介護職員が愚痴をこぼしにくい閉塞的な環境だとストレスを溜め込みやすくなります。
過去記事でも「愚痴は悪いもの」「愚痴を言わないことが美徳」というような風潮が強いために、「逆に悪循環に陥ってしまう」という実情について書きました。
しかし、度が過ぎて「愚痴ばかり言って仕事をしない」「所構わず愚痴を言い続ける」というのも問題です。
何事でも「丁度良い塩梅」が大切です。
そういった「愚痴」に対して、「部下が愚痴ばっかり言っている」「よくもそんなに愚痴ばっかり言えるものだ」などという皮肉まじりの愚痴をこぼす介護主任や上司がいます。
介護主任であろうと上司であろうと同じ人間なのですから「愚痴をこぼしてはいけない」とは言いませんが、とても違和感を感じてしまうのは「部下が愚痴を言うことに否定的でありながら自分も愚痴を言っている」という矛盾した内容である点です。
今回は、介護職員(部下)が愚痴をこぼすと「部下が愚痴ばっかり言っている」という愚痴をこぼす介護主任(上司)の矛盾について記事を書きたいと思います。
※尚、「介護主任」ではなく「介護リーダー」に読み替えて頂いても良いですが、「リーダーというポストは上司と呼べるか」ということに疑念を抱いているため、今回は敢えて「介護主任(より上の人)」としました。
自分の矛盾に気づかない上司だから部下が不満を募らせる
介護職員の愚痴に対して介護主任等が愚痴をこぼすわけですから「愚痴にまみれた職場である」ということが容易に想像ができます。
自分の矛盾に気づかない介護主任
「愚痴を批判する内容の愚痴を言う」という時点で「言っていることとやっていることが違う」わけです。
その矛盾に気づかずに、部下である介護職員をただ批判しているだけの介護主任は「明らかに無能」です。
そんな無能な上司の下で働いている介護職員は、それはそれは不満でいっぱいでしょう。
何故なら、上司が無能なんですから不満が募らないはずがありません。
愚痴もこぼしたくなって当然です。
しかし、残念ながら介護業界にはこういった上司が沢山存在します。
その理由は、「業界全体で中堅職員や中間管理職を育てることをしてこなかった(又はできなかった)から」です。
多くは「ただの穴埋め」「とりあえずの消去法」「綺麗ごとばかり言う職員から選別」といった決め方ではないでしょうか。
介護職員が愚痴をこぼす理由を突き詰めていない
部下である介護職員が愚痴をこぼしていても、全く何の対処も対応もしていない介護主任もいます。
何もしないと管理能力が問われるので、とりあえず
「愚痴ばかり言うのはやめなさい」
「一体、何が不満だというんだ?」
「しんどい時こそ頑張ろう」
などと部下に言っているかもしれませんが、それは全くの逆効果です。
何故ならば、
- 言い方が高圧的で話す気になれない
- 腹を割って話せるほど信頼関係が構築されていない
- そもそも、原因が(無能な)介護主任にある
ということが往々にしてあるために、更なる不満や愚痴を招いてしまうことになるからです。
本当に解決していこうと思うのなら、愚痴をこぼす理由を突き詰めて考えていく必要があります。
愚痴の理由を突き詰めていく前に信頼関係を築く
愚痴をこぼしてしまう理由は様々あるでしょうが、そもそも部下である介護職員たちと信頼関係が築けていなければ本音を引き出せませんし、解決することもできません。
「信頼関係を築く」と言うと、特別扱いしたりプライベートでも仲良く遊ぶというようなイメージを持ってしまう人もいるかもしれませんが、それは「ただのえこひいき」です。
まずはそれが理解できない人は、介護主任などの人を管理していく立場にはならない方が良いでしょう。
信頼関係を構築していくために必要なのは
- 適切な判断をする
- 何かあった時に責任を持つ
- 常識を見失わない
というとてもシンプルなことです。
このシンプルでありながらとても大切なことができていない介護主任は「信用されない」「心から嫌われる」「そもそも自分が不満や愚痴の対象となってしまう」のです。
つまり、「愚痴を愚痴で返す」「愚痴を批判しておきながら自分も愚痴を言う」という矛盾に気づかない時点で不適切であり非常識な人物であると言えます。
ひょっとしたら「自分は特別」と思っているのかもしれません。
しかし、そういった「慢心」や「自己陶酔」や「エゴイズム」は周囲にも見透かされてしまうため、信頼関係を築くどころか嫌悪感を抱かせてしまうことになります。
そして、そんな介護主任では信頼関係も築けませんし、その下で働く介護職員たちは不満が絶えないことでしょう。
物事には全て「原因があって結果がある」のです。
最後に
今回は、介護業界に存在しがちな「愚痴を愚痴で返す介護主任」「愚痴を批判しながら自ら愚痴を吐く介護主任」の矛盾と無能さについて記事を書きました。
人を管理する立場の人はゼネラリストである必要があります。
しかし、実際は人員不足のために介護主任も介護現場に入って汗水垂らしていることもありますし、反面、人員不足だろうがお構いなしにのんべんだらりんとしている介護主任もいます。
恐怖政治の組織であれば一切愚痴をこぼすことができなかったり、反面、無法地帯のように愚痴にまみれた職場もあることでしょう。
何事にも「原因があって結果がある」わけですから「丁度良い塩梅」の職場環境であって欲しいものです。