リアル介護現場の実情

現状の社会情勢の中で介護施設に行事は必要?不要?教科書通りに言えばあった方が良いけれど…

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「介護施設に行事は必要なのか?」というテーマについてリクエストを頂きました。

実は過去記事でも「介護施設での行事の要否」について言及していますが(下記記事参照)、現状の社会情勢なども加味してもう少し掘り下げて考えていきたいと思います。

介護施設の行事は本当に必要?看護師やリハビリ職は参加しない?

もちろん、教科書通りの答えを出すならば「行事は必要」ということになります。

何故ならば、利用者にとって行事は、

  • 刺激になる
  • 季節感を感じることが出来る
  • 交流の場になる
  • 人間らしさや尊厳を保持できる

などのメリットがあるからです。

しかし、メリットがあるからと言ってもデメリットが全くないわけでもありません。

特に現状での社会情勢では「行事をしない」という判断も必要な場合があります。

現状での社会情勢とは、

  • コロナ禍
  • 利用者の状態(重度認知症利用者が大半を占める等)
  • 介護職の負担増大

などになります。

以下で詳しく解説していきたいと思います。

 

 

 

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現状の社会情勢の中で介護施設に行事は必要?不要?

 

 

それでは早速、「現状の社会情勢の中で介護施設に行事が必要なのか?はたまた不要なのか?」ということについて詳しく解説していきたいと思います。

結論から言えば、「コロナ禍の現状であれば3密になるような行事は不要というかしない方が良い」ということになります。

但し、行事の内容や地域でのコロナ禍の状況や介護事業所のサービス形態や利用者の状態などの総合判断によって行事を決行されている介護施設もあるかと思います。

責任が持てるのならばそういう判断も一向に構いませんが、コロナ禍の場合はクラスターを発生させてしまった場合は責任の取りようがないことは知っておく(というかこれをわかっていない人が介護施設を運営している方が問題です)必要があります。

 

社会情勢①:コロナ禍

ニュース報道を見ているとコロナ禍はまだまだ収束とは言い難い状況です。

もちろん地域によりけりですが、色々不透明な部分が多すぎて少しでも気を緩めるとクラスターが発生してしまうような状況にあるのではないでしょうか。

不透明な部分が多いためにコロナについての言及は避けたいものの、「クラスターが発生しないように3密は避ける必要がある」ということは理解ができるかと思います。

そう考えれば、「介護施設での行事が3密になるのなら現状の社会情勢では不要」という結論になります。

マスクをしたり距離を取ったとしても万が一高齢者が感染した場合には重篤化する可能性が高いですし、そもそも利用者のニーズやメリットのために「施設内にクラスターが発生」「地域や社会全体にリスクを負わせる」ということがあってはならないのは少し考えればわかることでしょう。

つまり、「利用者のニーズやメリット」と「社会全体のリスク」を天秤にかける必要があるのです。

例えば、法律上「法益権衡の原則(ほうえきけんこうのげんそく)」という原則があります。

法益権衡の原則とは刑法上の「緊急避難(刑法第37条1項)」の要件になるのですが、「その行為から生じた害が、その避けようとした害の程度を超えないことが必要である」「価値の小さい法益を救うために、価値の大きい法益を害することは許されない」という原則になります。

この原則を介護施設の行事に当てはめて考えると、「高齢者のニーズやメリット」よりも「利用者を含む社会全体のリスクを最小限にすること」の方が価値が大きいということは社会通念上明らかなわけですから、介護施設の行事は不要と言えます。

もちろん、介護施設の行事に刑法や緊急避難が適用されるわけではありませんし、行事をしたからと言っても必ずクラスターが発生するわけではありませんが、正常な判断をするのならひとつの基準や指標になるのではないでしょうか。

第三十七条

自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

【引用元】刑法

 

社会情勢②:利用者の状態

介護事業所のサービス形態には様々ありますが、例えば特養であれば入所要件が要介護3以上ですから重度認知症の利用者の割合も高くなります。

「重度の認知症なのだから行事に参加しても意味が無い」とは言いませんが、目を向けなければならないのは、

  • 本当に利用者のニーズでありその人のためになっているのか
  • 強制参加にすることで施設側のエゴになっていないか
  • 介護施設のアピール材料に過ぎないのではないか

という点です。

もし上記に当てはまる場合は「介護施設の行事は不要」と言えるでしょう。

今後は現状よりも認知症者が増加していく社会情勢ですから尚更です。

もちろん、中には利用者のニーズに沿っていてメリットが十分にある場合もありますので、それを否定するつもりはありません。

 

社会情勢③:介護職の負担増大

介護施設の行事には、

  • お花見会
  • 夏祭り(盆踊り)
  • 敬老祝賀会
  • 運動会
  • クリスマス会
  • 年末の紅白歌合戦
  • 新年会
  • 節分(豆まき)

などがありますが、それらを行うことで介護職の負担が増大します。

もちろん、「仕事なのだからやって当たり前」という考え方もわかるのですが、現状の社会情勢として「介護職員の人員不足」があります。

つまり、「日常業務さえままならない状況」がある上に行事を行うことになれば、

  • 更なる負担が増大
  • サービス残業の横行

という悪循環が待っています。

行事は当日だけ参加して終わりではなく、当然「準備」「当日」「後片付け」が必要になります。

介護職の人員不足には目もくれず行事を決行してしまう介護施設はブラックそのものです。

最近はありがたいことにコンプライアンスや労基法の遵守をうるさく言われる社会情勢ですので、サービス残業ではなくちゃんと残業代が支給される場合もありますが、それでもやはり業務負担や時間外労働の肉体的精神的負担は払拭できません。

もしも、介護職員の「自己犠牲」「やりがい搾取」「人員不足のまま決行」ということであれば、「介護施設の行事は不要」と言っても過言ではありません。

何故なら、誰かの犠牲の上に成り立つニーズの達成や幸せは不健全な構造上の問題と言わざるを得ないからです。

介護の仕事は「やりがいだらけ」の「やりがい搾取」それでは人材が集まらない理由

 

 

 

最後に

 

今回は、リクエストにお応えして「現状の社会情勢の中で介護施設の行事は必要?不要?」というテーマについて記事を書きました。

教科書通りに回答すれば「介護事業所の行事は必要、もっと言えば重要」ということになるのでしょうが、実際のリアル現場においては社会情勢や状況を加味して総合的に判断していくことが大切です。

特に現在はコロナの影響もありますし、慎重な判断が求められます。

  • コロナ禍
  • 利用者の状態
  • 介護職員の人員不足

という社会情勢の中であれば「介護施設の行事は不要」という結論になります。

もちろん、上記の状況や社会情勢をクリアできている場合はこの限りではないことを申し付け加えさせて頂いた上でリクエストの回答とさせて頂きたいと思います。

 

 

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