介護施設には多種多様な行事があります。
中規模以上の行事で言えば
- お花見会
- 夏祭り(盆踊り)
- 敬老祝賀会
- 運動会
- クリスマス会
- 紅白歌合戦
- 新年会
- 節分(豆まき)
などが年間を通して行われています。
他にもユニット単位で行うようなものも含め、小規模なこまごまとした行事がたくさんあります。
これら全ての行事は介護職員が準備をしたり参加をして関わっていくことになります。
しかし、相当な手間と時間とわずらわしさがあるのも事実です。
今回は、リクエストを頂きましたので、介護施設の行事は本当に必要なのか?ということと看護師やリハビリ職が参加しない理由について記事を書きたいと思います。
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介護施設の行事は必要?
介護施設の行事は必要なのでしょうか。
詳しく見ていきたいと思います。
介護施設の行事の実情
行事の手間やわずらわしさは介護職員の勝手な感想ではなく(それもあるかもしれませんが)、行事の準備や参加のために1人でも介護職員が現場から抜けると人員不足に拍車が掛かってしまうのは事実です。
行事を成功させるための陰では、人員不足に拍車が掛かった介護現場で介護職員と利用者が泣いているのです。
その反面、利用者にも季節らしさを感じてもらったり、交流の場としてであったり、ひとつの生活の中の刺激として行事は必要であるとも言えます。
ただ、本当に利用者が喜んで参加していて楽しんでいるかは甚だ疑問な部分があります。
もちろん、中には楽しんでいる利用者もいるでしょうが、認知症などで意思疎通が図れない利用者も多数いる中で
- 強制的に参加
- 利用者のためではなく行事をすること自体が目的となっている
- 利用者よりも来賓に気を遣う
- 無理やり寄せ集められて写真を撮られる
- その写真を施設のホームページやフェイスブックなどのSNSや施設内新聞に掲載される
というようなものになってしまってはいないでしょうか。
それは「ただの介護施設側のエゴ」です。
「うちはこんなに素晴らしい行事をしている施設ですよ」
「行事がたくさんありこんなに活気がある施設ですよ」
「明るく楽しい和気あいあいとしたアットホームな施設ですよ」
というアピール材料に過ぎません。
もし利用者のニーズもメリットも少ないのならやめてしまうか、もう少し現場の状況を考えて節度を持った頻度と内容にする必要があるのではないでしょうか。
それこそが効率的な「引き算」と言えます。
看護師やリハビリ職が参加しない理由
介護施設での行事に関わるのは多くの場合は介護職員です(起案や要綱は生活相談員だったりします)。
中には看護師やリハビリ職はノータッチという介護施設もあるようです。
その理由はなんなのでしょうか。
理由①業務範囲外
介護職員は利用者に関わる身の回りのこと全てが業務範囲になってきますが、看護師は医療的な業務、リハビリ職は身体機能の確認や機能訓練などを専門としているので業務範囲外であるという理由が考えられます。
しかし、中には協力的だったり介護職員と一緒になって準備や参加をしている介護施設もあるようなので「事業所の方針や風潮」が大きく関係してくるのではないでしょうか。
理由②そもそも配置人員が少ない
特養などの介護施設であれば、介護職員に比べて看護師やリハビリ職の人数は少ない配置になります。
そもそもの配置人員が少ないのです。
行事の準備や参加をすると本来の業務である医療処置やリハビリに支障が出てしまう可能性があります(そうでもない場合もありますが、結局はそれも事業所の風潮でしょうか)。
ですから、あえて行事には参加しない、又は施設側が免除していたり暗黙の了解になっている可能性が考えられます。
理由③上長のパワーバランス
介護職員や看護師には上長がいます(リハビリ職はいないかもしれません)。
その上長のパワーバランスによって介護職員にしわ寄せがきてしまっている可能性もあります。
要は、行事の準備や参加を決めているのは職員個々ではなく事業所であったり上司である上長であったりするわけですから、上長の発言力や影響力が強い方が得をするのです。
何故か大体の場合、介護職員の上長より看護師の上長の方が発言力が強い場合が多く、パワーバランスで介護職員は負けてしまっているのです。
職場に勝ち負けを持ち込むと怒られてしまうかもしれませんが、自分の上司が不甲斐ないと下の人間に負担ばかり掛かってきますし、やきもきしてこちらまでストレスが溜まってしまうことになります。
結局は、「ああ、何でこんな頼りない人が自分の上司なんだ」と嫌気が差してしまいます。
最後に
今回は、リクエストにお応えして、介護施設の行事は本当に必要なのか?ということと看護師やリハビリ職が参加しない理由について記事を書きました。
看護師やリハビリ職でも協力的な人もいればそうではない人もいます。
これは看護師やリハビリ職に限った話でなく、どの職種にも当てはまります。
結局は、個々人の問題よりも上長とのパワーバランスであったり介護施設の方針や風潮や考え方が原因で「構図」というものが出来上がってしまうことが大きいと言えます。
また、介護現場や介護職員、そして利用者にまで迷惑が掛かってしまうような行事は見直しを検討していく必要があるのではないでしょうか。