介護の経営学

介護職員が職場に定着するために(5)「連鎖退職を断ち切るポイント」

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介護職員が職場に定着するためには、退職者を減らしていかなければなりません。

しかし現状では、1人の職員が辞めると連鎖反応のように次々と退職者が出てきてしまうことが常態化しています。

これを「連鎖退職」と言うのですが、介護事業所ではこの連鎖退職が発生しがちです。

退職者が出てしまうにしても、それが感染するかのような連鎖退職は断ち切らないと更なる人員不足を招き現場が回らなくなり正常な運営を続けていくことが困難になります。

今回は、介護職員が職場に定着するための第5弾として「連鎖退職を断ち切るポイント」について記事を書きたいと思います。

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連鎖退職を断ち切るポイント

 

 

連鎖退職を断ち切るためには「連鎖の原因」を突き止めることが先決です。

そして、原因がわかったのなら、そこから「改善」をしていく必要があります。

連鎖退職が常態化している介護事業所では、簡単な話、「連鎖の原因の追究」と「改善」が全くできていません。

そんな状態では、介護職員が職場に定着するどころか、とりあえず目先の業務や今日の現場を回すのが精一杯になってしまいます。

そして、その状態が更なる退職者を招き、連鎖退職が断ち切れず悪循環に陥ってしまっているのです。

 

ポイント①「本音の退職理由を知る」

退職理由は個々人で様々でしょうが、退職していく職員の多くは「本音と建て前」を使い分けています。

つまり、最終的に会社に申告する退職理由は「建て前」である場合が多いと言えます。

これは、出来るだけ円満退社をするためでもあり、スムーズに退職するためでもあります。

「どうせ辞めるのだから洗いざらい文句を言ってやろう」と思う人もいるかもしれませんが、実際はそう考える人はごく少数で、「自分のため」を考えると逆になります。

「どうせ辞めるのだから穏便に辞めて気持ち良く次の仕事をスタートさせたい」と考えることは当然の自己防衛です。

つまり、会社に申告される退職理由の多くは「建て前」です。

建て前の退職理由は、会社に対するネガティブな内容を避けようとする特徴があります。

ですから、会社が本当に退職者を減らそうと考え、職場環境を改善していこうとするならば、知るべきは「本音の退職理由」になります。

本音の退職理由には会社に対するネガティブな内容が含まれることが多いのですが、そこが「肝」なわけですから、その部分を知り改善していかなければ意味がないのです。

介護職員が職場に定着するためにも、退職者の本音の退職理由を知る努力が必要です。

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ポイント②「連鎖の原因を追究する」

1人が辞めたらどんどん退職希望者が出てきて、退職の連鎖が発生してしまうことがあります。

この場合、「連鎖の原因」を追究していかなければなりません。

一般的に連鎖退職には大きく分けて2つのパターンがあると言われています。

 

①ドミノ倒し型

ドミノ倒し型の連鎖退職は中小企業に多いパターンです。

元々人員不足だったりギリギリの人員で現場を回している場合に、1人が退職することでその人のやっていた業務やマンパワーを補うために、周りの職員に更なる業務負担や責任が圧し掛かってしまい、耐え切れなくなってしまったり潜在的な不満や噴出し、あたかも「ドミノが倒れていくかのように連鎖して退職者が続出するパターン」です。

「万年、人員不足」と言われている介護事業所では、このパターンが非常に多いと言えます。

 

②蟻の一穴型

蟻の一穴型の連鎖退職は大企業に多いパターンです。

誰かが退職することによって、職場の問題点(隠蔽体質、不正運営、理不尽な人事評価など)が表沙汰になり、「このまま働き続けることは自分のプラスにならない」と感じた職員が次々と退職していくことで、あたかも「ダムに蟻の大きさの穴が1つあくことで、その小さなたった1つの穴から少しずつ水が噴き出し、やがて最終的にはダムが決壊してしまうような連鎖退職のパターン」です。

このパターンも介護事業所ではあり得ることで、リーダーや先輩がどんどん辞めていってしまう姿を見ると、そこに「自分の将来像」を重ねて失望してしまったり、消去法のように自分がリーダーに昇格させられることで、今まで見えていなかった問題点に直面してしまい、それに対して会社が何も助けてくれないことを知ると絶望し、退職の連鎖が発生します。

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ポイント③「原因がわかったら改善する」

当たり前のことですが、「本音の退職理由」「連鎖の原因」がわかったのなら、そこから改善をしていかなければなりません。

職場環境を改善もせずに、常に介護職員の自己犠牲に頼りっきりの介護事業所が何と多いことでしょうか。

そんな状態では、いつまで経っても介護職員が職場に定着することはないでしょう。

 

①ドミノ倒し型の改善策

ドミノ倒し型の連鎖退職の場合、「業務負担の増加」「マンパワーの不足」が原因ですから、早急に人員の補充をすることが必要です。

しかし、多くの介護事業所では、退職者は続出しても入職者がいないのが現状です。

人員が補充できないからと言って、現場の介護職員に自己犠牲ばかり強いていては連鎖退職は断ち切れません。

この場合、

  • 新規利用者の受け入れ制限
  • 事業規模の縮小

などを検討していくことが大切です。

 

②蟻の一穴型の改善策

蟻の一穴型の連鎖退職の場合、事業所の根本的な「運営体制や風潮」に問題があるわけですから、早急に健全な運営ができるように改善していく必要があります。

事業所個々で問題点は様々でしょうが、まずは「従業員が働きやすい環境づくり」を目指すことが大切です。

従業員の満足度が低いと、顧客満足度も低くなる傾向があります。

今日明日で改善するのは難しいでしょうが、「やるのとやらないのとは雲泥の差」があります。

事業所全体で改善の取り組みをしていかなければ、ダムが決壊するのは時間の問題でしょう。

 

 

 

最後に

 

今回は、介護職員が職場に定着するための第5弾として「連鎖退職を断ち切るポイント」について3つご紹介しました。

1人の退職理由を突き詰めて考えていかなければ、やがて連鎖退職が発生する確率が上がります。

人員不足の介護事業所は、まずは「職員一人ひとりを大切にしていく」という当たり前のことから始める必要があります。

大切にされていない介護職員に良い仕事を期待する方が間違っていますし、ひいては利用者も大切にできていないことになってしまいます。

介護職員が失望する前に手を打つことで、職場の定着率も上がることでしょう。

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