職種」があるでしょうか(あれば教えて下さい)?

倉庫内作業員でも正社員ならば名刺は支給されているかと思います。

会社組織に所属する社会人の一人として、会社の看板を背負い、世間や社会から認められるツールのひとつとして「名刺」は必要なものなのではないでしょうか。

今まで介護業界の中にはそういう独特の考え方で、介護職には名刺を支給して来なかったのですが、最近は徐々に介護職に名刺を支給している事業所も増えているようです。

名刺が無くて気まずかったことトップ3

介護職には、名刺交換をする機会が殆ど無いと書きましたが、事業所や自分が許すなら利用者や家族に名刺を渡してもいいかと思います。

それ以外で、過去に名刺がなくて何だか気まずかった場面があります。

①研修のグループワーク

社外の研修に参加するとグループワークをさせられたり、チームで取り組むものも多くあります。

その際に、他の参加者が自己紹介と挨拶の際に

「〇〇事業所の〇〇と申します」

と言って名刺を差し出して来られることが多くなってきました。

そういうことが多くあると

「やはり介護職でも名刺を支給されている事業所も多くなってきたんだなぁ」

「これが社会人として当然の挨拶の方法だよなぁ」

と思うわけですが、如何せんこちらには名刺がありません。

「名刺を持っていなくて…すいません。〇〇事業所の介護職員Aと申します」

と返答をするのですが、名刺を頂いておいて返せない「気まずさ」「恥ずかしさ」を感じてしまいます。

相手も気にしていないでしょうから考えすぎかもしれませんが、社会の常識を考えるとやはり心苦しいものです。

②賃貸契約

賃貸契約をする際に、不動産屋から名刺を求められることがあります。

「連絡用」や「身元確認」や「在籍(無職ではない)確認」や「肩書き確認」や「審査の一部」として使用されるのでしょうが、介護職の私は名刺を持っていません。

「すいません…正職員で介護の仕事をしているんですが名刺を持っていなくて…」

と答えるしかありません。

もちろん、他の書類等で審査に必要な確認は取れるので、不動産屋への名刺の提示は絶対ではないですが、名刺を求められて出せないのも気まずいものを感じます。

「正社員なのに名刺を持っていないんですか?」

「本当に勤務されているんですか?」

「ちゃんとした会社なんですか?」

「介護の仕事なら仕方がないな」

言葉には出さないにしても、そう思われても仕方がない状況です。

③同窓会

久しぶり、十数年ぶりかに同窓会に参加し、懐かしい顔ぶれと再会すると話題にあがるのが「仕事の話」です。

「〇〇商事で係長になった」

「独立して自営業を始めた」

「エンジニアになった」

などの話を聞きます。

仲が良かった友達や仕事上で良い関係が築けそうな人とは名刺交換をしたりします。

出世とか肩書きとかはどうでもいい話なのですが、介護職の私は名刺交換には参加できません。

せいぜい、沢山の名刺を頂くのが関の山で、お返しすることは出来ません。

「今は介護の仕事してるんだけど、名刺ないんだ」

と言ってやり過ごします。

もちろん、名刺がないことでどうこうなるわけではないのですが

「介護って正社員でも名刺も貰えないの?」

「給料安いんでしょ?」

「へえ、介護って大変だね」

というお決まりのセリフを聞くことになろうかと思います。

ここで、自分の想いを熱く語るか、介護業界の闇を吐露するか、適当にやり過ごすかはアナタ次第ですが、場の雰囲気か自分自身のどちらかが冷めてしまったり気まずくならないように注意しましょう。

最後に

今回は「介護職に名刺が支給されない理由と気まずかったこと」について記事を書きました。

要は「介護職にも名刺を支給して欲しい」という結論になるわけですが、確かに名刺交換をする機会が全くと言っていいほど無いのも事実です。

実際、名刺を支給されたものの、「全然使う機会がない」という人もいらっしゃるかもしれません。

しかしながら、社会の常識に照らして考えると「正社員ならば名刺を支給されて当然」ということになります。

「離職率が高いとか定着率が低いとか、手間やコストが掛かる」という問題は、業界全体や事業所個々が早急に解決する必要がある問題なのであって、自分たちが解決できないことを理由にして、名刺を支給しないのもお門違いではないでしょうか。

逆に、名刺を支給することによって、使命感や愛社精神が僅かでも湧いてきて離職率を下げることができるようになるかもしれません。

また、介護職が名刺をばら撒くことによって、様々な宣伝効果(事業所名や所在地の広報等)も期待できます。

まずは、介護業界は世間の常識を取り入れ、独特の考え方(非常識)を排除していくことから始める必要があるのではないでしょうか。

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