リアル介護現場の実情

新人介護職員が仕事や職場環境や人間関係に慣れるまでの期間はどれくらい?(前編)

投稿日:2020年4月11日 更新日:

 

新人介護職員が介護事業所や介護現場で仕事などに慣れるまでの期間はどれくらいなのでしょうか。

「仕事や職場に慣れる」と一口に言っても、その内訳は、

  • 介護業務
  • 書類業務
  • 職場環境や雰囲気
  • 人間関係

など多岐に渡ります。

また、自分の能力、介護サービス形態、事業所の方針、上司や先輩の人間性や能力によっても新人介護職員が慣れる期間は左右されることになるため、一概に言えない部分があるのも事実です。

ですから、あくまで凡人である私個人の経験や体験談をもとにして書いていきますので、参考程度に読み進めていってもらえたらと思います。

結論から言えば、「全てに慣れるまでの平均期間は約3か月」で「介護業務自体は平均1ヶ月半で慣れた」「一番苦戦したのは人間関係で半年以上掛かった」ということになります。

ちなみに、当時(新人の頃)の私の状況やスペックは以下になります。

  • 年齢:アラサー
  • 状況:無資格未経験
  • 前職:営業職
  • 職場:ユニット型特養

営業職と介護職を比較してその違いを解説します

 

 

 

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新人介護職員が慣れるまでの期間はどれくらい?(前編)

 

 

「慣れる」というのは、あくまで「自分の中で何とかこなせるようになってきた」という状況なので、知識や技術的にも発展途上であることには変わりませんが、思い返してみるとやはり全てのことが点と点が繋がって線になるまでに平均して3か月以上は掛かった記憶があります。

今回は前編として「介護業務」と「書類業務」について、以下で詳しく見ていきたいと思います。

無資格未経験で介護職員になってから暫くは点と点が線で繋がらずに苦労した話

 

介護業務(平均1か月半)

介護業務と一口に言っても、その内訳は、

  • 見守り
  • 傾聴
  • 食事介助
  • 入浴介助
  • 更衣介助
  • 排泄介助
  • 移動や移乗介助
  • ワンオペ夜勤

などがあります。

そもそも、利用者個々の顔と名前が一致した上で、どういう状態でどういう処遇をしていく必要があるのかを知らなければ介助をすることができません。

ユニットケアとは言え、協力ユニットという名の「2つのユニットを掛け持つシステム」だったので利用者が20人います。

1日に平均3人ずつ覚えていけば1週間ほどで全員の顔と名前を覚えることができますが、介護現場の状況的に1日3人の利用者に限定した対応も困難なので、目まぐるしく広く浅く対応をしていくこととなり、あまりにも覚えることが多すぎて知恵熱が出そうになりました。

全ての介護業務に慣れるまで、平均1か月半ほど掛かったように思います(もちろん、慣れるまでにそれ以上の期間が掛かった業務もあります)。

 

見守りと傾聴(約1週間)

まず最初は「見守りや傾聴」をするように上司や先輩から指示されたりもしますが、一度に複数の利用者の見守りとなるため、どの利用者がどういう状況であればどういう対応をしなければならないかが把握できていないと、見守りの役目を果たせないため都度、他の職員を呼ぶことになります。

要は、今思えば新人の頃の見守りは「人間というセンサー代わり」だったのかもしれません。

傾聴に関しては、利用者とマンツーマンになりますが、

  • 何度も同じことを言う利用者
  • シクシクと泣き続けている利用者
  • 叫び続けている利用者
  • 話し掛けるとお金の返済を迫ってくる利用者(もちろんお金は借りていません)

など、認知症のある利用者が多いので会話が成立することは稀でした。

前職が営業職だったので、会話や対人での対応に慣れているつもりでしたが、正直傾聴を2時間もするとドッと疲れたのを覚えています。

1週間もすれば徐々に利用者のこともわかってきて慣れてきたということもありますし、他の業務を教えて貰ったり実際にやることが増えてきたため、1日の中で何時間も見守りや傾聴をすることも減ってきたというのもあります。

ただ、後で考えれば、見守りは総合力を試される奥の深い業務なので「1週間で慣れた」というのは、あくまで当時の感覚になります。

実は奥が深い「介護現場の見守り」とは?

 

食事介助(約1か月)

特養には食事介助が必要な利用者も沢山います。

まず戸惑ったのが、介助そのものでなく上司や先輩の言う言葉です。

「〇〇さんのショッカイして」

と指示されるのですが、最初は「ショッカイとはなんぞよ?」というところからのスタートでした。

介護現場では、「食事介助(しょくじかいじょ)」を略して「しょっかい」と言うのです。

食事介助の注意点は様々ありますが、私が食事介助で苦戦したのが「ミキサー食」の利用者です。

上手く介助をしないと口から流れ出してきたり、口の周りやエプロンがベチャベチャに汚れたりしました。

ミキサーのごはんも介助をしているうちに段々とトロミがなくなってきてシャバシャバ状態になってしまうのです。

これは、唾液に含まれるアミラーゼがごはんに含まれるデンプンを分解してしまうため、無駄に時間を掛けたり上手く介助ができないとミキサー食のトロミがなくなり水っぽくなってしまうのです。

水っぽいシャバシャバのミキサー食の食事介助を続けると誤嚥してしまう危険もあるため注意が必要です。

悪戦苦闘をしながら約1か月ほどで慣れてきたように思います。

【介護現場の実情】二人同時に食事介助「ツバメのエサやり?」

 

入浴介助(約2か月)

入浴介助は特に介護技術の総合力が試されますし、そもそも体力的にもきつい業務のひとつになるため、いきなり新人1人で1日中させられることはまずありません。

もし何日も連続で入浴介助を朝から晩まで1日中新人介護職員にやらせるような事業所があれば、それは

  • 業務を覚えるためという建て前のいじめや押し付け
  • 入浴介助専属の職員

のどちらかではないでしょうか。

若しくは、新人教育のカリキュラムが杜撰かよほどの人員不足の事業所でしょう。

どちらにしても、良い事業所ではないと言えます。

入浴介助で総合力が試される理由は、

  • 声掛けや誘導
  • 移動や移乗介助
  • 衣服の着脱介助
  • 洗髪や洗身介助
  • 全身状態の観察

などを一連の流れで行う必要があるからです。

上記の介助の全てに慣れた上で体力的なきつさにも慣れて、初めて「入浴介助に慣れた」と言えます。

また、浴槽の種類も、

  • 普通浴
  • 座位式機械浴
  • ストレッチャー浴

などがあります。

一通り経験して入浴介助の一人立ちをしたのが1か月を過ぎた頃で、「まぁ慣れた」と思えたのが2か月経った頃だったように記憶しています。

但し、季節的なことも関係してくるので、入職したのが真夏であれば暑さでダウンしてしまっていたかもしれません(私が入職したのは冬でしたので)。

介護職員の大仕事「入浴介助あるあると事故のリスク」体力的にもきつい?

 

更衣介助(約1か月)

特養では更衣介助が必要な利用者も沢山います。

協力動作があればまだ良いですが、片麻痺があったり拘縮があったり拒否があるなど、全介助が必要な利用者が多いのです。

理屈や理論は理解していても、実際に介護現場で利用者を相手にして更衣介助を行うとなかなか上手くいかなかった印象です。

特に、

  • ズボンの中心点がずれる
  • ズボンのお尻が上がりきっていない
  • ベッド上での更衣介助
  • 介助拒否をかいくぐりながらの更衣介助

という点には苦労したり注意しながら行っていました。

介護の仕事が初めてというだけでなく、そもそも人様の服やズボンを更衣するということ自体が初めてだったので慣れるまでに約1か月ほど掛かりました。

脱健着患(だっけんちゃっかん)とは?片麻痺がある利用者の衣服やズボンの着脱介助のコツ

 

排泄介助(約1か月)

特養には排泄介助が必要な利用者も沢山います。

また、排泄介助と一口に言っても、

  • ズボンやリハビリパンツの上げ下げの介助
  • 陰部や臀部を拭く介助
  • 排泄物を処理する介助
  • オムツをあてる介助

など、利用者の状態によって様々です。

最初の頃はとにかく仕事を覚えることに必死だったので、においを気にしている場合ではありませんでした。

排泄介助に慣れるまでに約1か月ほど掛かったように記憶しています。

介護職員になれば他人の排泄物のにおいに慣れることが可能なのか

 

移動や移乗介助(約1か月)

特養には移動介助や移乗介助が必要な利用者も沢山います。

移動方法は、大きく分けて

  • 独歩
  • 杖歩行
  • 歩行器やシルバーカー
  • 車椅子

などの方法があります。

歩きやすいように、及び転倒しないように付き添い介助をしたり、車椅子を押すなどの介助を行います。

移乗方法には、

  • 前から抱えるトランスファ移乗
  • 人力のリフト移乗やタオル移乗

などがあります。

苦戦したのが、「座位も立位も取れない利用者のトランスファでの移乗介助」です。

座位が取れないのですから、座っている状態で前後左右に倒れ込んでしまう危険が高くなります(もちろん、どの利用者でも倒れ込んでしまうリスクはあります)。

更に、立位も取れないのですから、完全に体を宙に持ち上げて移乗をしなければなりません。

どこかにぶつけたりしないように注意をしながらトランスファ移乗をするのですが、「座位保持介助をしながらの移乗」が新人の頃には難しく、又、腰にも結構負担が掛かりました。

介護現場の「移乗回数の頻度の高さ」の前では、ボディメカニクスは霞んで見えてしまいます。

ただ、ある程度の回数をこなさないと移乗介助が上達しないのも事実ですから、約1ヶ月ほどで慣れた記憶があります。

【ボディメカニクス】正しい介護技術があれば腰痛にならないという誤解

 

夜勤(約4か月)

特養には夜勤もあります。

ちなみに、16時間のワンオペ(一人体制)夜勤ですから、いきなり新人1人でやらせることはまずありません。

最初の何回かはリーダーや先輩職員に指導を受けながら一緒に夜勤をやり、「任せても大丈夫」という評価や判断が出れば一人立ちすることになります。

私の場合は、先輩職員と一緒に夜勤をやった回数は3回で、1回目で業務内容の流れを掴んで、2回目で半分以上の業務を自分が行い、3回目は先輩職員は見ているだけで殆どの業務を自分1人でやった、という感じです。

そして、入職して4か月目にワンオペ夜勤デビューをしました。

最初の1人夜勤は不安で仕方がなかった記憶があります。

夜勤の一連の流れはわかっているものの、「もしもの何か」があった場合の対応が自分にできるのかが一番の不安要素でした。

例えば、

  • 利用者の転倒や怪我
  • 利用者の急変
  • 上記に伴う救急要請

などです。

何も起こらず平穏無事な夜勤であることをいつも祈りながら現場に立っていました。

しかし、そういう経験や体験を実際にしないと「もしも」の時の対応がいつまで経ってもできないままになってしまうのも事実です。

慣れてきた頃に何度もそういう対応をする経験は積めたので、それはそれで良しとして、ワンオペ夜勤自体は約4か月ほどで慣れることができました。

介護施設のワンオペ夜勤で救急車に同乗したくない3つの理由

 

書類業務(平均4か月)

次に、書類業務について見ていきたいと思います。

書類業務と一口に言っても、

  • 利用者のモニタリング
  • 会議の議事録

などがあります。

日々の介護記録などは入職してすぐに教えてもらい実際に記録も行っていきますが、モニタリングや会議の議事録などはいきなり新人に対してやるように言われることはありませんでした。

その理由としては、

  • 覚えることが多すぎてパンクしてしまう
  • 一通り全ての業務がわかっていない新人職員にやらせる業務ではない
  • そもそも書類業務はサービス残業や夜勤中にやらなければならない

などが考えられます。

ですから、モニタリングや会議の議事録を作成するように指示されたのが、夜勤で一人立ちした頃とほぼ同時期で入職してから4か月目に入るか入らないかの頃だったと思います。

書類やパソコン業務はそれほど苦手ではないのですぐに慣れることができましたが、「書類仕事をする時間の確保に苦戦した」と言えます。

介護職員が書類仕事をサービス残業で行わざるを得ない実情とは?

 

 

 

次回、後編の予告

 

さて今回は、新人介護職員が仕事や職場環境や人間関係に慣れるまでの期間について「介護業務」と「書類業務」について書いてきましたが、どうも長くなってしまいそうなので記事を2つに分けたいと思います。

今回の記事をまとめると、

  • 介護業務は平均1.5ヶ月、書類業務は平均4か月で慣れる
  • 介護業務の多くは約1か月程度で慣れることが可能
  • 業務の中には夜勤や書類業務など3か月程度経ってから始めて教えられるものもある

ということになります。

次回は、後編として「職場環境や雰囲気」と「人間関係」に慣れるまで掛かった期間について書いていきたいと思います。

新人介護職員が仕事や職場環境や人間関係に慣れるまでの期間はどれくらい?(後編)

 

 

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