介護業界に限らずどの業種の会社にも「お局様」と言われる従業員が存在するかとは思いますが、特に介護業界で働く人達は女性の割合が多く「女性社会」であるため、「お局職員」と揶揄される人物が多くの介護事業所に存在しています。
お局職員の特徴と対処法については下記記事にまとめていますのでご参照下さい。
さて今回は、「多くの介護事業所にお局職員が存在している理由」について記事を書きたいと思います。
介護事業所にお局職員が存在している理由
お局職員のキツい性格やパワハラによって退職していってしまう職員も多く「悪の権化」のような存在なのですが、それでも多くの介護事業所にはお局職員が存在します。
会社にしてみれば、職員の離職率を下げ定着させ人員を確保していくためには「悪の権化であるお局職員が居なければ悪循環から抜け出せるはず」なのですが、そう上手くいっていない事業所が多いのが実情です。
では、何故そのような「悪の権化」とも言えるお局職員が多くの事業所に存在し続けているのでしょうか。
理由①「女性社会」
冒頭でも述べたように、介護業界は「女性社会」です。
女性社会の人間関係が難しいと言われているのは周知の通りかと思います。
その原因は「男脳と女脳の違い」で考えられています。
【男脳】
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【女脳】
|
というような違いがあると言われています。
確かに、お局職員は共感を得られないと感情的になることが多く、自分の立場を利用してその場を取り仕切ろうとするために「女性社会の介護事業所ではお局職員が存在しやすい」と言えます。
理由②「居続ける職員ほど可愛がる会社」
会社(介護事業所)にとって、「居続けてくれる職員」「辞めない職員」ほど可愛いものです。
その職員の性格に少々問題があっても「辞めずに働き続けてくれる」というだけで全てが帳消しになります。
特に事業所にしてみれば、職員の入退社が繰り返されることで手間もコストも掛かりますし、業務も安定しません。
それならば、「すぐに辞めていってしまうような職員よりも居続けてくれる職員の方を大切にしよう」という考え方になってしまっても不思議ではありません。
会社が可愛がることで「お局化」し、益々「居続ける」という悪循環によって多くの介護事業所ではお局職員が存在しやすいと言えます。
理由③「第二第三のお局職員がいる」
いくら会社が「性格が悪くても居続けてくれるだけで可愛い存在」だと言っても、その性格の悪さによって他の職員がどんどん辞めていってしまうことになれば本末転倒です。
仮に事業所が何らかの是正をする対応をしたり、お局職員が辞めていくようなことになったとしても、お局職員の下には「第二第三のお局職員」が控えています。
つまり「結局はまた同じような状況にしかならない」ということが往々にしてあり得ます。
これは「働き蟻の法則」とも言えます。
働き蟻の法則とは、働き蟻の中にも一定数サボる蟻がいて、そのサボる蟻を間引いても「再び一定数サボる蟻が出てくる」という法則です。
この法則が、人間のコミュニティにも経験則としてあり得ることで、多くの介護事業所でも第二第三のお局職員が出現することで「半永久的にお局職員が存在していく」と言えます。
理由④「そもそも経営者がお局さま」
お局さまと言われている存在が「一従業員」であれば何らかの対処や対応ができる可能性もありますが、それが「経営者」であったり「施設長」であれば目も当てられません。
トップに立つような人物が「お局」であれば、排除することは困難になってきます。
最近、福岡県の特養の施設長が「職員に便器ブラシを舐めさせる」などの不法行為を日常的に行っていたことが明らかになり「パワハラ認定された」というニュースもありました。
職員に便器ブラシなめさせる 特養施設長のパワハラ認定
福岡県糸島市の高齢者施設で働いていた介護職員5人が、施設長からのパワーハラスメント(パワハラ)や退職金未払いがあったとして、慰謝料や退職金の支払いを施設側に求めた訴訟の判決が10日、福岡地裁であった。鈴木博裁判長はパワハラを認め、計約2800万円の支払いを命じた。
【引用元】朝日新聞DIGITAL
あまりに酷い素行ですが、他人事ではありません。
そして、勇気を持って訴訟に踏み切った介護職員は素晴らしいです。
さすがにここまで酷い不法行為はあまりないにしても、トップに立つ人物がお局で、大なり小なり似たようなパワハラが常態化している介護事業所は少なくないのではないでしょうか。
経営者や施設長がお局さまの介護事業所では、「当たり前のような顔をして存在している」のです。
最後に
今回は、「多くの介護事業所にお局職員が存在している理由」について記事を書きました。
多くの介護事業所で当たり前のように存在するお局職員ですが、存在があまりにも「デフォルト」「スタンダード」すぎて麻痺してしまっている人もいるのではないでしょうか。
つまり「異常な状態に慣れてしまっている」のです。
もちろん、人間関係を円滑にしていくために、ある程度の「慣れ」や「適応能力」は必要ですが、「異常なものを異常と感知できなくなってしまうことは麻痺をしている状態」だと言えます。
また、麻痺してしまうことで「自分が第二第三のお局職員になってしまう」ということにならないように注意が必要です。