ユニット型特養では利用者個々が食器や食事用具を持参?陶器のお茶碗は破損が相次ぐ実情

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ユニットケアを推進しているユニット型の特別養護老人ホーム(以下、特養)では、入所者の食器や食事用具も個人個人が持参してもらっているのではないでしょうか。

例えば、

  • お茶碗
  • コップ
  • 箸やスプーン

などになります。

施設で準備したり提供すれば早いのに、何故わざわざ利用者個々で持参してもらうのかと言うと、

  • 利用者個々の個性やその人らしさを演出するため
  • 思い入れや馴染みのある食器・お茶碗で食事を楽しんでもらうため
  • プラスチックの食器やお茶碗では味気なく食事も美味しそうに見えないため

などの理由や方針がユニットケアにあるからです。

ということは、必然的に「お茶碗は陶器のもの」になります。

もちろん、中にはプラスチック製のものを持参される利用者や家族もいますが、ユニットケアの方針に鑑みると多くの場合は陶器のものです。

実は、この陶器のお茶碗が曲者で、割れたり欠けたりしやすく破損が相次ぐ原因となるのです。

ですから、最初から「お茶碗はプラスチック製のものでお願いします」と言いたいのは山々ですが、それではユニットケアの方針に反してしまうため言えません。

今回は、ユニット型特養で陶器のお茶碗の破損が相次ぐ実情について記事を書きたいと思います。

ユニットケアの特養で陶器のお茶碗の破損が相次ぐ実情

そもそも、陶器であろうとプラスチックであろうと経年劣化はしていきますし、形があるものはいつか壊れるのが世の常です。

しかし、プラスチックであれば少々の衝撃には耐えられますが、陶器ではすぐに破損してしまうのも事実です。

つまり、結論から言ってしまえば「陶器のお茶碗を使っているから破損が相次ぐ」ということになります。

では、以下でユニットケアを推進する特養での実情を詳しくご紹介していきたいと思います。

実情①:利用者が落とす

特養には様々な状態の利用者が入所しています。

自力で食事を食べることができる利用者もいれば、一部介助が必要だったり全介助が必要だったりします。

自力であれ一部であれ自力摂取をする利用者の場合、食事の最中に手を滑らしたり何かのキッカケで手が当たってお茶碗が落ちて割れてしまうということがあります。

全介助の利用者であっても、多少なりとも手を動かすことができる利用者もいますし、身じろぎした際にお茶碗に当たって落ちてしまうということがあります。

こういった「利用者がお茶碗を落としてしまう可能性」は毎食あるわけですから、陶器のお茶碗を使っているユニット型特養では破損が相次ぐことになります。

実情②:職員のミスで破損

あまりあって欲しくはありませんが、職員も人間ですからミスをすることはあります。

食事介助の途中であったり、食後のお茶碗を洗っている時に洗剤のヌルヌルで手を滑らせて落として割ってしまうことがあります。

また、他の利用者のお茶碗や食事用具などと一緒に洗うため、陶器同士がぶつかって欠けてしまうこともあるので、注意が必要です。

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実情③:食洗器の中で破損する

食器やお茶碗を職員の手で洗っている所もあれば、食洗器を使用して洗っている所もあるかと思います。

もちろん、手で洗う場合と食洗器で洗う場合を使い分けている所もあるかと思います。

食洗器の中に陶器のお茶碗を入れて洗い、洗浄と乾燥が完了して取り出そうとすると「割れている」「欠けている」ということもあります。

食洗器の水圧や他の何かにぶつかったなどの理由で割れてしまうのです。

もちろん、食洗器で洗ったのは職員ですから厳密に言えばこの場合も「職員のミスで破損」ということになります。

破損したお茶碗の責任問題やその後の対応

陶器のお茶碗が破損してしまった場合の責任やその後の対応はどうなっているのでしょうか。

事業所ごとに取り扱いが違ってくるため一概には言い切れませんが、「利用者が破損させた場合」と「職員が破損させた場合」で異なってくる場合もあります。

その後の対応として、まずしなければならないのは共通していて「家族へ連絡」です(まずは上司に報告が必要な場合もあります)。

利用者が破損させた場合

まずは家族へ連絡し、お茶碗が割れてしまったこと、割れてしまった理由、新しいお茶碗を持参して欲しい旨を伝えます。

この場合は、利用者本人の手によって破損してしまったため「仕方がないこと」になります。

しかし、あまりにも連続して毎週のように破損する場合は「本人らしさ」「陶器のお茶碗の方が美味しそうに見える」などとは言っていられないケースもあります。

あまりに頻度が高いと、利用者本人による破損であっても家族に不信感を抱かせてしまいかねません。

職員が破損させた場合

職員がお茶碗を破損させてしまった場合も家族へ連絡します。

本人が破損させてしまった時と違うのは、「謝罪が必要」ということです。

何故なら、お茶碗ひとつでも利用者の財産であり、それを職員のミスや責めに帰すべき理由で破損させてしまったのですから謝らなくてはならなくなります。

特養側が弁償するかしないかは事業所によって違ってくるでしょうが、どちらにしても新しいお茶碗を持参して欲しい旨を伝える必要があります。

一度目ならまだしも、同じような破損が二度三度と続いた場合は、家族に不信感だけでなく憤りや怒りなどネガティブな感情を抱かせてしまいかねません。

職員も戦々恐々としてしまいます。

すぐに持参できない場合

どちらの場合でも、家族がすぐにはお茶碗を持参できない場合があります。

家族が持参するまでごはんが提供されないかと言えば、当然ながらそんなことはありません。

ユニットや施設(厨房)にある他のお茶碗で代用されます。

「もう全ての利用者が割れないプラスチック製の施設のお茶碗を使用すればいいのではないか」と思っても、そうはならないのがユニットケアの闇なのです。

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最後に

今回は、ユニット型特養では利用者個々が食器や食事用具を持参しているため陶器のお茶碗は破損が相次ぐことになる実情について記事を書きました。

もちろん、職員個々が破損させないように細心の注意を払って扱ってはいますが、陶器である以上、破損頻度は低くはありません。

介護職員の人員不足や業務過多が叫ばれる中、こういった方針はもっと簡略化や効率化を検討していく方が良いのではないかと思っています。

いや、そもそもユニットケア自体を考え直す段階にもきているのではないでしょうか。

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コメント

  1. 介護職員A様、はじめまして
    私は集団食専門の食器メーカー(強化磁器)ですが、同様のお悩みを本当によくお聞きします。
    実際、破損がどこで出てもご家族様・ご本人様には不快感を抱かせてしまうので、
    素材はメラミンでも強化磁器でも、やはり施設でお食事頂く什器は施設様でご用意頂くのがベストかと思います。
    とてもためになる記事ですので、当社のお客様にもシェアさせて頂いても宜しいでしょうか?

    • アバター画像 介護職員A より:

      >(有)愛岐共販社 加藤さま

      はじめまして、コメントありがとうございます。

      記事のシェアは大歓迎です。
      宜しくお願いします。

  2. より:

    ユニットケアに、常に疑問を持っています。
    全ての個室にトイレと洗面所。それだけで、どれだけ建物の施工代金が嵩むことか。
    先々の建物や設備のメンテナンス費用もその分沢山かかります。そんな余分なお金が有るなら、
    スタッフの人件費にまわして欲しいです。
    社会保障費がここまで足りないのに、身の丈に合わない箱を作ってどういうつもりか疑問です。
    トイレ、洗面所つきの個室に入りたいなら、高いお金を払って有料老人ホームに行けばよいのです。
    それに、どのみち見守りの名目で、デイルームに車椅子ならべて自分の部屋には昼間は居ない事がほとんどです。作業効率を考えてもユニットは無駄が多すぎます。
    介護職では無い素人の私でも、不自然な気分になります。

    • アバター画像 介護職員A より:

      >柊さん

      こんばんは~
      コメントありがとうございます^^

      そうですよね、無駄が多すぎると思います。
      介護職でも不自然さや違和感を感じております><

  3. デイちゃん より:

    私が行ったユニット特養もグルホも、ご利用者様専用のおはし・コップ・食器がありましたね。
    ご本人様がなじみのあるものを使ってもらって・・だって。
    ユニットケアってどこまで自己満足なんですかね?
    誰のためにもならないことが多すぎません?
    頭悪すぎですね。www

    • アバター画像 介護職員A より:

      >デイちゃんさん

      こんばんは~
      コメントありがとうございます^^

      そうですよね、完全に利用者をスケープゴートにした自己満足の世界ですよね><
      新人やユニット間の異動になった職員は食器やお箸が誰のものかを覚えなくてはなりませんし。。。
      仮に名前が書いてあっても、お茶碗と箸とコップを1人分揃える時間が無駄に感じますね。

      • デイちゃん より:

        そんなになじみが大事なら、ご自宅で過ごしていただいたらどうでしょう。施設はなじみがありませんよね?
        なじみがないから、ベッドもダメよね?布団床にしきます?
        食事の味付けも家とは違うから、家族に食事を作ってもらいます?
        そもそもスタッフってなじみがないから、家族に面倒見てもらいます?
        あのね、家で暮らせないから施設に入れてるの。家とは違うの。家での生活は切り離して考えようよ。もうきれいごとはいりませ~ん!

        • アバター画像 介護職員A より:

          >デイちゃんさん

          返信ありがとうございます^^

          極論を言ったらそうなりますね。。。

          • デイちゃん より:

            衛生的なことを考えても、作業効率を考えても、温かい料理を提供することを考えても、アレルギーとか食形態の取り違えを考えても、厨房でまとめて作って盛りつけまでしてカートで運んできて、スタッフは配膳のみするのがいいと思うのですが。
            なじみのものって言うなら、厨房で個人の食器預かったらいいんじゃないかな。めちゃ煩雑になるけど。ww
            でももしそういう進言をして、「なら経営者になるしかない」なんて言われるなら、キレますよね。

            私は、なじみの食器を~とか、そういうくだらねーことも、「わかりました~」ってやることにしています。わざとゆ~っくりと。「なじみの関係が大事だから、全く意味ないけどやらないとね~」とデカい声で言いながら。ww
            それで入浴が終わらなかったらしょうがないよね~。週に一回になっちゃうけどごめんね。オムツ交換が一回減るけどじょうがないよね~。なじみの関係が大事だからそっち優先だからね~。ww
            これが理不尽を受け流す方法。そしてその理不尽は利用者が被る。そして私のデイのように利用者が減る。ww

          • アバター画像 介護職員A より:

            >デイちゃんさん

            「文句があるなら経営者になるしかない」という台詞は本当にスピーチロックですよね。
            方針があまりにも極論暴論でこられたら悪循環にしかなりませんね><