介護職員が職場に定着するために(1)「採用面接のポイント」

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介護の仕事は職員が定着しづらく出入りの激しい職業です。

介護職員が職場に定着するように事業所側が「意識的に環境の改善や体制づくりをしていく」必要があります。

よく「介護職員はレベルが低い」「介護職員は変な人が多い」というような声も聞きますが、確かにそういう介護職員が存在するのも事実であることは否定できません。

全ての介護職員がそうではありませんが、そういう「特殊な人たち」は目立ちやすく目につきやすいために介護職員全体にそういうイメージがついてしまうのです。

また、職員の採用面接でも「誰だろうとどんな人材だろうと雇い入れる」という間口の広さが「特殊な人を集めやすい結果になっている」と言えます。

採用方法が「下手な鉄砲数打ちゃ当たる戦法」であるが故に、介護職員の中には特殊な人もいればすぐに辞めていってしまう人もいます。

ですから、まずは採用面接の段階で「続けてくれそうな人」「頑張ってくれそうな人」を選定していく必要があります。

今回は、介護職員が職場に定着するための第1弾として「採用面接のポイント」について記事を書きたいと思います。

介護職員の採用面接のポイント

介護職員を採用する際に、現状では履歴書の内容と面接程度の選考で採否が決められています。

質の高い人材を選考していこうとすれば、この採用選考のハードルを上げれば、ある程度はふるいにかけることができます。

例えば、一般常識の筆記試験や適性検査(SPIなど)や論文試験を課すことで、良い人材を集めることが可能になります。

しかし、現状では「人員不足」や「採用後に待ち受けている環境や将来性との整合性の問題」があり、そこまで採用選考のハードルを上げることはできません。

逆にハードルを上げてしまうと、更に人員不足が加速していってしまうでしょう。

ですから、現状では履歴書の内容と面接で選考を行っているのですが、結局は「履歴書を提出し面接さえ受ければ採用」となってしまっています。

その結果、介護職員の定着率が下がったり特殊な人が暗躍する業界になっているのです。

その悪循環を断ち切るために、介護職員の採用面接のポイントをご紹介したいと思います。

ポイント①:明らかにダメな人は不採用にする勇気

まず一番初めに必要な心構えとして「明らかにダメな人は不採用にする勇気を持つこと」です。

誰でもかれでも雇い入れるという節操の無い採用をやめることが先決です。

明らかにダメな人とは、例えば

  • 履歴書の写真がプリクラ
  • 履歴書の内容の辻褄が合わない
  • 面接時の服装がジャージとサンダル
  • 面接時にタメ口
  • 差別用語や汚い言葉を使う

などの場合です。

いくら人員不足だからと言って、採用面接の段階で明らかに問題のある人まで雇い入れる必要はありません。

そういう人を雇い入れてしまうと、職場の風紀が乱れたり人間関係が複雑化したり悪化する可能性が高くなります。

「人は見た目だけではわからない」とは言うものの、採用面接の段階で非常識な人は不採用にする業界であって欲しいと思います。

ひいては、職員が定着しやすい環境づくりにも繋がっていくのではないでしょうか。

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ポイント②:「雇ってやる」ではなく「働いて貰う」

介護現場は人員不足で喉から手が出るほど人員を確保したいことでしょう。

ですから、介護事業所のスタンスは「雇ってやる」という考え方ではなく「働いて貰う」という考え方が必要です。

臨機応変さや対応力を試すために圧迫面接という方法がありますが、介護事業所の面接ではもっての外です。

介護現場では常に圧迫面接のような日々が待っています。

そして、そんな精神的苦痛に耐えたとしても、待遇や将来性が伴わないのですから採用面接では事業所側が「働いて貰いたい」という熱意を求職者に伝える必要があります。

圧迫面接などした日には、仮に内定を出しても辞退されてしまうでしょうし、その不快な面接の噂がすぐに広まってしまい更なる悪循環に陥ってしまうでしょう。

人員不足の介護事業所の採用面接で自己(自社)PRが必要なのは事業所側なのです。

「うちの会社に入ってくれたらこんなに良いことがあります」

「うちの会社の福利厚生はこんなに充実しています」

「うちの会社の魅力は退職金が他所よりも高いことです」

「職員に定着してもらうためにこんな対策や試みを行っています」

などというアピールやPRを積極的に求職者にしていく必要があります。

要は「売り手市場」なのです。

「売り手市場になっている」ということに事業所が気づいていなければ、良い人材も確保できないでしょうし、職員も定着しないことでしょう。

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最後に

今回は、介護職員が職場に定着するための第1弾として「採用面接のポイント」を2つご紹介しました。

1つ目は当たり前のことですが、これが出来ていない(又はすることが出来ない)介護事業所が多いのも現実です。

明らかにダメな人をふるいにかけることで、介護職員に多いと言われている「特殊な人」が出現する頻度も減ってくるでしょうし、ひいては全体的な底上げも可能になります。

2つ目も現状を見れば当たり前のことになります。

要は、「売り手市場になっている」ということに気づいて、事業所側が意識を改革していかなければなりません。

需要と供給のバランスを考えれば誰でもわかることです。

事業所側が「働かせてやっている」のではなく「働いて頂いている」という意識改革をすることができれば、離職率も減り職場の職員の定着率が上がっていくのではないでしょうか。

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