介護職員を追い詰める「プロ意識を持て」と言う人の強迫観念の押し売りとは?

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介護職員として働いていると、様々な現実や問題点が見えてきます。

例えば

「人員不足で通常の2倍近い働きをしなければならないのに給料が安すぎる」

「上司に責任を押し付けられるので働きにくい」

「利用者からのハラスメントが野放しになっている」

等々、問題は山積みです。

実際に働いてみないとわからないことも多いために、現場から声を上げていかなければ改善するどころか認知さえされないことも多くあります。

ですから、こうした問題点を現場職員が声を上げて改善を求めるのですが、そうすると

「不平不満を言うな」

「プロ意識を持って働け」

「そんなに文句があるなら辞めればいい」

といった元も子もないことを言う人がいます。

そういう何の解決にもならない極論を言う人がいると、介護職員は益々萎縮し追い詰められることになってしまいます。

今回は、介護職員を追い詰める「プロ意識を持て」と言う人の強迫観念の押し売りについて記事を書きたいと思います。

「プロ意識を持て」という強迫観念の押し売りとは?

どんな職業でも自分の仕事に対してプロ意識を持つことは大切です。

それは介護職員であっても同じことが言えます。

ですから「プロ意識を持つ」ことの大切さは理解をしていますし、そもそも普通の職員は「プロ意識」を持って働いています。

その上で、行き詰ることや耐えがたいことや明らかにおかしいことに対して、改善を求めたり乗り越えようとするのが「本当のプロ」だと言えます。

つまり、「プロ意識」を持っているから問題点が見えてくるのであって、「お前はプロ意識がないから不平不満が出るんだ」という強迫観念を植え付けようとする人は「逆に何もわかっていない」と言えます。

臭いものに蓋をする精神論

何もわかっていない人が、問題点を問題だと認識できずに「ただの不平不満」として捉えてしまうことで「プロ意識を持て」などと言ってきます。

要は、「我慢しろ」「文句を言うな」「自己犠牲を払え」「プロ意識だけを胸に抱いて生きていけ」という精神論になります。

「根本的な原因に目を向けず、臭いものには蓋をして思考停止を誘う悪魔の言葉」と言い換えることができます。

それでは何も解決しません。

恐らく、「プロ意識」を「何も言わずに黙々と仕事をするだけの人」だと履き違えてそういう強迫観念を持ってしまっているのでしょう。

こういう可哀想な人が介護業界にはまだまだ多いために、その下で働く人はもっと可哀想な悪循環になってしまっています。

プロ意識だけではメシは食えない

「お金をもらっているのだからプロだ」と言って斬って捨てる人もいます。

しかしご承知の通り、介護職員の給料は地を這いつくばっています。

その給料を「プロと呼べる水準まで上げて欲しい」と訴えることは至極当然のことです。

「介護職員の収入が低いことを知った上でやっているんだろ」

「そんなに不満なら辞めればいい」

という声もあるでしょうが

  • 時代の流れや社会情勢
  • 提供するサービス内容や質
  • 自分の能力や専門性

などで収入の増減が発生するのは自然の摂理と言えましょう。

野菜の価格だって社会情勢や生産量によって変化するのですから「常に人員不足の介護職員の給料を上げて欲しいという希望は自然の摂理に適っている」と言えます。

財源等々の問題はありますが、希望を言うのは自由であって「プロなんだからプロ意識を持って文句を言わずに働け」と言える人は強迫観念の押し売りをする迷惑な存在なのです。

介護職員も人間です

利用者は1人の人間です。

その利用者に乱暴な言葉を使ったり、人格を無視したような対応をすることは良くありません。

そしてそれ以前に、「介護職員も人間」なのです。

介護職員だって乱暴な言葉を使われたり、人格を無視したような対応をされれば嫌になってしまいます。

ましてやそれを「プロ意識で我慢しろ」などと言われ改善するどころか逃げ道さえ奪われてしまうのです。

おかしな業界です。

不満があるから頑張れないのではありません。

今頑張っているから不満が出るのです。

もっと言えば、プロ意識がどうとか言っている人こそ「頑張っていない証拠」だと言っても過言ではありません。

本当に頑張っていれば、最低限気持ちは理解できるはずです。

気持ちが理解できないということは「知識」「経験」「頑張り」「感情」「思いやりの心」「人間としての何か」が欠落してしまっているのではないでしょうか。

利用者を人間として扱う以上、介護職員も人間として扱ってこそ、本当の意味で健全な環境だと言えるのです。

最後に

今回は、介護職員を追い詰める「プロ意識を持て」と言う人の強迫観念の押し売りについて記事を書きました。

「介護職員=不平不満を言わない人がプロ」という強迫観念の植え付けや押し売りが痛々しい業界ですが、臭いものに蓋をして現実から逃げているだけでしかありません。

その結果、闇雲に介護職員を萎縮させ追い詰めてしまい、人員不足を招いた背景であると言えます。

問題点を発見し、改善を訴えている介護職員こそ「プロ意識の塊」なのです。

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コメント

  1. アングラー より:

    利用者の暴力・暴言を放置する人の特徴。利用者に寄り添えても、介護職員に寄り添うことが出来ない。
    実際に被害を受けてるものの気持ちに寄り添えない人が「寄り添うケア」なんて言っても、それはただのサイコパスであり高齢者マニアです。本当にそういうキラキラって薄いなぁと感じてしまいます。自分の子供が利用者に青アザ作られて帰って来ても「対応が悪いからだ」って言えるんですかね。
    これからは職員の福祉も実現できるところだけが生き残る時代だというのに

    • アバター画像 介護職員A より:

      >アングラーさん

      こんばんは~
      コメントありがとうございます^^

      利用者の暴言や暴力を野放しにしたり、職員を守れない事業所は終わってますね。
      そんな事業所は十中八九、人員不足でしょう。
      利用者の人権や人格を立てるのなら、同等に介護職員の人権と人格も立てた状態でなければあまりにも不健全です。
      自分の子供がされたら嫌なことを介護職員には強いる業界は表面上のイメージアップをする前にやるべきことが沢山あるように感じます。