介護職員をやっていると、待遇の悪さや人間関係などで「辞めたい」「転職したい」と思う時があります。
もちろん、自分の判断で熟慮した結果、辞めたり転職することはあるかと思います。
その過程で、人の意見やネット上の情報を参考にするのも有効でしょう。
しかし、決めるのは「自分」ですし、安易な転職は人生にとって不利になるリスクもあります。
今回は、「安易に介護職員の転職を勧める人には注意が必要な3つの理由」について記事を書きたいと思います。
安易に転職を勧めてくる人
介護の仕事をしていると、「辞めればいい」「転職すればいい」と言われることが多くなる傾向にあります。
その根本原因は「劣悪な待遇や人間関係」が介護業界全体にあるために、転職を考える人が多いからです。
では、どういう人が「安易に」転職を勧めてくるのでしょうか。
介護現場を知らない人
介護従事者が処遇の改善を訴えていると、現場を知らない人から見れば「愚痴」に見えてしまうのかもしれません。
「そんなに文句があるなら辞めればいい」
「もっと良い所に転職すればいい」
と簡単に言い放つ人がいます。
簡単にそう言いますが「介護業界は概ねブラック」なのです。
転職しても今より良い待遇になるとは限りません。
ですから、我々は転職をしたいのではなく「業界全体の待遇を良くして欲しい」のです。
今の職場に満足している人
自分が今働いている職場に満足している人は、優越感にも似た憐みの心で転職を勧める人もいます。
「転職せずにしがみついているから業界全体の待遇も良くならない」
と言う人もいますが、実際問題自分1人が辞めようと転職しようと事業所にはほぼノンダメージでしょう。
本当に転職することで劣悪な事業所を淘汰していこうとするならば、介護職員全員が辞めたり、移民の大移動レベルのアクションが必要です。
しかし、フルタイムで働いているのに「ワーキングプア」状態の事業所にお勤めの人は、私でも転職を勧めてしまうことはあります。
転職アフィリエイター
転職サイトなどの広告を自分のブログやサイトに貼って、そこを経由することで広告を貼っていた人に報酬(広告収入)が発生するシステムなのがアフィリエイトです。
そして、そういう稼ぎ方をしている人のことを「アフィリエイター」と言います。
ちなみに、私もいくつかの記事に転職サイトの広告を貼っています。
かと言って、安易に転職を勧めているわけでも煽っているわけでもありません。
広告先の内容に納得した人が登録したり利用する分には何の問題もないと思っていますし、アフィリエイト自体も否定するものではありません。
問題は「安易に」転職を勧めたり煽動する行為です。
目的が「処遇の改善」ではなく「転職」になってしまうと本末転倒です。
安易に転職を勧める人に注意が必要な3つの理由
何故、安易に転職を勧める人には注意が必要なのでしょうか。
その理由を3つご紹介します。
理由①「無責任」
「あなたのため」「より良い環境の職場で働くため」とは言うものの、結局は赤の他人なのですから「無責任」です。
イメージで言えば、車の販売はするけど、購入後に不具合や故障があった際の修理はしないしメンテナンスもしてくれない車屋のようなものです。
もちろん、自分の人生なのですから自分で切り拓いていく必要があるのは大前提として、「何の保証もない転職発言は無責任」なので注意が必要です。
理由②「業界全体でブラック」
誰しも「ブラックが好きでブラックで働いている人」はいません。
そもそも、介護業界は右を向いても左を向いても「大体ブラック」なのです。
「ワンオペ夜勤が人員配置基準で認められている自体がブラック」だと思っています。
つまり、「ブラックを認めている業界全体がブラック」なのです。
ですから、法律に抵触するようないじめや中間搾取でワーキングプア状態の事業所は論外で転職を推奨しますが、それ以外のブラックは介護業界では通常運転の範囲なのです。
安易に転職を勧められ実際に転職活動をしてみると「差し出されたカードの大部分がババのババ抜き」をするはめになる可能性があるため、注意が必要です。
理由③「やたらと高圧的」
安易に転職を勧める人はやたらと高圧的な人が多いように感じます。
「いやなら辞めればいい」
「辞めない方がおかしい」
「転職しないと何も変わらない」
というような言い方をされることが多いのですが、それはそうだとしても人それぞれ都合があるのです。
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個々がそういった都合や問題を抱えながら色々頑張っているのです。
そこに配慮をせずに、高圧的に「辞めればいい」「転職すればいい」と言えてしまう人は、不当に「斬って捨てている」「抑圧している」だけなので注意が必要です。
最後に
今回は、「安易に介護職員の転職を勧める人には注意が必要な3つの理由」について記事を書きました。
転職は人生のひとつの転機ですから、「安易な口車」には乗らず自分の納得のいくような判断をしたいものです。
介護業界の場合は、事業所形態も様々ありますので、「色々な事業所の特徴を知りたい」「施設介護ばかりだったけど居宅介護も勉強したい」という判断もありかと思います。
最終的に決めるのは自分です。
人の意見は参考程度として、不当に斬って捨てたり抑圧するような人には注意をしながら「自分らしい判断」をすることが大切です。