リアル介護現場の実情

介護現場での利用者へのタメ口と子供扱いの実情

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介護現場において、利用者にタメ口(タメ語)で喋りかけたり子ども扱いをすることは適切とは言えません。

しかし、実際の介護現場ではタメ口や子供扱いが常態化してしまっていたり、知らず知らずのうちに行ってしまっている場合も多々あります。

今回は、「介護現場での利用者へのタメ口と子供扱いの実情」について記事を書きたいと思います。

 

 

 

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介護現場での利用者へのタメ口と子供扱いの実情

 

 

利用者は大の大人であり人生の先輩なのですから、タメ口や子供扱いをしていいはずがありません。

利用者との人間関係を構築していく中で、その距離感によって使い分けている場合もあるでしょうが、「その距離感」が結局は自分のモノサシや判断基準であったり、相手(利用者)がどう感じているかまで推し量るのはなかなか困難であるため、適切だとは言い切れないことが殆どです。

そもそも「親しき仲にも礼儀あり」ということわざもあるくらいなので、対人援助を生業とする以上、一定のラインを保っておいた方が良いでしょう。

では、実際の介護現場において利用者へのタメ口と子供扱いの実情をご紹介したいと思います。

 

利用者へのタメ口の実情

タメ口やタメ語は、「親しい人との話し方」「相手と対等の立場での話し方」です。

人間としてだとか、人権という意味では「人類皆、対等で平等」なわけですが、そんなことを言っていたら「地球上の人類全員とタメ口で会話をしても構わない」ということになってしまいます。

ですから、

  • 立場
  • 年齢
  • 関係性
  • 状況

などを踏まえた上で判断していかなければなりません。

ただ、介護現場の場合は以下の場合にタメ口が出てしまいがちです。

 

①突発的な出来事

普段は敬語を使っていても、介護現場では突発的な出来事が発生しやすく、その際についついタメ口が出てしまう時があります。

例えば、利用者が歩いている時に転倒しそうになった場合「危ない!」と言ったり、認知症のある利用者が故意的にお茶や食事をこぼそうとする行為を制止するために「ちょっと待って!」「こぼさないで!」と言ってしまう時があります。

この場合は、条件反射的なタメ口になるので致し方が無い部分もありますが、事情を知らない第三者がこの声を聞いたら「タメ口が常態化している」と受け取られてしまう可能性があります。

突発的な出来事の際にも出来るだけ敬語を使うよう心掛けたり、周囲に誤解を与えないように配慮していくことが大切です。

 

②耳が遠い利用者への声掛け

介護現場の利用者の多くは高齢者ですので、耳が遠い人もいます。

この場合、何かを伝えようとする際には耳元で大きな声でゆっくりと話し掛ける必要があるのですが、敬語だと長ったらしくなったり言い回しがくどくなったりするために、なかなか伝わりにくいことがあります。

例えば、食事の声掛けをする際に

「お食事の準備ができましたのでリビングまでいらして下さい」

という丁寧な言い方をするのと

「ご・は・ん」

と3文字で伝えるのとでは言葉の長さも違いますし伝わり方も違います。

タメ口とも取られてしまう可能性がありますが、この場合「ご・は・ん」と伝える方が明らかに伝わりやすいのです。

また、難聴の利用者の場合はこちらは言葉を発せずに、口パクやジェスチャーなどで伝えたい内容を理解して貰える場合もあります。

こういった場合も、周囲に誤解を与えないようにしていく必要があります。

 

 

利用者を子供扱いする実情

タメ口が相手と対等な話し方をするのに対して、子供扱いは「相手を下に見る対応」のことになります。

利用者は子供ではないのですから、子供扱いをしてはいけません。

一時、「介護現場では利用者に赤ちゃん言葉を使っている」という不確かな情報が流れていましたが、私自身は今まで赤ちゃん言葉を使っている介護職員は見たことも聞いたこともありません。

この点は介護職員の名誉のために申し付け加えさせて頂きます。

では、介護現場ではどのような子供扱いの実情があるのでしょうか。

 

①「ちゃん」付けで呼ぶ

利用者の名前に「ちゃん」をつけて呼ぶ介護職員が存在します。

親近感が湧いたり愛情表現のつもりなのかもしれませんが、「利用者とお友達ではない」のですから明らかに不適切です。

もっと言えば、こういう職員は他職員のことも「ちゃん」付けで呼んだり「あだ名」で呼んだりする傾向があります。

相手がどう思っているかはさて置き、職場なのですから世間的には非常識です。

職場内で利用者に対しても同僚や部下に対しても「ちゃん」付けをすることはあり得ないことだと言えます。

 

②頭をなでる

利用者に対して(特に認知症のある女性利用者)、「可愛い~」などと言って頭を撫でたり、必要以上のスキンシップを取る行為も不適切です。

完全に利用者を子供扱いしてしまっています。

「可愛いことは良いことだ」ではなく「可愛くても頭を撫でたり必要以上のスキンシップをしてはいけない」ということを肝に銘じておく必要があります。

 

③お茶を飲んだら「偉いね」

普段あまりお茶や水分を摂らない利用者がお茶を飲んでくれると嬉しくなってしまう気持ちもわからなくはありません。

しかし、お茶を飲んだことに対して「偉いね~」などと言ってしまうことは子供扱いをしていることになり不適切です。

大の大人が普段の生活の中で、お茶を飲んだだけで「偉いね」と言われることがあるでしょうか。

介護現場では、知らず知らずのうちに口に出してしまっているかもしれませんが、客観的に見たら「子供扱いをしている」と取られてしまうでしょう。

 

④利用者の発言をあざ笑う

認知症のある利用者の中には、同じことを何回も言ったり辻褄の合わないことを言ったりする人も居ます。

その発言内容が、「確かに面白い」と思ってしまうことはあります。

プッと噴き出して笑ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、それは条件反射的なものなので仕方がないとしても、その利用者の発言内容を悪意を持ってあざ笑ったりバカにするような態度を取ることは不適切です。

 

⑤共感と社交辞令と子供扱いは紙一重

対人援助の基本として「共感と受容」があります。

「相手を否定せずに気持ちに理解を示しありのままを受け入れる」ということになりますが、例えば利用者が

「ワシは〇〇商事の部長だったんだぞ」

「昔は国会議員のカバン持ちをしていた」

などという話をしてきた時に、内心

「だから何だよ」

「過去の栄光アピールか」

「どうでもいい」

「自慢話かよ」

と思ったとしても当然そんなことは言えません。

社交辞令で言うならば、

「そうなんですね、凄いですね」

などという返答になろうかと思われますが、介護現場での共感でも同じような内容になります。

また、認知症のある利用者が雑誌をビリビリに破いていた場合も

「ダメでしょ!」

「破らないで!」

などと叱責したりするのではなく

「破りたかったのですね」

「綺麗に破れましたね」

「上手に破れましたね」

などと言うのが共感と受容になろうかと思われます。

しかし、上記のような社交辞令と共感は「子供扱いと紙一重」と言えるのではないでしょうか。

何が違うのかと言えば、相手(利用者)の感じ方もありますが、最大の違いは「周囲の人や家族に違和感を抱かせたり誤解を与えたりするかしないか」ということになります。

「パーソン・センタード・ケア(利用者を中心として利用者の立場に立ってケアを行おうとする考え方)」とは言うものの、周囲や家族や行政の目にも配慮しているのが介護現場の実情になります。

 

 

 

最後に

 

今回は、「介護現場での利用者へのタメ口と子供扱いの実情」について記事を書きました。

タメ口は状況によっては発してしまう場面もあり得ますが、子供扱いをすることは許されません。

しかしながら、介護現場で「共感」をする中で一般的客観的に考えたら「共感することも子供扱いに当たるのではないか」と思われるような場面もあります。

そこが認知症介護の難しいところでもあり「介護の常識は世間の非常識」と言われる所以でもあります。

当然、利用者を中心に考えていく必要がありますが、「周囲や家族や行政の目にはどう映るだろうか」という所まで配慮することが求められているのが介護現場の実情になります。

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